1日1食で寿命が延びる!? 参院選候補者医師が薦める少食生活

健康

更新日:2013/7/17

 健康的な身体で元気に働くためには、1日3食がいいとされてきた。しかし、身体の成長に栄養が欠かせない若い頃は3食食べてもさほど太らなかったのが、30代半ばあたりから食べれば食べたぶんだけ、しっかりメタボ化していくことを実感する人も少なくないだろう。重い身体を引きずりながら、ふと思う。はたして若い頃のように1日3食とることは、本当に健康にいいのだろうか?

 単にメタボ防止だけでなく、小食にすることによって寿命が延びるという興味深い健康法を提唱しているのが、医学博士・石原結實の著書『一日一食 40歳を過ぎたら、食べなくていい』(ビジネス社)だ。

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 40年近くにわたって医師として自然療法に基づいた健康法を提唱してきた著者が、このたび参議院比例区に日本維新の会より出馬したのである。

 石原氏が提唱する政策は、年間37兆円超という莫大な医療費の打開。ガンをはじめとする病気が増加の一途を辿り、このままでは日本は病気によって衰亡し、医療費の高騰で国家の財政も破綻の危機を迎えると訴えているのだ。

 この打開策とも関わってくるのが、本書で唱えられている小食健康法だ。

 欧米では1930年代より、摂取カロリーをうんと減らす(たとえば半分にする)と、昆虫からサルまであらゆる動物の寿命が30~70%も伸びることが実験で確かめられていた。たとえば、アメリカの国立老化研究所の実験では、老化したラットの摂取カロリーを40%に抑えたところ、脳内ドーパミン受容体の量が増加し、学習記憶力も高まった。また、ガンや腎臓障害も減少し、「寿命が40%伸びた」と発表された。

 さらに同研究所では、「小食」でもどのような食べ方がもっとも健康維持に役立つかを実験した。まずAグループは、好きなだけ食べさせる。Bグループは、毎回の摂取カロリーを40%減らす。Cグループは、1日好きなだけ食べさせては、翌日に断食させた。さて、一番長生きしたグループは?

 答えはCグループ。このグループのラットたちは体重も減らず一番健康であり、アルツハイマー病やパーキンソン病も少ないことが科学的に明らかにされた。これは動物の一種である人間にもそのままあてはまる。スペインの養老院で、毎日1800キロカロリーの食事を与えたグループと、1日おきに断食させたグループを比べたところ、やはり後者が「圧倒的に長生きした」という。

 このほか、小食にすると、睡眠時間が短くてすんだり、性力が強くなったり、メタボを防いだり、美容によかったりといいことづくめ。さらには、免疫力が上がって万病の予防になり、日本人の死因トップであるガンについても、小食によって発生や悪化を阻止したり、遅らせたりといった研究報告があるそうだ。

 これだけ健康にいいことが指摘されると、すぐにでも小食生活を実践してみたくなる。しかし、食べたいものも食べずに生きるなんて、人生を謳歌していないのではないか……。そこはご安心あれ。伊豆で断食の保養所を運営する著者が提案する現代人向けの小食生活は、さほど難しいものでもないのだ。

 朝食は食べない(または、お茶や人参とリンゴのジュースのみ)、昼食はそばやパスタなどの軽食(または普通食を腹八分目以下)、そして夕食は「アルコールを含めて、何を食べても可」である。人間が「美味しい」と思うものが、今、身体が欲しているものであり、肉でも塩からいものでも食べたければかまわないというからありがたい。これなら誘惑に弱い人でも実践できそうだ。

 さらなる健康を目指したい人は、次のステップの「半日断食」や「一日断食」にトライしてみるといいだろう。

 若い頃というのは、どんどん食べてどんどん排出する、いわば高度経済成長期みたいなもの。40歳を過ぎた人は、ちょうど今の日本のように問題山積となり、食生活という根本から見直していかなければいけない時期に来ているのかもしれない。長寿を望むなら、これまでのような飽食生活はやめた方が良さそうだ。

文=大寺 明