第149回芥川賞は藤野可織『爪と目』、直木賞は桜木紫乃『ホテルローヤル』が受賞

文芸・カルチャー

2013/7/17

 第149回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は17日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は藤野可織氏『爪と目』に、直木賞は桜木紫乃氏『ホテルローヤル』にそれぞれ決定した。

【第149回 芥川賞・直木賞】

芥川賞

『爪と目』

 藤野可織/新潮4月号

爪と目

「いやしい鳥」で文學界新人賞受賞、「いけにえ」で芥川賞候補となり、今回初の芥川賞受賞となった。
3歳という幼い「わたし」が、成熟した大人(=父の恋人)「あなた」を語るという超越的な視点で物語が進む実験的な作品。現実社会に異界が入り込む従来の作風とは違い、語りの部分で現実が歪められているような世界観を表現。「わたし」の「あなた」への独白が炙りだす未知の母子像を描く。

新潮社立ち読みページ

直木賞

『ホテルローヤル』

 桜木紫乃/集英社/1470円

ホテルローヤル

北国のラブホテル「ホテルローヤル」が舞台。恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、「人格者だが不能」の貧乏寺住職の妻、妻の浮気に耐える高校教師など、それぞれに問題を抱える人たち。閉塞感のある日常の中、男と女がお互いの裸に求め合う一瞬のかけがえなさを瑞々しく描く7つの連作短編集。