第149回芥川賞は藤野可織『爪と目』、直木賞は桜木紫乃『ホテルローヤル』が受賞
更新日:2017/11/23
第149回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)が発表された。選考会は17日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は藤野可織氏『爪と目』に、直木賞は桜木紫乃氏『ホテルローヤル』にそれぞれ決定した。
【第149回 芥川賞・直木賞】
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芥川賞
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『爪と目』
藤野可織/新潮4月号
「いやしい鳥」で文學界新人賞受賞、「いけにえ」で芥川賞候補となり、今回初の芥川賞受賞となった。
3歳という幼い「わたし」が、成熟した大人(=父の恋人)「あなた」を語るという超越的な視点で物語が進む実験的な作品。現実社会に異界が入り込む従来の作風とは違い、語りの部分で現実が歪められているような世界観を表現。「わたし」の「あなた」への独白が炙りだす未知の母子像を描く。
直木賞
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『ホテルローヤル』
桜木紫乃/集英社/1470円