第6回『ぬれ○○を作る・後編 ぬれハッピーターンを作る』

更新日:2013/8/6

ぬれポッキーはお蔵入りにします
ぬれソフトサラダは可能でしょうか?

『ぬれ○○を作る・後編 
 ぬれハッピーターンを作る』 

“煎餅”より”ぬれ煎餅”が美味しい。
イコール”ぬれ”が美味い
 
そんな数式を愛した土屋氏は
前回の連載で
ぬれポッキーやぬれポテトチップスを作ろうと決心。
ただ”ぬれ○○”にするには
ただ単にスプレーで水をかければ完成では無い事が判明し
実験する以前に頓挫。
この企画を半年前から温めていた作者は
悔し涙で”ぬれ枕”を作る事のみ成功。
しかし今回の連載をこの企画一本に絞っていた土屋氏は
藁にも縋る気持ちで
ぬれ煎餅に縋り
とりあえず自家製ぬれ煎餅を作る事に。
 
これが思いの外、モッチモチに仕上がり好感触。
 
これはモッチモチのぬれ煎餅のタレをハッピーパウダーにしたら
かなり美味しいのではないか!?
ぬれハッピーターンを作ろう!
と企画を変更。
 
今回の後編はぬれハッピーターンの完成までの道のりを詳しくお届けします。
 
ちなみに
焼いてタレに浸けて再度焼くのが煎餅で
タレに浸けた後、焼かずに乾燥させるのがぬれ煎餅です。
 
お米だけが王道煎餅なのですが、
モッチモチ感を手軽に出す為に上新粉を混ぜると
良いのは前回の実験で分かっています。
ただ前回は焼く前の乾燥が足りず
モッチモチの煎餅というより餅でありました。
恐らく乾燥が足りなかった。お米の量も少なかったのでしょう。
ぬれハッピーターンを作る時は
焼く前にもっと乾燥させ、ご飯増量だ。
これで絶対美味しいぬれハッピーターンが出来る筈だ!
 
ぬれ煎餅を一度作った経験と人生35年の経験からくる勘のコラボにより
絶対に上手くいくと鼻息を荒くする。

 

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35年も生きていると、勘が正しい時が多くなりますよ

 

興奮した僕は、作る前から周囲の人間にぬれハッピーターンの話をする。
当然の様に盛り上がる周囲。
ハッピーターンと僕の相性はすこぶる良い。
以前も
砂糖4、塩1の割合で混ぜるとハッピーターンの味がする事を発見した僕は
「ミュージシャンあの粉密造」
というyahooトピックスに載る様なニュースを作ってしまったぐらいです。
 
これは間違いない。イケル。
 
そして万全の体制で
ぬれハッピーターン作りの日を迎える。
 
完成系はこうである。
せっかくなら本格的にハッピーターンにしてしまおうと
形もハッピーターンと同じ形にし
タレにするハッピーパウダーは
原点に戻るべく
歯ブラシで一袋分のハッピーターンからパウダーを削り落とし
お湯で溶かしハッピータレを作る。
そしてタレをつけ乾燥させて
包装紙にくるみ完成。
 
見た目はハッピーターンと全く同じ。
食べるとモッチモチのハッピーターン。
 
うーん、楽しみだ。
こんな楽しみな事が35歳になってもあったとは。
 
早速、準備を進める。
ぬれ煎餅を作るのは二度目。
すでになれた手つきな自分に酔いしれる。
 

電子レンジでさっと乾燥させ、
焼きに入る予定だったが
今回はしっかり天日干しもする事に
実は
先日J-WAVEのリポートで北千住に繰り出していた時
たまたま煎餅を店頭で焼いているお店を発見。
店長に煎餅を焼くコツを聞いた所
「そりゃ、しっかり乾燥させた方が上手いさ」
そんなアドバイスを入手。
そして頻繁にひっくり返した方が、形が曲がらなくて綺麗に焼けるとの情報も得たのです。
 
自然乾燥、一日経過。
見事にカチカチだ。
乾燥しきっているぞ。
 
機は熟した。
 
一年ぶりに七輪を投入。
何から何まで手間をかけてみよう。
 
焼く!

 


七輪に備長炭を入れ


焼く!!


手早く裏返す!


あ!焦げた!


膨らまない様につぶせ!


焼けた!おかきみたいだ!


それを昨日集めたハッピーパウダーの中に


お湯を入れて作った100%ハッピーなタレに

 

浸ける!

 


浸ける!


そして乾かす……

 

出来た!

 


ぬれハッピーターン出来た!

 

食べる!
 
固っ!!マズッ!!

 


全然美味しくない!!

 

しまった乾燥させすぎたらしい……
煎餅がカッチカチだ。
とはいえ、固い中にも上新粉のおかげでモチモチ感はあるのですが
前回のとは全く違い、モッチモチではなく、グダグダな食感だ。
美味しさの欠片も感じられない。
もしかして俺、煎餅を湿気させた?
 
ジトジトな関東の残暑。
防犯の為部屋の中で乾燥させたのがまずかったのか
乾燥させていたつもりが
部屋の湿度を吸い
ただ単に品質を下げてしまった……。
そして七輪で焼いたのも失敗の原因の一つかも知れない。
火力が強過ぎですぐ焦がしてしまった……。
 
完全に失敗だ……。
 
ハッピーパウダーを落とした時間も含め
ここまで相当の時間を費やした。
疲労感は相当なのものです。
 
という事で
今回のぬれハッピーターンの実験は失敗という事で……
 
ではでは土屋礼央でした。
 
「えー、ちょっと!あれだけ煽っといて、この結末は無いんじゃないの!」
「詐欺だ!」
 
うむむ、前フリ上手が災いした。
この結末では”後編”ではなく”後悔”になってしまう。
 
もう一回チャレンジしよう。
 
遂に三回目の焼きの日を迎える。
 
俺の職業はいったい……なんて言わないよ絶対。
 
と心に何度も言い聞かせてのチャレンジです。

 


ミュージシャン土屋礼央35歳

 

早速準備を始める。
 
もうデパ地下で実演販売出来そうなレベルで着々と進む準備。

 


三回目となると、完全になれた手つき。
キッチンも無駄に汚れません。

 

今度は電子レンジでしっかり乾燥させるだけにしました。
大事な乾燥と脱湿気を考えると、東京ではこれがベストであると判断。
火力も調節できるガスコンロに戻す。

 


電子レンジで慎重に乾かします。
乾きすぎず、乾かさなさすぎず……
あぁ日本語難しい。

 

完成。
 
ハッピータレに浸ける。

 


焼いた後はハッピータレに漬け込みます。
ぬれハッピーターン作りに没頭し、この合間の写真を取るのを忘れました……

 

扇風機で乾かす。

 


ドライヤーで乾かし


更に扇風機で乾かす

 

ハッピーパウダーを付ける。

 


乾いた後、ハッピーパウダーでクリスピー感をプラス!

 

包装紙にくるむ。
 
出来た!!

 


出来た!! 完全版ぬれハッピーターンここに現る!!

 

見た目は完璧です。
 
手は尽くしました。
考えうる全ての手を尽くしました。
これが「完全版ぬれハッピーターン」です。
 
ぬれハッピーターン作成日3日目。
この日はちょうど
西川貴教さんのニコニコ動画の『イエノミ!!』という生放送番組に
呼ばれている日。
お土産を持って来てくださいと言われていたので
丁度良い。
お土産はぬれハッピーターンという事にしよう。
 
生放送中。
 
ぬれハッピーターンを食してもらう。
 
「気持ち悪い!」
「ベトベト!」
「なにこれ!」
「くさい!」
(試食の画像はあまりにも残酷な為自粛)
 
数々のゲストに試食をしてもらいましたが
結果は全てこんな感じ。
 
僕も食べましたが、その感想が正しい。
ハッピータレの粘度が高く、
後でパウダーをまぶしてベトベト感を減らそうとしたのですが、
結果タレの粘度でパウダーが溶け、
結果ベトベトを強化してしまう羽目に……。
 
悔しいなぁと思いながら
オリジナルのハッピーターンを久々に食す。
 
サクっ!
 
U.UMI……。
(う、美味い……の略)

食感、味の濃さ、量。
なんというバランスの良さだ。
 
これが長年の歴史の賜物なのか……。
よりハッピーターンが好きになる自分。
 
ハッピーターン好きがターンして戻って来た。
あっぱれハッピーターン。
あっぱれ亀田製菓。

 


U.UMI……。
このサクサク感が美味しいんだね

 

さらに久々に
銚子電鉄のぬれ煎餅を食べてみる。
O.OSI……。
(お、美味しい……の略)
ぬれ煎餅ってこんな美味しかったんだね。
最近は自家製ぬれ煎餅ばかり食べていました。
 
製品版のぬれ煎餅の美味しさに涙する僕。

 


O.OSI……。
このしっとり感。
どうやって出したんだろう?

 

また企業の凄さを目の当たりに。
ただ、ぬれハッピーターンの可能性は信じたい。
近い未来亀田製菓さんが作ってくれる事を祈ろう。
それを口にした時。
誰よりも感動する自信がある。
これだけ前フリをしたのだから。
 
それにしてもFC東京を応援している土屋さんが
アルビレックス新潟のメインスポンサー亀田製菓に期待するって
ちょっと裏切り行為じゃないのー!?
 
ちょっと待ってください。
それはヌレ衣です。
 
ではでは土屋礼央でした。
 

ちなみに自家製ぬれハッピーターンは二日後にカビが生えました……。