BLでも楽しめる? 松田龍平演じる『あまちゃん』ミズタクの魅力

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更新日:2018/12/27

 ここ最近、毎朝のようにお茶の間の女子たちを賑わせている男がいる。それが、絶好調の朝ドラ『あまちゃん』に登場するミズタクこと水口琢磨だ。松田龍平演じるこのミズタクは、アイドルグループであるGMTのマネージャーなのだが、ネットやTwitterでは「ミズタク俺の部屋祭」というタグが作られて大盛り上がりするほど大人気。これほどまでに女子のハートをつかんだミズタクの魅力は何なのか。ミズタクの魅力を考察しつつ、彼の魅力に通じるキャラをBL作品から紹介してみよう。

 まず、ミズタクといえばモフモフ頭に丸メガネ。くしゃくしゃのシャツやゆるいスウェットを着ていて、部屋で下着を干していたりする。そして、女の子が部屋にいるときでも体育座り。そんなちょっとだらしないところや、気取らない感じが好きという人には、『笑い話のようだ』(じゃのめ/ふゅーじょんぷろだくと)の泉がオススメだ。ボサボサ頭のメガネ男子が部屋で体育座りしているところもバッチリ見られるし、好きな相手の部屋に呼ばれているのに無言でぽわーっと考え事しちゃう天然さも、ミズタクにそっくりなのでは?

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 また、『本気になったメリーマン』(嶋二/東京漫画社)にも同じように、部屋では半纏を着てくつろいでいたり、カッコつけないメガネ男子の奥が出てくるのだが、彼はさらにミズタクの低体温っぽい雰囲気も兼ね備えているのだ。クールとか冷たいというわけではなく、不愛想とも違う。だけど、あまり熱を感じさせないミズタク。そんな彼の低体温っぷりがもっともよく表れているのが、年下のあまちゃんと絡んでいるシーンかも。夜、泣きながら部屋に来たあまちゃんに対して、「…きみは…いくつだ?」とボソッとつぶやき、「もう寝なくていいから、布団の中でじっとしていなさい」と追い返してしまう。この鈍感さは悟りを開いた“仙人男子”にも近いが、そんなミズタクのように、年上のメガネ男子が年下の子を優しくあしらう感じ。ちょっとズレた感じで会話しているところが好きという人には、『長田先生はおよび腰』(藤本ハルキ/海王社)の長田先生がぴったり。身も心も枯れてしまった37歳の長田は、童貞の高校生・伊原に押し倒されているのに欲求不満だと解釈して「ソープ行くか?」なんて言い出してしまう。一見かみ合っていない感じもするが、このお父さんともお兄さんとも彼氏とも言えない絶妙な距離感を味わわせてくれるところは、ミズタクやちょっと枯れた感じの年上男子の魅力なのかも。

 しかし、ミズタクの場合はただ低体温なだけじゃ終わらない。普段はまったく熱さを感じさせないのに、実家に帰ってしまったあまちゃんの携帯に「ここ数日君のことを考えてる」と何度も留守電を入れたり、折り返しの電話がなかったので翌朝東京から北三陸の実家まで迎えにきたりする。その熱さがたまらないという人は、『料理男子の隠し味』(文月あつよ/海王社)に出てくる沢辺聡也を見てみて。普段は口数も多くないし、困ると固まってだまりこんでしまう彼。社内で料理上手だと噂の奥住に料理を教えてもらっているときは、奥住のことを何とも思っていなかったのだが、奥住に彼女ができてそれまでみたいに料理を教えてもらえなくなると、はじめて彼のことが気になりだす。そして、奥住のために手作り弁当を作ってみたり、彼に会って思いを伝えたときには「誰かに会えない事がこんなにきついと知らなかった」と言って抱きしめる。こんなふうに、素直な気持ちを自分なりの言葉で一生懸命伝えてくれるところに、グッと来た人も多いだろう。

 そして、クールさ、低体温っぽさという点では少々欠けるかもしれないが、意外とイメージに近そうなのが『生意気なキス』(トワ/大洋図書)に出てくるマネージャーの大窪。アイドル俳優と呼ばれている生島宝に寄り添いながら見守っているのだが、ときには「ぼ…僕は頼りないかもしれない…けど、何があっても宝君の味方だ!!」と思いのたけをぶつけることもある。さらに、宝に「ありがとう」と言われて急に泣きだし「どういたしましてー!!!」と叫びながら走ってどこかへ行ってしまうのだ。

 こうやって見てみると、やはりミズタクは最近話題の“仙人男子”や“素直クール”の要素もあわせもった最強の萌え男子なのかもしれない。