20代の4割が童貞！ あなたも堅物童貞と付き合うしかない

『童貞教師のふまじめな日常』（わたなべ志穂/小学館）

　7月1日発売の『AERA』（朝日新聞出版）で「童貞クンと結婚する7つのメリットとコツ」という特集が組まれたり、童貞専門のマンガ雑誌が発売されるなど、最近なにかと話題になっている童貞男子たち。さらに、避妊具メーカーの相模ゴムが今年の1月に行ったアンケートによると、なんと20代男性の40.6％が童貞だというのだ。こうなってくると、実際の童貞人気がどうであれ、童貞男子と付き合うしかない、童貞男子を落とすしかない。今後はそんな時代になっていくのかも。

　それを聞いて「童貞男子なら、ちょろいんじゃない？」と思う人もいるかもしれないが、やはりそう簡単にはいかないもの。7月26日に発売された『童貞教師のふまじめな日常』（わたなべ志穂/小学館）では、経験豊富な女子高生の広瀬和奏が登場するのだが、彼女も真面目で厳格な童貞教師・桐島慶一郎相手に苦戦する。そこで、この作品からお堅い童貞君を落とすためのポイントを紹介してみよう。

　生徒からは“氷の桐島”と呼ばれているが、実は女の人が苦手ということもあってポーカーフェイスを装っていた。そんな彼と同じように、お堅い童貞男子たちはそもそも女の人が苦手だったり、興味がないという人も多い。それに、女性の理想が高かったり、清楚で女の子らしい人に憧れを抱いている場合もある。でも、彼らの理想とする女の子を演じて向こうからアプローチされるのをただじっと待っているだけじゃ日が暮れてしまう。だから、まずは自分を意識してもらうところから始めなくてはならない。作中では、保健委員だった和奏がケガした桐島の手を治療しながら「生命線長ーい」と無邪気に触れたり、いきなり腕にしがみついたりする。そのうえ、桐島が女慣れしていないと知るとそれをたてに補習をなくせと脅してくるのだ。こんなことをして好きになってもらえるわけがないと思うかもしれないが、自分を知って意識してもらうという点では大成功。

　そして、そのあとはこれまでの大胆なアプローチとは逆に、真面目な部分を見せていくといい。それまでとのギャップで、さらに印象づけることができるはず。ただ無闇に抱きついたり、教師を脅してくる女だったら、桐島の女嫌いもエスカレートしてしまうだろうが、和奏のように恋愛や人付き合いに関してものすごく真面目な姿勢を見せれば、見方も変わる。元カレが浮気をして別れたときも平気なフリをするし、友達の告白も大事に見守る和奏。他の人が桐島を好きだと言っても、それを押し退けたり嫌がらせしたりすることはないし、桐島に不満をぶつけたりもしない。自分の成績が落ちたせいで先生に迷惑をかけたと思うと、貧血で倒れるくらいまで頑張るのだ。この真面目さや触れられるたびに真っ赤に染まる耳を見れば、真剣に相手のことを思っていることが伝わるはず。

　さらに、堅物童貞を相手にするときには絶対に注意しなければならないことがある。それは、言いたいことはちゃんとストレートに言葉にして伝えるということ。「帰るって言ってなんで引き留めないの！？ 追いかけないの！？」とか「空気読め」なんて言われても、女の人とほとんど接したことのない彼らは困ってしまう。だから、和奏のように「あたし先生が大好きだよ」と何度も口に出して伝えたり、人前でキスして突き飛ばされたときも「あたし傷ついたんだからねー」ときちんと不満を口にする。こんなふうに、思ったことを素直に言葉に出して伝えていけば、すれ違うことも少ない。

　これらのポイントを押さえておけば、たとえ童貞君だらけの世界になったとしても、お目当ての彼をゲットできる……はず。