「第一志望の会社に入るな!」成功者が名言に込めた意味とは?

ビジネス

更新日:2013/8/9

「名経営者、五輪金メダリスト、ベンチャー起業家、ハリウッド俳優、名プロデューサー、W杯出場サッカー選手、ミリオンセラー作家、第一線の科学者…みんな、同じことを言った!」――今、『成功者3000人の言葉 人生をひらく99の基本』(飛鳥新社)がビジネスマンの間で話題になっている。

 著者はライター歴20年、累計40万部を突破したインタビュー集『プロ論』(B-ing編集部/徳間書店)をはじめ、多くのベストセラーを世にだしてきた上阪徹氏。3000人以上にのぼるトップランナーたちへの取材を行う中で、それぞれが異なる方法で成功を掴んだにも関わらず、みな発言や思考が似ていたことに着目したのがこの本だ。世の中、仕事、人、幸福など、全8章の異なる切り口から、成功者たちに共通する“成功の秘訣”を解き明かす。

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 さっそく、印象的なメッセージをいくつかご紹介しよう! たとえば、就職活動がうまくいかず、意に染まぬ企業に入社した人をハッとさせる「第一志望の会社に入るな」。

「ある会社で次世代リーダーの育成モデルを探っていて、びっくりすることがわかった。出世コースの先頭を走っている人たちを調べてみると、ある共通項があり、それは“第一志望で入社していないことだった”というのです」

 すなわち、不満を踏み台に、自分が会社を変えてやる、ステップアップしてやるといって伸びるケースがあるということ。本書では、さらなる共通項として、「若いうちに修羅場を経験していること」や「異文化の中に放り込まれた経験があること」を紹介する。つらく苦しい逆境が大きなプラスになっていくことを教えてくれる。

 もうひとつ、直接使える知識を求めがちな人はドキッとするにちがいない「すぐには役に立たないことを大切にする」。

「スキルを学ぼうという意欲は彼ら(成功者たち)にはあまりない。そうしたものは勉強とは思っていない、と言ってもいい。むしろ、そうでないものに関心を持っている。人間としての、あるいは、生きることや仕事をしていくことの本質を学びたい、ということです」

 彼らは読むものひとつとっても、すぐにテクニックが手に入るような本より、歴史や哲学、科学や芸術、文学といったビジネスには直接関係ないものを選んでいる。人間の機微、人の器、美学、価値観などを学び、心の豊かさを高めて置くことが結果的に意思決定に生きてくるという。ほかにも、

「誰にも見られていない時間こそ人生」
「成功のカギは“やらされ仕事にある”」
「人生のリターンは、取ったリスクに比例する」
「“成果”ではなく“納得”を追う」
「幸せは“プロセス”にある」

 など、成功者たちの長年の経験やデータに裏打ちされた説得力のある言葉と思考、そして上阪氏の丁寧な解説が、見開き2ページの1話完結型で凝縮されている。流れにそって読み進めるもよし、毎日気が向くままにページを開くのもよし。読み終える頃にはきっと、世界観、人生観、仕事観がガラリと変わり、今よりもっと豊かな気持ちで日々を楽しめるはずだ。

文=矢口あやは