アダルトグッズ、AV、官能小説…… 女性が楽しむものは女性が作る!

ビジネス

公開日:2013/8/11

 いま“女性向け”の官能がキテいる。セクシータレントの壇蜜さんが女性からも憧れと人気を集め、女性専用のアダルトグッズや書籍も増加しているという。なぜいま、これほど盛り上がっているのか? 『ダ・ヴィンチ』9月号では「女による女のための官能世界」特集を実施。BL(ボーイズ・ラブ)本の帯をレビューするというブログ記事で人気を博する、ライター・マルコがその実態を調査している。

 昨年から今年にかけて「女性による女性のための官能」文化が一斉に花開き始めています。ポイントは「女性の」という部分。というのも、これまで官能グッズ・コンテンツの作り手といえば男性であることがほとんどで、女性からすると「なんだかな~」という部分が少なからずあったからです。……あ、すみません。“女性からすると”なんていけしゃあしゃあと書きましたが、僕は男です。それも性の専門家ではないごく普通の一般男性です。本稿では、そんな一般男性の視点から「女性による女性のための官能文化」を紹介していくことにしましょう。

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 まずは何といっても、「TENGA」の女性版「iroha」から話を始めなければなりません。この製品、既存のカテゴリに無理やり当てはめて表現するなら「ローター」です。
「iroha」のフォルムは斬新! 今までに僕らが持っていたローターのイメージとはまるで違います。和菓子のような美しい曲線美は芸術的ですらあり、手触りはまるで吸い付くような気持ちよさ! デリケートな部分に触れるのだから、そりゃあ柔らかい方がいいし、デザインだってスタイリッシュな方がいいですよね。でも今まではその発想が出てこなかったわけで、これが男女の感覚の違いってやつなのでしょうか。そもそも「iroha」という名前からして実に優雅だし女性的。これ、僕が企画者だったら「しんどうちゃん」みたいな、明らかに“男が女性ウケを狙って無理にかわいくしただけのネーミング”になってしまいますからね!

 たとえ同じものでも、作り手が女性になるだけでがらりと視点が変わります。たとえばアダルトビデオ(AV)もそう。女性スタッフオンリーで女性向けAVを制作している「SILK LABO」の作品は、官能シーンの描き方ひとつとっても男性向けのAVとは大違い。登場人物に感情移入できるように作中のドラマパートがしっかりと描かれていて、AVというよりも“セックスシーンが強めのドラマ”といった印象です。正直に言うとですね……AVのドラマパートって、僕はぜんぶ早送りで飛ばしていました! ……うん、なぜ自分がモテないのか少しだけわかった気がします……。

 それ以外にも「関節、大丈夫?」と見ているこっちが心配になるようなアクロバティックな体位も出てこないし、“出会って4秒でセックス”みたいな超展開もありません。その意味では男性向けAVより断然リアルだし、自然体です。

 同誌では、女性向けに続々発売されているAVやイメージビデオ、アダルトサイトブログなどを紹介しつつ、『ダ・ヴィンチ』ならではの大人気官能小説を多数紹介。官能ブームの先駆けともいえる「女による女のためのR-18文学賞」はもちろん、ハリポタを超えて空前のブームを巻き起こした小説『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』、官能と恐怖をミックスさせたオトナ女性のための電子書籍レーベル「エロ怖」、男女の濃密な恋愛(ルージュライン)と痺れるような男同士の恋愛(ブルーライン)の、ふたつの異なる官能世界を掲載したWEB小説マガジン「fleur(フルール)」など、女性による女性のための官能をたっぷり味わうためのガイドを掲載している。

 

文=マルコ
(『ダ・ヴィンチ』9月号「女による女のための官能世界」特集より)