いま注目の怪談芸人ダイノジ・大谷が語るガチで怖い話

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/23

  いま、怪談ファンの間で「次世代のホープ!」と注目されているのが、お笑いコンビ・ダイノジの大谷ノブ彦さんだ。お笑いで培った話術をもとにくり出される怪談の数々は、臨場感たっぷりで怖さも一級品。「怪談もお笑いも根は一緒」と語る大谷さんが、『ダ・ヴィンチ』9月号の「稲川淳二が贈る真夏の怖い話」特集で怪談の魅力を語った。

「怪談は想像力で楽しむエンターテインメント。本当にあったかどうか分からないところも含めて、最高に楽しい話芸であり、エンターテインメントだと思うんです」

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 そう語るのは、テレビやネット媒体で巧みな怪談語りを披露しているお笑いコンビ・ダイノジの大谷ノブ彦さん。怪談好きが嵩じてライブを主催するなど、“怪談芸人”としての活動にも注目が集まっている。

「『今日は楽しんで帰ろう!』というお客さんが集まると、すごくいい空間ができあがる。そこはお笑いも怪談も一緒ですよね。いいエンターテインメントって全部、お客さんとの共犯関係だと思うんです。そうそう、怪談ライブといえば、前にこんなことがありました」

 と言って、大谷さんが語り出したのは怪談ライブで起こった不思議な出来事。

「お笑いコンビ<井下好井>の好井君っていう、すごく霊感の強い後輩がいるんですよ。彼がイベントである怪談を語ったら、お客さんが3人も気絶して、救急車で運ばれたっていうんです。それはすごいなと思って、ぼくの怪談ライブでも同じ話を語ってもらったんですね。ところが、舞台で聞いていても、あんまり怖くないんです。導入は良かったのに、尻切れトンボみたいな話で。終演後『好井君、正直怖くなかったよ』と伝えると、『すいません、実は途中で話を変えたんです』と言う。というのは、好井君が話を始めると、見知らぬ男が会場に入ってきて、ステージの前までやってくると、両手で大きく“バツ”の合図をしたっていうんです。その男の姿は、どうやら好井君にしか見えていない。あ、この話はしちゃいけないんだ、と好井君は思ったっていうんですよねーー」

そ、それは怖い。怪談は芸人仲間から集めることが多いという大谷さん。

 その次に同誌で紹介してくれたのは、芸人を目指して上京してきたばかりの若手芸人A君の体験談。新宿区でしかも風呂・トイレ・ベッドつき、それなのに家賃3万円の格安アパートに住み始めた彼が体験した身の毛もよだつ怪異とは?

取材・文=朝宮運河

(『ダ・ヴィンチ』9月号「稲川淳二が贈る真夏の怖い話」特集より)