個室ビデオ、AVコーナー、キャバクラ……イカくさい男の聖域を女子高生が覗いた!

マンガ

公開日:2013/8/16

 世の中には、レンタルビデオ屋のAVコーナーやキャバクラ、個室ビデオ、カプセルホテル、銭湯の男湯など、男にしか入れない場所がたくさんある。本来なら、そこに女性が足を踏み入れることはできないもの。しかし、7月29日に発売された『をのころん』(ルノアール兄弟:著、高本ヨネコ:イラスト/実業之日本社)では、そんな男だけの世界に、なんと女子高生の緒乃子が潜入していくのだ。ある日、突然彼女の目の前に現れた女神ジョディ・オンヌの命令により、召使であるメシベルと一緒に幽体したり、男に変身したりしながら男の世界の謎を探ることになった緒乃子。性に興味はあるけど恥ずかしがりや。そんな女子高生が男の聖域に足を踏み入れたら、果たしてどんなことが起こるのか?

 まず、初めて行ったレンタルビデオ屋のアダルトコーナーでは、入る前から顔を真っ赤にし、オロオロしたりキョロキョロしたりと落ち着かない様子。さらに、「どこを見てもAV!」という状況に耐えられず「う~…頭がクラクラする…」とめまいを起こしそうになってしまうのだ。しかし、客同士がすれ違うときに器用に肩を寄せてぶつからないようにしているのを見て、江戸の商人が築き上げた「江戸しぐさ」という生活マナーのひとつ「肩引き」だと思ったり、勃起しながら鋭い眼光でAVを選んでいる姿が刀を差した剣豪に見えることから、最後にはなぜか「アダルトコーナーって…江戸文化が残されている場所だったんだ…!」と感動してしまう。AVコーナーは意外にも、礼儀正しい日本男児が集まる場所だったみたい。

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 また、おっさんに変身してキャバクラを探しているときは、「飲みのほうは?」「パイオツのほうは?」「ヌキのほうは?」と次々話しかけられるのだが、言ってることもわからないので恐怖に怯えてしまう。しかし、メシベルにその言葉を翻訳されると「わかったらわかったでエグい!!」とゲンナリ。それを乗り越えた緒乃子は、今度は幽体になってキャバクラに潜入し、キャバ嬢を狙っている男性にターゲットを絞って観察を始める。キャバ嬢とエッチなことをしたいと思っている客は、ドリンクをおごったり、延長することで太っ腹な客。いわゆる“太客”感を出してくるそう。しかし、キャバ嬢の前では「ドリンクもう一杯どう?」「あ、ボーイ君も一杯おごるよ!」と見栄を張りながら、トイレに入ると「電卓機能で料金をこと細かに計算している」のだ。その姿を目撃した緒乃子は「そんな…涙ぐましすぎるよ…」と思わずほろりと涙をこぼしてしまう。それに、指名がかぶってキャバ嬢が他のテーブルに行ってしまったときは、カラオケで指名嬢へのメッセージソングを歌うのだ。これには緒乃子も「姑息すぎるでしょ!?」とあきれるばかり。キャバクラでは、まるでゲームをクリアするかのごとくあちこちで見えない駆け引きが繰り広げられていたのだ。

 さらに、個室ビデオにも潜入する緒乃子。性に興味がある彼女でも、さすがに個室ビデオがどういうものかは知らなかったらしく、初めはすごく戸惑っていた。でも、メシベルにレンタルビデオのAVコーナーの“イートインスタイル”と言われると、「私…こんな所入りたくない!!」「なんでわざわざこんな所に来る必要があるの!? そんなこと…家でやればいいじゃない!!」と泣きながら抵抗しようとする。確かに彼女の言う通りなのだが、「逆に聞くけどあんたお父さんが家でシコれると思ってるの!?」と言われてしまうと何も言えなくなってしまうのも事実。しぶしぶ入室した彼女は、パソコンを利用する際の指紋認証や3Dシアタールームの存在を知ると、単純にその設備に対して「ハ…ハイテク過ぎるよ!!」と驚く。しかし、そんな整った環境の中で時間いっぱいひとりHにいそしむ男性を見ると「どんだけ貪欲なのよ!?」とあきれるのを通り越して恐れおののいてしまうのだ。

 その他にも、路上で立ち飲みする男たちにオナホールを自作する人。パンチラを見るためだけに坂で歩みを遅くするなど、女子には理解できない男の珍行動がたくさん。見れない、入れないと言われると余計に気になってしまうものだが、女子のみなさんにはあえて見ないやさしさも必要なのかもしれない。

文=小里樹