マンガを描きたい女子急増中! なぜか絵が下手な人のための裏技とは?

暮らし

公開日:2013/8/20

  発売からわずか1週間で完売状態になり、話題となった『なかよし』3月号(講談社)の付録「まんが家セット」。原稿用紙やスクリーントーンといった道具に人物の描き方、プロットの立て方といった解説もついており、読者である女の子だけでなく現役のマンガ家からも「ほしい!」という声があがったほど。それをうけ、8月3日に発売された『なかよし』9月号には「進化型まんが家究極セット」という付録がつき、異例の4割増しの部数で発売された。しかし、いくら道具がそろっていて、ひたすら絵を描いてみても、なかなかうまくならない人もいる。そんな人にオススメなのが、8月8日に発売された『描けない! うまくいかない絵がビシッと決まる25の裏ワザ』(両角潤香、みずなともみ/マール社)だ。この本では、手に感覚を覚え込ませる「イメージ型」ではなく、絵を描くときになぜ描けないのか悩んだり、つい頭で考えすぎてしまう「思考型」の人にぴったりの裏ワザがたくさん紹介されている。

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 マンガ初心者のなかには、髪の毛を描くのが苦手という人も多い。それは、どこにどれくらい線を描きこめばいいのかわからないから。しかし、実はそこにも押さえておくべき裏技があるのだ。それが「髪の毛の特に暗い部分をピックアップ」すること。人物の写真を見てみたらわかりやすいと思うが、髪の毛にも影になって特に暗くなっている部分がある。そこだけを丁寧に描きこみ、あとはほとんど描かない。そして、同じ流れの線をくっつけたり、交差して重なった部分の下にある方を消したりしていくと、自然な髪の毛が描けるというのだ。もし、髪を描くのが苦手で今まで全部塗りつぶしていたなら、これでやっと黒髪以外のキャラも描ける!

 また、全身を描くときに陥りがちなのが、「体に対して頭が大きい」とか「足の太さ、ひざの位置が左右で違う」といったバランスの悪さ。ここでは、理想的な体型とされている8頭身をもとに、身体のパーツの位置を決めていく。「あごから胸までは頭1個分」「股は体のちょうどまん中」といった基本のポイントを押さえながらアレンジを加え、「頭から腰までを少し短く」して女性や子どもらしい絵。逆に、頭4個分の足を4.5~5個分にすることで、かっこいいキャラにしたりできるのだ。そして、人体の重心があるへそから地面に向かって垂直に線を引いた「重心線」を意識すると、どんなポーズのイラストも描けるようになるはず。

 そして、絵を描くうえでもっとも多くの人が悩むポイント。それが、キャラの描き分けだ。どんな絵を描いても、いつも同じような顔になってしまう。幼い女の子は得意だけど、おじさんになるとどう描いていいのかわからない。そんな悩みを解決するためには、まず年代による特徴をしっかり把握すること。よくよく見ると、幼い頃の女の子は「頭そのものが小さいので、顔に対して目が大きく見える」が、実は10代だろうと40代だろうと「目そのものの大きさはさほど変わらない」。顔の面積が広くなるので、目が小さくなったように見えるのだ。さらに60代になると、頬や目のまわりがたるんだり、首が痩せる。男の場合は、歳を重ねると輪郭がごつくなり、頬骨の位置も少し高くなる。それに、目をあっさりしたり、鼻の存在感を強くしていくと、より年を取った感じが出る。ここにやせ型やぽっちゃりといった体型のバリエーションを加えることで、キャラのバリエーションも無限に広がるのだ。

 プロレベルの道具はそろえたけど、なかなかうまく描けるようにならない。才能がないとあきらめて、道具が埃をかぶってしまうまえに、これらの裏技を試してみてはいかがだろう。

文=小里樹