宇宙刑事ギャバン、シャリバン…、80年代のあの特撮ヒーローの知られざる秘密とは?

エンタメ

2013/8/26

 昨年、誕生30周年を記念して復活した『宇宙刑事ギャバン』。80年代を代表する伝説のヒーローが再び見られると、喜んだ30代も多かったはず。しかし、80年代を彩る東映の特撮ヒーローはギャバンだけじゃない。そこで、8月9日に発売された『特撮ヒーローの常識80年代篇』(東映/双葉社)から、人気の特撮ヒーローたちの知られざるトリビアを紹介してみよう。

 みなさんは『宇宙刑事ギャバン』と『宇宙刑事シャリバン』の違いを知っているだろうか。ギャバンは銀色のメタリックなコンバットスーツに身を包んでいるが、シャリバンはメタリックレッドに輝くスタイルになった。こんなふうに、パッと見でわかるものや武器の違いはあるが、ギャバンとシャリバンでは変身の速さが格段に上がっているのだ。ギャバンの場合、身に着けるコンバットスーツを瞬間的に電送して「蒸着」するのだが、この速さが0.05秒。それに対して、シャリバンは0.001秒で蒸着できる。ギャバンの蒸着シーンですら瞬きしている間に終わってしまうので、「では蒸着プロセスをもう一度見てみよう」というナレーションのもとプレイバックする演出がなされていた。それなのに、シャリバンとの速さの違いを感じるのは当時の子どもたちにとっても至難の業だったはず。

 また、人間を超えた機械として登場した『超人機メタルダー』には、なんと人間が1人も登場せず、主人公の剣流星がメタルダーに変身するシーンすらない回がある。それが、第11話の「勇者の追撃! 天空にそそり立つ巨人!!」だ。その代りにメインとなったのが、敵であるネロス帝国。『超人機メタルダー』では、4軍団からなる巨大組織・ネロス帝国にスポットをあてたエピソードも多かったらしく、40体にも及ぶ怪人が一堂に会したり、軍団対抗で運動会を行ったりもしていた。さらに、最下級軍団員のロマンスまで描かれていたというから驚き。

 そして、宇宙から落ちてきたE.T.のペット「ペットントン」が街で騒動を巻き起こす『ペットントン』には、アグレッシプな子役が登場する。それが、ガキ大将的なポジションのガンちゃんことガン太だ。なんとこのガンちゃん、同級生のネギ太のことを愛しているという設定なのだ。ガンちゃんはどうにかネギ太に好かれようと思い、わざとケンカに負けて、悲劇のヒーローになろうとしたりもする。小学生の男の子が同性に惚れてアプローチするという話は、80年代の子どもたちにどう受け止められていたのだろう?

 さらに、石ノ森章太郎が原作をつとめる『星雲仮面マシンマン』でマシンマンが戦っていた犯罪結社テンタクルの目的は、世界征服ではなく「ただひたすらに子どもたちをいじめること」。それと言うのも、テンタクルを率いる悪の天才科学者・プロフェッサーKが子どもを見るとくしゃみが止まらなくなってしまう「子どもアレルギー」だったから。子どもから教育を奪うために教科書を白紙にしたり、女の子にひげを生えさせたりと、さまざまな方法で子どもたちをいじめるプロフェッサーK。しかし、番組中盤で腹心が倒れた後、彼はスペインに行くことになる。その理由は、なんとプロフェッサーKを演じる天本英世自身に当初から「スペイン旅行の予定があったため」。こんなことが許されていたのも、80年代だからこそ。

他にも、『兄弟拳バイクロッサー』の主題歌を『水戸黄門』のうっかり八兵衛を演じていた高橋元太郎が歌っていたり、劇場版『スケバン刑事』に原作となったマンガの作者が、「ヨーヨー売りのおじさん」として登場していたりもする。いつの時代も子どもたちの心を掴んで離さない特撮ヒーローだが、大人になって見るとまた違った楽しみ方ができる。今後は、昨年復活した『宇宙刑事ギャバン』のように、自分の子どもと一緒に楽しめる作品が増えていくのかもしれない。

文=小里樹