ラノベ界最強!? 『モテ泣き』主人公の口説きテクがすごい!

マンガ

公開日:2013/9/1

 今、“口説きアプリ”が人気だ。7,000DLを突破し、有料ブックランキングでも2位になった「意のままに操る~究極の口説き術」や、口説くのに適した店を紹介する「東京お口説きグルメ100」、「あらゆる女性の口説き方マニュアル」など、さまざまな口説きアプリが登場している。やはり、恋愛において“口説く”という行為は、最初にして最大の難関。誰もが頭を悩ませるところなのだろう。

 ましてや、非リア充のオタク男子やラノベの主人公なら、なおさら。優柔不断だったり、受け身だったり、恋愛どころか友だちとのコミュニケーションも苦手で、口説くなんてもってのほか……。ラノベの主人公といえば、そういうイメージがないだろうか。しかし、そんなラノベ界の常識を覆すキャラが話題を集めている。8月10日に6巻が発売された『モテモテな僕は世界まで救っちゃうんだぜ(泣)』(谷 春慶:著、奈月ここ:イラスト/宝島社)には、女とみれば呼吸するように口説きまくるとんでもない主人公が登場するのだ。この『モテ泣き』主人公の望月砕月が披露する口説きテクとは、いったいどんなものなのだろうか?

 まず、とにかくすぐキスを迫る砕月。同じ図書委員の先輩だった静流には「静流先輩はかわいいな」と微笑み、顔を真っ赤にしている彼女を本棚と身体で挟むようにして距離をつめる。そのまま本棚に手をつき、もう片方の手で顎先を掴みながら「……冗談ですよ」と言って、相手が気を抜いた瞬間にキスをするのだ。さらに極めつけとばかりに「キスから始まる恋があってもいいと思いませんか?」とイケメンボイスで囁き、「嫌なら拒絶してください」と言いながら再びキスする。普通は、嫌われるのが怖くてこんなこと到底できないと思うが、砕月はそんなことまったく気にしないのだ。また、元カノで学年一の美少女である三渕優沙が砕月を気遣おうものなら「君の言葉は僕の心を惑わせる。罰としてその口を塞がなければならない」と迫るのだ。キスの迫り方1つとっても、いろいろあるみたい。

 しかも、彼の場合は口説く対象も幅広い。先輩や学年一の美少女はもちろん、幼馴染みのクラスメイト、義母、義妹、入院先の看護師……。それに「君のその綺麗な黒髪と、 愛らしい瞳。一目見ただけで僕の心は君に奪われてしまった」と言って口説いていた相手は、まさかの黒猫。生き物の性別をパッと見で見抜ける能力まで持っているというから、その徹底ぶりは称賛に値する。そのうえ、本来の世界ではありえない存在を指す“バグ”やそれを退治するために現れたウィザードの少女・タマ、彼女の元上司であるハルマラなど、この世に存在しない相手でさえ対象になる。それが女の子ならば、たとえ初対面でも「……骨まで愛せる」と口説き始めてしまうのだ。ここまでくると、さすがに自分でも自分が怖くなるかも。

 さらにすごいことに、砕月はどんな状況であっても口説くことをやめない。隠し撮りされた自分の写真を見ても「……言ってくれれば、いくらだって被写体になったのに」「僕って愛されてるなぁ」と超ポジティブに受け止める。自然とこんな勘違いができるから、彼はどんな相手でも口説けるのだろう。また、祭で奢らされたときも「お金で愛は買えない。だが、お金で愛を示すことはできる。君への想い、プライスレス」などとくさいセリフを平気で言っちゃう。戦いの途中でも「さあ、みんなで僕と一緒の墓に入ろう!」と言い出すし、死にかけたあとでさえ「僕が死んだと思って泣いてたタマは、もう完全に僕に惚れてるね。僕のハーレムにようこそ。歓迎しよう、盛大にな」などとバカみたいなことを言ってくる。彼のビョーキは、まさに筋金入りなのだ。

 誰かを口説くために必要なのは、カッコイイ見た目でも最高の口説き文句でもない。嫌われることを恐れない勇気。というより、むしろ相手の反応なんてお構いなしで気にしないくらいの勘違い力や鈍感力なのかも。どうやって女性を口説こうかと悩むくらいなら、砕月のように手あたり次第思いついた言葉を口にしてみるのもアリかもしれない。

文=小里樹