1馬力とは具体的にどれくらいの力を表しているでしょうか?

科学

更新日:2013/9/17

「駅から徒歩10分」「所要時間50分」「HDD容量500GB」「SPF50」「ピンまで150ヤード」など、巷にあふれる「単位」。目安として誰かが決めてくれたものだが、単位だけがひとり歩きしてしまい、本当の大きさや量などがよくわからないまま、「だいたいこのくらいかな」と曖昧に使っていないだろうか?

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 そこでおすすめしたいのが、『世界で一番おもしろい! 「単位」の早わかり便利帳』(ホームライフ取材班/青春出版社)だ。全141項目の「単位」が各ページにイラストと単位で説明され、わかりやすく並んでいて、気になった単位とその分量をすぐに調べることができる。

 ここ10年ほどで一番使うようになった単位といえば「GB」(ギガバイト)だろう。パソコンやデジカメ、スマートフォンなどの容量を表す単位として使われていて、「あと◯ギガしか容量ねーや!」ということが頻繁にあるかと思うが、1GBには何曲の曲が入り、何枚の写真が入って、何分の動画を収めることができるのか知っているだろうか? 本書によると、曲なら約250曲(1曲約4分、標準モードの場合)、写真が約400枚(500万画素の場合)、動画は約42分(約35万画素の場合)を記憶することができるそうだ。

 また外出先で買おうと思った家具や家電製品が、自宅のスペースに入るかどうか悩んだことはないだろうか? そんなときに役に立つのが、意外な物のサイズだ。例えば一万円札の横幅は16センチ、千円札の横幅は15センチ、1円玉の直径は2センチ。これらをメジャー代わりに測り、そのまま支払いもできる(笑)。また官製はがきの短い辺は一辺が10センチ、こちらも手軽なメジャーとして使える。そして100グラム=Sサイズの玉子約2個など、普段の生活に役立つ豆知識もたくさん掲載されている。

 このような「知っておくと便利な単位」を始め、不動産屋で見ることの多い「一坪」が何平方メートルなのかなどの「古くからの日本の単位」、石油関連のニュースでよく聞く「ガロン」などの「わかりづらい外国の単位」、グラスワイン1杯の量の目安などの「料理や食事で役立つ単位」、海外の靴のサイズの目安などの「カラダと健康についての単位」、最近主流になりつつあるLED電球で使われる明るさの単位「lm」(ルーメン)と電球のワットの換算方法などの「暮らしに役立つ単位」、これからの季節に心配な台風の「強い」「非常に強い」「猛烈」の度合いがわかるなどの「天気予報がよくわかる単位」、資料や会話にはよく出てくるが、見て確認のできない「nm」(ナノメートル)の長さなどがわかる「大きさと分量の単位」、ニュースなどで耳にする「200海里の排他的経済水域」などで目にする「海里」の距離などがわかる「距離と速度の単位」、震災以降、気になる「震度」と「マグニチュード」の目安がわかる「イザというとき役立つ単位」という10項目に分かれている本書。気になった単位が探しやすい作りになっている。

 またちょっとしたミニ情報が項目ごとにあるのも楽しい。たとえば「1馬力」の項目(ちなみに1馬力は約75kgのものを1秒間に1メートル動かせる力だそうだ)には、鉄腕アトムのパワー「10万馬力」は、イージス護衛艦きりしまのパワーと同じなど、トリビア的な読み物としても楽しめるので、1冊あるといろいろと便利に使えるはずだ。

文=成田全(ナリタタモツ)