『風立ちぬ』に続き、『永遠の0』も映画公開予定! 今年は零戦が話題

映画

公開日:2013/9/24

 先日、引退を発表した宮崎駿監督。事実上の遺作となったのが、この夏に公開された『風立ちぬ』である。ご存知の通り、零式艦上戦闘機―いわゆる零戦の設計主任・堀越二郎をモデルにし、彼の半生を描いた作品だ。

 そして、今年12月21日(土)に公開予定の映画『永遠の0(ゼロ)』は、主人公が祖父・宮部久蔵が生き抜いた特攻までの戦争体験を紐解いていく物語。同タイトルの原作は放送作家・百田尚樹氏による作家デビュー作であり、2006年に発売されて以降累計発行部数300万部を超える大ベストセラー小説だ。

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 そう、今年は何かと零戦が話題の“零戦イヤー”。9月14日には、文藝春秋と模型メーカー・タミヤの初コラボ商品が発売された。それが写真集『闘う零戦 特装版』(文藝春秋/渡辺洋二)である。同書には、タミヤ特製の「1/72スケール 零戦21型・プラスチックモデル」が付いてくる。

 零戦は、日中戦争の半ばから太平洋戦争の終わりまで運用された戦闘機である。運用開始とともに華々しい戦果を残したものの、徐々に衰退し、果ては戦闘機自体が爆弾となるという悲しい運命をたどった。日本軍と一体になって、まさにその身を捧げたのだ。その栄枯盛衰について、同書では時系列ごとに「完勝」から「落日」までの10章に分け、零戦と、ともに運命を歩んだ隊員たちの写真を全360枚以上掲載している。写真集の編著者・渡辺洋二氏は、航空雑誌の元編集者。そのころから旧軍の航空関係者に取材をし、1200余名から話を聞いているという。各写真のあっさりとわかりやすく書かれた説明文を読むと、その当時の隊員たちの様子も伺える。

 『風立ちぬ』のキャッチコピーは、「生きねば。」。『永遠の0(ゼロ)』の宮部久蔵が望んだのが「必ず生きて帰る」こと。秋の夜長に思いをはせて、零戦から「生」を学んでみてはいかがだろうか。

文=廣野順子(Office Ti+)