8割以上がニセモノ!? 危ないサプリをどうやって見分ける?

健康

公開日:2013/10/1

 健康を維持するために必要な栄養素を効率よく摂取できるサプリは、いまや我々が生活していくなかで欠かせない存在になっている。しかし、市販されているサプリ151品目のうち、129品目がニセモノだと知ったらどうだろう? 8月24日に発売された『そのサプリ、危険です! 本物サプリの正しい選び方』(柴田 丞/経済界)によると、サプリの中には恐ろしいものや危険なものもたくさんあるというのだ。一体、どんな危ないサプリがあり、どうすれば見分けられるのだろうか。同書から紹介しよう。

 サプリを買うときに、まず参考にしてしまうのが宣伝文句。だが、それが落とし穴らしい。そもそも、サプリは医薬品とは違うので「○○に効く!」とか「○○○がすぐに治る!」「これを飲めば血液がサラサラに!」といったように、効能や効果をダイレクトに謳うことができない。しかし、平成23年5月に東京都福祉保健局が発表した情報によると、「販売店で購入した製品では、88品目中75品目」「インターネット通信販売で購入した製品では、63品目中54品目」に不適正な表示・広告が見られたというのだ。世間に出回っているサプリのなんと8割以上で、不当な表示や広告といった虚偽記載が行われていたということになる。

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 また、サプリには多くの添加物も使われている。たとえば、形を作るための「賦形剤」や、錠剤を固めるノリのような役割を果たす「結合剤」、錠剤を体内で崩壊させ成分を吸収しやすくするための「崩壊剤」、製造過程において錠剤が機械にへばりついたりしないようにするための「滑沢剤」などがそれだ。しかも、市販のサプリの場合、この添加物が50%から多いものになると90%を占めるなんて情報も。そうとは知らない人々が、体にいいと思ってサプリを摂取すればするほど、同時に添加物も取り込むことになっていたのだ。

 実は、そんな添加物の量を見分ける方法もある。パッケージに書かれた「1錠あたりの質量」をチェックして「栄養成分の含量」を引けばいいのだ。しかし、多くのメーカーがこのような計算をされることを嫌がるので1錠の質量を記載していないそう。これでは、危険なサプリを避けるのも一苦労だ。

 さらに、サプリには合成と天然のものがあるのだが、特に合成ビタミンには注意が必要だ。これは用量や用法を守って服用しなければならない。ビタミンを補うためにと用量や用法を守らずに大量に摂取してしまいがちだが、天然か合成かの違いだけで体に与える影響は大きく変わってくる。そして、もちろん天然の方が望ましいのだが、天然ならなんでもいいわけでもない。2008年にはサプリの原料に使われた「マカ」が放射線照射されていたとして、商品を回収する騒ぎが起きた。日本ではビール会社や化粧品メーカーのように、原料を仕入れてサプリを作っているところが多いので、原料に関しては把握できていないこともある。

 こんなにたくさんの危険なサプリが出回っている現状だが、それでも食事だけで補えないものや体内で作れないものを摂取するためにはサプリに頼るしかないという面もある。だからこそ、こういったチェックポイントを押さえながら151品目の中にある本物の22品目を見抜く力を身につける必要がありそうだ。

文=小里樹