大泉洋が語る、三谷幸喜との因縁 「三谷さんは、面倒くさい方ですよ(笑)」

芸能

公開日:2013/10/10

 北海道の人気演劇ユニット「TEAM NACS」の一員であり、いまや全国的な人気俳優となった大泉洋。そして今年、彼は「売れっ子作家」という新たな一面を獲得した。4月に発売した著書『大泉エッセイ』が26万部のヒットを記録。ファンのみならず、幅広い層から厚い支持を得た初のエッセイ集だ。そんな彼がみずから表紙の一員となった『ダ・ヴィンチ』11月号では、熱狂的な人気を誇るバラエティ『水曜どうでしょう』を特集。大泉洋のインタビューも掲載されている。

「僕が初めてエッセイを書く時、三谷さんの『オンリー・ミー 私だけを』を読んで、『なるほど、エッセイとはこう書くものなのか』と参考にさせてもらったんです。ご本人からこの『三谷幸喜のありふれた生活11 新たなる希望』をいただいて、すぐに読ませてもらったんですけど、やっぱり読んでいて、楽しい。流石ですよね」

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 今回、大泉が選んだ一冊は、三谷幸喜が朝日新聞に連載中のエッセイ「ありふれた生活」をまとめたもの。第11弾となる最新作は、2011年6月から翌年7月までの掲載分を収録。人気脚本家の日常を覗き見するような面白さ、また深津絵里、小日向文世など三谷作品ゆかりの役者たちの素顔も垣間見ることができる。その中に大泉の名前もあるのだが……。

「この本を読んでいると、登場する役者さんたちのことを、いかに三谷さんが信頼し、尊敬しているかが伝わってくるんですよ。でも、ほかの役者さんが“さん”付けなのに対し、なぜか僕だけ“大泉”と呼び捨てで書かれている(笑)」

 舞台『ベッジ・パードン』でタッグを組んで以来、『ドレッサー』『清須会議』と三谷作品には欠かせない存在となった大泉洋。「初めて会った時から、三谷さんは僕の取り扱い説明書を熟読しているかのようでした」と話すほど、三谷への信頼は厚い。

 一方の三谷も『新たなる希望』の中で、「彼が十年早く、もしくは僕が十年遅く生まれていれば、きっとどこかで出会って一緒に劇団を作っていたような気がして仕方ない」と自身の作品との相性の良さを語っている。

「学生時代、三谷さんの舞台『ショー・マスト・ゴー・オン』を観て演劇の面白さを知った僕からすれば、こんなに嬉しい言葉はなかったんですよ。ただ三谷さんは、大変やっかいなところがありまして(笑)。『エッセイに君のことを書いたのに、感想が届かない』とメールが来たのでこれはまずい!と、長い長い感想メールを送ったんです。すると『どうも気持ちが伝わってこない』と返ってきて……。ホント、面倒くさい方ですよ(笑)」

 同誌ではこのほか、この秋に新作が公開される『水曜どうでしょう』の裏話や、番組に対する想いを熱く語っている。

取材・文=倉田モトキ、編集部
(『ダ・ヴィンチ』11月号「水曜どうでしょう」特集より)