やきそばにアレをかけて「イタリアン」! 出身県がわかる!? ご当地ごはんアレコレ

食・料理

更新日:2013/10/11

 簡単な質問に答えていくだけで、自分の出身地がわかる。9月、東京女子大学の篠崎晃一教授とゼミ生が公開した“方言チャート”が話題になった。その的中率の高さにTwitterやFacebookは騒然! サイトにアクセスしてみた人もいるのではないだろうか。

 出身県のお国柄が出るのは、言葉だけではない。たとえば、食。「大阪といえばコナモン」といったイメージがあるように、土地ごと独自の“ご当地文化”があるものだ。昨今では、ご当地B級グルメで各県が競い合う「B-1グランプリ」が開催されたり、コンビニチェーンでご当地モノのお弁当が楽しめたり…と、にわかに浸透もしている。

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 そんな全国各地のご当地食=「県民ごはん」を紹介しているのが、『県民ごはん、作ってみました』(もぐら/大和出版)。著者は、都道府県擬人化マンガ『県民性マンガ うちのトコでは』(飛鳥新社)、一家で各県・各地域を旅するマンガエッセイ『見とこ、行っとこ、トコトコ四国』『見とこ、行っとこ、トコトコ関西』(JTBパブリッシング)などを手がけるマンガ家。正真正銘、ご当地ネタに憑かれた人物なのだ!

 本書で紹介されるのは、富山県の「キュウリのみそ汁」や新潟県の「イタリアン」、沖縄県の「サーターアンダギー」、秋田県の「だまこ鍋」など全13種の県民ごはん。1章・1県民ごはんの構成で、各県の特徴に始まり、県民ごはんを(ネットなどを見てテキトーに)作って食べた感想やレシピ、そしてルーツに至るまでを網羅! …さすがのマニアっぷりである。

 しかしながら、県民ごはんのうちには「他の県ではこんな料理が普通なのか!?」と衝撃を受けることも少なくない。たとえば、新潟県という「イタリアン」。なんと、やきそばにミートソースをかけて食すもので新潟市、長岡市近辺で広まっているというが、他県の人間にとっては、母親が食卓に出してきたら「お母さん、疲れてる…?」と心配になるぐらいのシロモノだろう。

 愛媛県出身の著者も「イタリアン」を作りながら、「このふたりを出会わせていいのか!? 別々に生きた方が幸せなんじゃなかろうか?」と心で叫び、焼きそばとミートソースの禁断の出会いに戸惑いを隠しえない。この「他県の人からすると異様なものを作ってる感」の表現は、本書の中でも特に秀逸だ。

 ちなみに、イタリアンのレシピは、
(1)フツーの焼きそばを作る
(2)ミートソースを作る
(3)焼きそばの上にミートソースをかける
と至ってシンプル。中には、少し手間のかかるものもあるが、あくまで「自宅で現地の味を再現している」ため、レシピ集としても役立ちそうだ。

 というわけで、今晩は岡山県の一風変わった県民ごはん「えびめし」を作ってみることに。いや~、まさかハヤシライスのルゥをひとかけ入れるなんて…おっと、この続きはぜひ本書で!

文=有馬ゆえ(東京都出身)