『水曜どうでしょう』人気の理由は「観ていて疲れるから」?

テレビ

2013/10/14

【藤村】 旅情を感じる?

【内田】 旅情というのとはちょっと違うかな。旅って、ああいう感じじゃないですか。目的地に着いたときだけちょっと盛り上がるけど、あとは結構退屈で。することなく、無理やり話題を探すけど、やっぱり盛り上がらない(笑)。

【藤村】 若いやつに、むりやりモノマネさせて笑う(笑)。

【内田】 旅って、笑いの閾値(いきち)が下がるんですよ。素だったら「ぜんぜんおかしくないよ」って言えるけども、旅だとこの辺で笑っとかないと、もう他におかしいことないからというんで、評価基準が下がって笑いに甘くなる。

【藤村】 旅は笑いの閾値を下げてくれるんだ! その説は今日、初めて聞きました。

【内田】 特にね、体力的に追い詰められてくると、どんどん下がってくるんですよ。疲れてくると、何でもおかしい。

【嬉野】 うちのタレントもよく言いますからね、「もう疲れた」「もういっぱいいっぱいだ」って。

【藤村】 苦しくなってるってことを、序盤から丁寧に観せてるわけですよ。そうすると、観てるほうも同じような体調になるのかもしれない。

【内田】 そう! 観てると、こっちもだんだん疲れてくるんですよ。だから、一緒になって笑える。

【藤村】 普通にテレビとして考えたら、そういう不安になる言葉って出しちゃいけないですよね。僕らは当たり前のように出すんだけど、普通はなかなかできないんだと思う。

【内田】 『ジャングル・リベンジ』の時も、ディレクターが二人とも完全にテンパっちゃって弱音ばっかり吐いてますよね。あの時の視聴者の共感度はすごいですよ。「この番組は成立するのか?」ってほんとうに心配になる。放送してDVDまで制作してるんだから旅は無事に終わったはずなんですけど、「彼らは生きて帰れるのだろうか?」と(笑)。

【藤村】 それはね、わかってやってるんですよ。それが面白いんだもん、観てるほうも。一番のエンターテインメントはなんなのかっていうと、「何が起こるかわからない」ですよ。

【内田】 生きる力のある人間って追い詰められるととにかく笑うんです。笑うほうが不機嫌でいるよりとりあえず生きる力は高まる。『どうでしょう』も旅が過酷になるほどみんな笑いますよね。

取材・文=吉田大助
(『ダ・ヴィンチ』11月号「水曜どうでしょう」特集より)