67歳からもう一度婚活!? シルバー婚活がもたらす幸せとは?

恋愛・結婚

更新日:2018/6/4

 婚活と聞くと、アラサー、アラフォー世代をイメージする人が多いかもしれない。しかし、実は50歳を過ぎてから婚活を始める人も少なくないそう。そして、10月1日に発売された『父が、67歳で恋をした。~まさかのシルバー婚活ものがたり~』(becco/ぶんか社)でも、64歳で妻を亡くした作者の父が、3年の時を経て婚活を始めるのだ。67歳で婚活を始めたら、人はどう変わっていくのだろう?

 作者の父は、妻を亡くしてすぐの頃「お父さん仕事辞めるわ こんな精神状態じゃとてもじゃないけど働けん…」とひどく落ち込んでいた。娘の料理にも「お前の料理は若者向けで父さんのクチに合わんわ…」「お母さんならイチイチいわなくてもオレのクチに合う料理つくってくれてたのに…」と愚痴をこぼす。仏壇に手を合わせながら「…オレも早くおまえの所にいきたいわ あと3年ぐらいでいけるかな?」などと口にしていたことも。

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 しかし、結婚相談所に登録してからはガラリと変わる。まず、そこに登録されていた人の中で「夫と死別した女性」に限定し、さらにその中で一番美人の女性を選んで一緒に食事に行ったそう。そして、紹介してもらってからたった2日で恋人ができてしまったのだ。それからの彼は「メール送りたいからメールの送り方教えてくれやー」と浮かれまくり。オシャレにも気を遣うようになったし、「恋愛に距離なんて関係ないやろ」と休暇になるたびに名古屋から神戸まで恋人に会いに出かけていた。娘であるまちこがどんなに注意しても食後の間食をやめず、「オレにはもう食べることしか楽しみがないんやっ!!」と言っていたのに、恋をしてからはちょっとお腹が引っ込んだそう。やはり、人はいくつになっても恋することで変われるのだろう。

 さらに、自分が好きだった相手から娘にもっと感謝しろと言われると「……ありがとうな父さんの面倒見てくれて おまえがいてくれて父さんは助かっとるよ」と素直に感謝を口にするようになる。それだけでなく、「おまえは彼氏のドコが好きになったんや?」とぶっちゃけ恋愛トークまでできるようになったのだ。母親が亡くなったばかりの頃はぶつかることも多かったけど、父親がもう1度恋してからは「お父さんてさ案外女見る目あるよね」「まぁオレはおまえもいい女だと思ってるよ 世間に出して恥ずかしくない娘だと思ってる」と言い合えるような、いい関係を築けた。

 やはり、いくつになっても失恋や好きな人を失くした悲しみを癒してくれるのは、新しい恋人の存在なのだろうか。残された人生を楽しく生き生きと過ごせるなら、シルバー婚活も悪くないかもしれない。

文=小里樹