冴えないオヤジが6人のイケてるオヤジに攻められる！？

『オジさんパラダイス～愛される理由～』（愁堂れな：著、奈良千春：イラスト/竹書房）

　『TIGER＆BUNNY』の虎徹人気や『おじさん図鑑』（なかむらるみ/小学館）、『おじさん画報』（学研パブリッシング：編/学研マーケティング）が話題になり、女子の間で巻き起こったおじさんブーム。しかし、どうやらおじさんに萌えていたのは女子だけではなかった。なんと、9月27日に発売された『オジさんパラダイス　愛される理由』（愁堂れな：著、奈良千春：イラスト/竹書房）では、6人のイケてるオジさんが学歴もこれといった資格もない。地味でメガネの典型的なイケてないオヤジ・桜田由乃にメロメロになってしまうのだ。そこにはどんなイケてるオジさんたちが登場し、どんなふうにメロメロになってしまうのだろう？

　まずは、10年連続で“抱かれたい俳優ナンバーワン”の座に輝く超人気俳優・芒野リョウ。ドラマに出れば高視聴率、映画に出れば興行収入50億オーバー。そんな人気俳優の芒野は、バーで桜田に気づいたと同時に駆け寄ってきて跪く。さらに、彼に抱きつきながら「ご馳走させてください」「あなたと共に飲めるなんて夢のようです」と熱く語りはじめるのだ。それでも足りず「もっとしゃべってください。僕に話しかけて」と言うほどメロメロに。

　また、恋愛小説のカリスマと言われる萩原月下も桜田のファンのひとり。大学時代に華々しく賞をとってデビューし、その後は鳴かず飛ばずだったものの直木賞受賞で再ブレイク。それほど輝かしい経歴を持っている彼も、「なんでもいいから君のことを知りたい」という欲求にかき立てられ、通っていた学校を突き止めて出待ちしたという。

　大手レコード会社社長の新築を手がけたり、セレブから指名が来るほど有名な建築家・田村紅葉だって、桜田のファンミーティングに仕事場から直接ツナギ姿でかけつけるのだ。そんな相手に「自分の人生はあなたで変わった」「もう、俺は死んでもいい」と言われたら…。

　物凄いハイテンションでいきなり抱きつき、オネエ言葉でしゃべるプロデューサーの鶴巻も、人気実力ともにある芒野から「名プロデューサー」と言われるほどの実力の持ち主。そんな彼も、知り合いだった桜田の会社の社長に桜田のことを「なんで教えてくれなかったのか」と電話するくらい夢中なのだ。

　そして、身長は185cmほど。銀縁眼鏡と白衣の似合う桐谷一真は、整形外科医なのだがマッサージも得意で“ゴールドフィンガー”の異名を持つ。そんな彼が、1日に7、80人は来るという患者に頭を下げて桜田のためにクリニックを貸し切りにしてしまう。そして、桜田がもっと感じる身体になるように、開発していくのだ。

　普段は騒ぐみんなをたしなめてくれていたロマンスグレーのマスター・猪塚は、みんなに抱かれて汚れた桜田の体を「拭いて差し上げましょう」と言って熱いおしぼりで丁寧に拭ってくれる。しかし、5人がかりでみんなが桜田を愛しているところを見ていると我慢できなくなったのか、「陰嚢は私が担当しましょう」と参戦してくるのだ。曜日ごとに桜田を抱く日を決めようという話になったときも、真っ先に「店は日曜が休みなので、私は日曜日を希望します」ともっとも長く桜田を独占できる曜日を指定。

　人気俳優から大工、ロマンスグレーのマスターまで魅了する桜田。こんなにいろんなタイプのオジさんから愛されるなんて羨ましすぎるが、オジさん萌えの女子からしてみれば、オジさん同士が愛し合うこの状況もまたオイシイのかもしれない。