宮木あや子『セレモニー黒真珠』が第9回酒飲み書店員大賞を受賞! 受賞コメントも掲載

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/23

 宮木あや子による連作短編集『セレモニー黒真珠』(MF文庫ダ・ヴィンチ)が、このたび、第9回酒飲み書店員大賞を受賞した。

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 酒飲み書店員大賞とは、千葉を中心とした酒好き&本好きの書店員有志が集まり、売り出したい1冊をコンペで決定している定例企画。これまで、高野秀行『ワセダ三畳青春記』(第1回)、山本幸久『笑う招き猫』(第2回)、原田マハ『キネマの神様』(第8回)などが大賞に選ばれている。

『セレモニー黒真珠』の舞台は小さな町の葬儀屋。シッカリしすぎなアラサー女子・笹島、喪服が異常に似合う銀縁メガネ男子・木崎、どこかワケあり気な新人ハケン女子・妹尾の3人が織り成す、ドラマティック+ハートウォーミングストーリー。

 選考にあたった書店員からは下記のようなコメントが寄せられている。(一部抜粋)

自分のお葬式に参列出来ないことを残念だと思ったのは、初めてです。
(文教堂ユーカリが丘店 中村愛衣さん)

派遣の妹尾さんの話が、私のお葬式のイメージを覆しました。お葬式って、悲しいけど永遠の愛を誓うものだったんだな!
(くまざわ書店公津店 辻丸由美さん)

生きるもの全てに「死」は訪れる。その時この本が、傍にいて涙を拭ってくれるだろう。
(山下書店南行徳店 髙橋佐和子さん)

お葬式とは出発の儀式である、そう教えてくれる。人を想うことの大切さを改めて教えてくれる作品だ。
(ブックエース我孫子店 渡邉森夫さん)

 受賞した宮木あや子さんからは、下記のコメントが寄せられた。

 拙著を選んでくださった、素晴らしく柔軟な読書脳をお持ちの書店員のみなさま、このたびはまことにありがとうございました。
 この本を入り口に、「宮木あや子っていうのはサラっと軽い気持ちで読める話を書く作家」だと思った新規読者の方々が、うっかり他の著作に手を出して打ちひしがれるかもしれないという懸念を抜きにして、単に「一冊の文庫として『売れそう』」という理由で発掘していただけたことがまずとても嬉しいです。そのプロの心意気に心より感謝申し上げます。
 また、既存読者様における私の立ち位置が「好きだけど人に教えられない作家」的なものらしく、私自身も私の読者だったら人格疑われそうで、安易には「宮木あや子が好き」って人に言えないな、と常々思っていました。このたび賞をいただけたことにより、新規読者の方にひとまずは疑われることなくおおっぴらに読んでもらえるであろうことが、何よりも嬉しいです。
 どうかこれからも拙著のことをよろしくお頼み申し上げます。

 受賞作は、酒飲み書店員大賞参加の書店ほかで受賞記念のパネルなどを展開予定。これを機会にぜひ手にとってみてはいかがだろうか。

  • 酒飲み書店員大賞

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