「リーガルハイ」古美門のルーツ!? 強烈すぎるBL弁護士たち

BL

公開日:2013/10/26

 前作の人気に『半沢直樹』の勢いも加わり、高視聴率でドラマの2期が始まった『リーガルハイ』。堺雅人演じる連戦連勝のやり手弁護士古美門研介の、口が悪く、手段も選ばない強烈なキャラがインパクトを与えたこの作品。ただ訴訟に勝つことだけを重視しており、相手を徹底的に打ちのめして論破するのが大好き。思い通りに行かないと、駄々をこねてわめいたりする子どものような一面も。おまけに気分屋で浪費家。人として問題あり。

 ドラマの主人公としては異色すぎる古美門だが、実はBL界には彼に負けず劣らず口の悪い弁護士やお金大好きな弁護士がたくさん登場する。そこで、「悪人を泣かせる方法」シリーズ(雨隠ギド/新書館)や『リーガルトラップ』(水壬楓子:著、 亜樹良のりかず:イラスト/幻冬舎)、『今夜も先生が眠らせてくれない』(鳥谷しず:著、宮沢ゆら:イラスト/角川書店)から、強烈キャラの弁護士たちを紹介してみよう。

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 まず、『悪人を泣かせる方法』や『悪だくみにも花はふる』シリーズの鷹尾は、イケメンだけどお金に目がない弁護士。自分に片思いしていた譲の通帳を見て思わずとびかかりそうになったり、「お金好きでしょう」と聞かれて目をキラキラさせながら「大好き」と答える。さらに、競馬で譲が万馬券を当てたときも、駆け寄っていきなりキスするのだ。そして、こっそり裁判を見に来た譲に「黙って見に来るなよ! 調子狂うだろうが」とキレていたくせに、「仕事してるところかっこよかったなぁ…」と言われて機嫌を直し「そうだろうそうだろうもっと褒めろ」と調子にのる。おまけに自分が離婚したこともあって、離婚相談と聞くと「ドロッドロのやつだといいなぁ!」とノリノリに。だけど、本当は兄妹のためにお金持ちになろうとしていただけだったのだ。

 また、『リーガルトラップ』の征眞はヤクザ御用達の腕利き法廷弁護士。問題があれば取引先との契約もあっさり打ち切ったり、自分のことをゴキブリみたいな野郎だと罵った相手に向かって「女に手を上げるなんて、ゴキブリ以下のダニにもならないようなウジ虫に言われても痛くも痒くもありませんね」とバッサリ。検事のあいだでは「ハートの女王様」とか「レッドデビル」とも呼ばれているほど。しかし、お金がない頃子ども相手でもツケをさせてくれたお店には、20年以上経っても定食ひとつに万札を置いてくるような義理堅い面も持ち合わせている。

 そして、『今夜も先生が眠らせてくれない』の眞史も、名門法曹一族の御曹司で博士号を持つエリート弁護士。それなのに、独立してからは昼過ぎまで寝ていたり、夜になると出かけて行ったりする。推薦人欲しさに彼の家で家政夫として働くことにした佐原に対しても、初対面から「新しい犬か?」とか「その“お世話”には、下の世話も入ってるのか?」と言ってくる。食事についても「味つけがしつこすぎるぞ」「親父から、俺は薄味が好みだって聞いてないのか?」と文句を言う。でも、実はほかの弁護士が儲けにならないからと嫌がる依頼も積極的に受けるし、料金も考慮してくれる。さらに、国選弁護人として担当した事件では、無実を訴える被告人のために休日を返上して目撃者探しをしたりもするのだ。

 もしかしたら、少々口が悪くて傲慢な人のほうが、案外いい弁護士だったりするのかもしれない。

文=小里樹