ブログを書いて飯を食う“ブログ飯”は本当に可能なのか?

IT

公開日:2013/10/30

 「もう会社、辞めちゃおうかな」「雇われる人生ってどうなの?」…会社員なら一度はそんな迷いを抱くこともあるはず。でも、好きなことをして自分のペースで働くなんて、そんな都合のイイ話はない……と諦めるのはちょっと早い、かもしれない!

 たとえば、ブログを書いて稼ぐという生き方はどうだろう? 書籍『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』では、人気ブログ「Xperia非公式マニュアル」を運営し、Google AdSenseの成功事例としても取り上げられたプロブロガー・染谷昌利さんが、稼げるブログの作り方を教えてくれる。

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 キャッチフレーズは、ずばり「専門知識がなくても、有名じゃなくても、妻一人子一人(+ネコ一匹)を養える!」。本書には、染谷さんが編み出したブログへのアクセス数を増やす方法から、アフィリエイトやアドセンスを使った収益化の方法まで、詳しく網羅されている(アドセンスとは、記事にマッチした広告を自動的に配信し、その広告がクリックされることによって報酬が発生する「Google Adsense」のこと)。

 なかでも、「ただのブログを『飯が食えるブログ』に変える」の章では、ビギナー、中級者、ベテランなど、レベルごとにすぐ実践できそうな技がまとめられており、時期によって何度でも読み返せるお得な作りだ。ちなみに、本書で紹介されている「ネットで月50万円を稼ぐとき」の理想的な収益モデルはこちら。

●アフィリエイトブログで4商品(4サイト)各5万円
●Google Adsense 10万円
●オークション 5万円
●動画広告(YoTubeや楽天動画)からの収入 5万円
●講演や執筆 10万円

 このように、主にアフィリエイトやアドセンス、動画広告など、収益源を細かく分散させて稼ぐ方法がある一方で、1本のブログに注力し、リアルな世界での収益に結びつけていく方法もある。

 アメーバブログの人気ブロガー・himeさんは、2009年に39歳で旅行代理店を退社し、自身のブログ「アラフォー韓国マニアの果てなき野望!」をスタート。過去の2年間の韓国留学時の経験や趣味として得た知識をフル活用して、韓国や新大久保の情報を発信してきた。

 現在のアクセス数は、なんと月間60万PV。しかし、収入の大半を占めるのは、アフィリエイトやネット広告ではなく、リアルな場でのイベントやセミナーだという。

「ブログにいただいたコメントに返事をしていると、一人ひとり、お会いして話しているような気持ちになります。実際に会える場を作りたいと考えた結果、みんなで新大久保を散策するイベント『新大久保さんぽ』が生まれました。今でも、読者のみなさんとのコミュニケーションを通して生まれてくるイベントが多々あるんですよ」

 もともとお笑いを見るのが趣味で、おしゃべりが大好きだというhimeさん。「新大久保さんぽ」のように、読者とワイワイ楽しめる企画を実施した結果、クチコミでさらなるブログ読者獲得につながることも多いという。

「自分の得意なこと、人に喜ばれることを発信して、読者をたくさん獲得できれば、必ずビジネスの道は開けます。手芸が好きな人であれば、手芸教室を開いたり、手芸セミナーの講師として呼ばれることも。ハンドメイド作品が売れることもあるでしょう。記事を書籍化する話が来ることもありえます」

 事実、himeさんの場合はブログが編集者の目にとまり、記事をまとめた書籍『新大久保の年下王子と結婚しました』(新堂雪絵/小学館)を出版。2012年には、2冊目となる『食べて、笑って、恋をして。 新大久保 コリアンタウン in Tokyo』(中央公論新社)の出版も実現している。

 自分ならではの体験や知識をもとに、文章を書いたり、写真をとったり、商品を紹介したりして報酬を得るブロガー生活。雇われない人生を模索する人、好きなことをして副収入を得たい人は、自分の好きなブログや『ブログ飯』を参考にしてみては。

文=矢口あやは