ラノベ界も就職難! ラノベの主人公たちの就活はどうなっている?

マンガ・アニメ

2013/11/9

 就職難が叫ばれる昨今だが、どうやらその波はラノベの主人公たちにも押し寄せてきているようだ。今期からアニメが始まった『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』や『アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者』、『ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた』、『はたらく魔王さま!』などでも、多くの主人公たちが就活に苦戦している。彼らの就活とその後の生活は、どうなっているのだろう?

 まず、『勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。』(左京 潤:著、戌角 柾:イラスト/富士見書房)の主人公・ラウル・チェイサーは、もともと勇者を目指して勇者予備校に通い、全国勇者模試で史上初のS判定を出したほどの実力者だった。しかし、魔王が倒されてしまい、勇者制度は廃止。そこからショックで半年ほど引きこもり、その後毎日職安の列に並んで数え切れないほどの履歴書を書き、面接で自己アピールしても、結局最終学歴専門卒で資格もない彼が就職するのは困難だった。なんとかマジックアイテムを扱う専門店に就職できたものの、「どうして俺、こんなとこでレジなんか打ってんだろ……」と無気力に惰性で働く日々を送っていた。

 一方、『はたらく魔王さま!』(和が原聡司:著、029:イラスト/アスキーメディアワークス)の主人公で魔王のサタンは、勇者に敗れて異世界「日本」にたどり着き、生活していくために就活を始める。履歴書を購入して“初心者歓迎”の職種にターゲットを絞り、ひたすらくやしさと屈辱に耐えながら履歴書の記入と面接を繰り返す日々。ようやく日雇いのバイトが見つかっても、わずか2週間で会社が国から事業停止命令をくらい、また逆戻り。そして、日本に来て半年経った頃、やっと大手ファーストフード店で長期バイトとして採用されたのだ。その頃には、完璧に仕事をこなす立派な社畜と化し、いつの間にか彼の目標も「世界征服」から「この世界で正社員になること」になってしまう。

 また、『ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた』(桂かすが:著、さめだ小判:イラスト/メディアファクトリー)の主人公は、普段はニートだけどお金が底を尽きそうだったので仕事を探していた山野マサル。「探したけど見つからなかった」と言うと親もうるさく言ってこないので、そんなに必死に探しているわけではなかったが、ハロワでおもしろい仕事を見つけてしまう。それが「剣と魔法のファンタジー 箱庭世界ラズグラドワールドのテストプレイ。長期間、泊まり込みできる方。月給25万+歩合給」という求人だ。あれよあれよと面接まで進み、その日のうちに採用決定。契約書にサインをしたらそのまま異世界に飛ばされてしまい、そこで20年間生き延びなければならなくなってしまう。はじめは異議を唱えていたものの、まったく相手にされないのでなかばやけくそで何としてでも生き残ることを決意したマサル。それからは野うさぎを狩ったり、ドラゴンと戦ったり、奴隷を買ってメイドさんをやってもらったりと、なかなか楽しんで生活していたよう。

 そして、『アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者』の慎一は、1年近く引きこもりのニート生活を続けていた。しかし、両親に「お前がコツコツネットを巡って溜め込んだ約1テラ分のお宝画像と、ネットゲームのアカウント7つと、その他もろもろ、HDDの中身を消されたりしたくなければ、働くか復学するかしろ」と脅されてしぶしぶ就活を始めることに。高校中退の彼は、本屋やゲームショップ、模型店などのオタ系ショップ店員に絞って仕事を探していたのだが、そこで見つけたのが「オタク求む!」という求人だ。月給30万で住居完備。さらに、働きによっては昇給もあるという破格の待遇。すぐさま応募しオタク度チェックをクリアした彼は、面接会場でそのまま眠らされて異世界に連れていかれてしまう。そして、日本のアニメやマンガ、ゲームを輸出する会社の総支配人として働くことになるのだ。

 夢破れて仕方なく就職し、何の夢も希望も持てない人。夢は破れたけど、そこで新たな夢を見つけた人。仕方なく就職したものの、意外と性に合っていてハマった人。いつの間にか社畜化していた人……。こうやって見ると、ラノベの主人公たちも就職難で喘ぐ現代の若者と同じ思いを分け合っているよう。しかし、現実にはこんなに楽しそう(?)な仕事も、破格の待遇も、なかなかない。現実世界でもオタクたちの力を活かせる就職先がもっと増えるといいのだが……。

文=小里樹