決め手は萌える大家さん? 今、かわいい大家さんたちが人気

マンガ

更新日:2013/12/4

 部屋を決めるときは、家賃や間取り、駅へのアクセスなど、あらゆる条件を考慮しながら選んでいくもの。しかし、マンガでは最近ちょっと変わった物件が人気になっている。それが、かわいい大家さん付きの物件だ。10月28日に発売された『やねうらの彼女』(北条 晶/竹書房)には天井から降ってくる大家さんが出てくるし、10月7日に発売された『大家さんは思春期!』(水瀬るるう/芳文社)には、中学生の妹系大家さんが登場。そこで、そんなかわいい大家さん付き物件とはどんなものなのか紹介してみよう。

 まず、『やねうらの彼女』でいわく付きの格安物件として登場するのが、屋根裏に大家さんが住みついているという月見荘。主人公の大学生・片岡准が入居した6畳一間で風呂トイレは共用。家賃月14000円の部屋の屋根裏には、メガネでジャージ姿の紺野詩子が憑いているのだ。天井から降ってきてそうそう「おなかへった。」と食事をねだるし、本名を呼ばれると発狂するくらい恥ずかしがる彼女。家賃の取り立ても屋根裏から逆さまの状態で顔と手を出し、「おやちん下さい…」「まいど…」と言って帰っていく。

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それに、大家だけじゃなく大家のよだれに汗、ゲーム、たらい……あらゆるものが降ってくるので、当然天井は穴だらけだし、毎回激突される准はアザだらけ。彼女が屋根裏で使っているゲームのせいで電気代は上がるし、買い置きしていたカップやきそばもすべて食べられてしまう。でも、実は彼女、自分が育った月見荘が売られるのを阻止するため、自ら買い取ろうとお金を貯めていたのだ。本人はひきこもりの自宅警備員だと言っているが、昼は家が売られないための条件としてあげられた難関高校に通っているし、「外はかないと汚れちゃうし…」と夜な夜な外のはきそうじをしたりと、大家としての仕事もこなす。それに、せっかく宝くじであてた2000万円も引き取り手の見つからない犬や猫を助けるため、全額寄付してしまう優しい女の子なのだ。たしかに電気代や食費はかかるが、元の家賃が安いのだから、高校生の美少女と同居していると考えれば、むしろお得なのかも。

 また、『大家さんは思春期!』の風呂ナシトイレ付き1Kのアパートには、セーラー服を着た中学1年生の少女・里中チエがついてくる。彼女は、中学1年生なのにしっかり者でとっても謙虚。「店子さん達と仲良くなる為にちょっとでも顔を見て話したいなって」と言って、書類には電話番号を書かず、直接会っていろいろ話したり、「まだ大家として大して何も出来ないのに呼ばれるのは相応しくない」からチエちゃんと呼んで欲しいとお願いしたりする。そのうえ、新社会人として引っ越してきたサラリーマンの前田に料理を教えてくれたりもするのだ。自分の部屋で、セーラー服の上から給食エプロンと三角巾をつけた女の子が料理をしている姿を見て、癒されないわけがない。それだけでなく、不審者に悩まされていたチエを一晩泊めてあげたときには朝起きるとアイロンがけしたシャツがかけてあり、完璧な和朝食が食卓に並んでいた。さらに、福引きで当たった圧力鍋をチエにあげると、そのお礼にと当たり前のように部屋で晩ごはんを用意してくれるようになる。しかも、帰ると玄関先で「上着ください かけておくので」と出迎えてくれるので、まるで新婚のような気分まで味わえてしまうのだ。

 もしかしたら、今後は物件選びの際に、かわいい大家さんを条件に加える人が増えるかもしれない。そうなったら、不動産屋さんは間取りや家賃ではなく、かわいい大家さんをウリにするべき!?

文=小里樹