まだまだブームは終わらない! 『あまちゃん』本出版ラッシュの理由

テレビ

更新日:2018/12/27

 “あまロス症候群”なる言葉も生まれるほどの熱狂的ファンを生み出した『あまちゃん』だが、終了から約1ヵ月が経過したにもかかわらず、その勢いは収まる気配がない。テレビ放送は終わったが、今度は出版界で“あま本ラッシュ”が起こっているのだ。

 まず、現在大きな話題を呼んでいるのは、気鋭の批評家・宇野常寛が編集長を務める雑誌『PLANETS』と文藝春秋がタッグを組んだ『あまちゃんメモリーズ 文藝春秋×PLANETS』(みなさんのあまロスをなんとかすっぺ会/文藝春秋)。“若春子”を演じた有村架純のグラビアに、舞台となった岩手県久慈市への聖地巡礼ルポ、宇野に茂木健一郎、中森明夫、中川大地という4名の“あま論客”による座談会、『あまちゃん』ファンである漫画家14名による「あま絵」の描き下ろしなど、充実の内容だ。とくに「あま絵」は、『ちはやふる』の末次由紀に、『ホタルノヒカリ』のひうらさとる、『うる星やつら』『魔法の天使クリィミーマミ』などのキャラクターデザイナーである高田明美など、顔ぶれの豪華さも目を見張る。

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 しかし、なんといってもファンには堪らないのが、「全156エピソード完全レビュー」のコーナーだろう。贅沢にも1週分である6話のレビューを1ページ半に渡って掲載しており、読み応えは十分。あまロス症候群に悩む人にとっては、『あまちゃん』の世界をじっくり振り返ることができる“心の安定剤”になること間違いなし!?

 また、8月に発売され「あま愛に溢れている!」と絶賛されたファンブック『おら、「あまちゃん」が大好きだ!』(扶桑社)の第2弾となる『あまちゃんファンブック2 おら、やっぱり「あまちゃん」が大好きだ!』は、11月30日に発売予定。さらに、“徹底研究本”を謳う『ありがとうあまちゃん じぇじぇじぇ大研究』(大日本あまちゃん研究会/竹書房)は11月17日に、12月下旬にはネット上で評判を呼んでいた滋賀県立大学教授・細馬宏通の論考『今日のあまちゃん』が河出書房新社から書籍化される予定だ。

 『あまちゃん』の魅力は、「観ると語りたくなってしまう」点にもある。番組終了後にこれだけの書籍が出版されるというのは、それだけ“まだまだ語り足りない!”と感じている人が多いからこそ。あまロスの人はもちろん、これだけの社会現象となった『あまちゃん』の秘密を知りたい人にも、ぜひ手にとってみてほしい。