“低カロリー”もNG!? 食べてもOKのインスタント食品、ダメなインスタント食品

食・料理

公開日:2013/11/16

 年末に向けて何かと忙しい毎日、お昼はカップめんにお湯を入れて3分、ササッと済ませてしまうという人も多いのでは? かく言う私もそのひとり。会社の引き出しにいくつもストックして、昼夜問わずほぼ毎日のようにお世話になっている。でも、インスタント食品って体に悪いイメージ。「こんなに食べて大丈夫?」という罪悪感を持ちながら、それでも簡単で美味しいインスタントに頼っている。

 「インスタント食品の中にも、簡単で便利、しかも健康によい製品もたくさんあるのです」と述べるのは、科学ジャーナリストの渡辺雄二氏。インスタント愛好者にとっては、耳よりな話だ。

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 そもそも、インスタント食品は具体的に何がいけないのだろう? 氏の著書『買ってはいけないインスタント食品 買ってもいいインスタント食品~カップめんからレトルト、冷凍食品まで~』(大和書房)では、カップめんの場合の問題点を次のように3点あげている。

1、 添加物が非常に多いこと
2、 めんを油で揚げた製品が多いこと(酸化した油は毒性物質)
3、 ナトリウム(塩分)が非常に多いこと

 特に注目したいのが「1」。多くの人が一番に気にかかっていることなのでは? 残念ながら、インスタント食品の多くが、食品添加物なしでは生産不可能であるとのこと。特に注意したいのが、次のような発がん性やその疑いのある添加物。

・着色料…タール色素(赤色2号、黄色4号などなど)、二酸化チタン、カラメル色素
・発色剤…亜硝酸Na
・乳化剤…ポリソルベート60、ポリソルベート80

 これはごく一部。数え上げたらキリがない。カップめんの原材料名欄で見たことがあるものばかりだ。

 さらに、上記のような添加物が入っていないからって、安心して食べてもよいというわけではないらしい。というのも、ネズミなどによる動物実験では、一品目を与えてその毒性を調べているだけで、複数の添加物を与えるという実験はまったく行われていないそう。しかし、インスタント食品には通常10種類以上、あるロングセラーの超人気商品では15種類もの添加物が加えられている。これらが一度に胃の中に入ってくるものだから、その影響は計り知れないのだ。

 また、女性には嬉しい“低カロリー”と表示された食品も危険という。カフェオレやカフェラテなど、スティックタイプの製品では、低カロリーをうたうために、合成甘味料が使われているのだ。

 例えば、「アスパルテーム」という添加物は、研究者から脳腫瘍が起こすという指摘がされているそう。「アセスルファムK」の場合は、自然界にまったく存在しない科学合成物質で、どんな作用を示すのか、知られていないとのこと。さらに、「スクラロース」は、ダイオキシンなどと同じ有機塩素化合物の一種で、食品に混ぜるべきものではないそう。

 残念ながら、これら添加物の物質名がすべてきちんと表示されているわけではない。「酸味料」「香料」などの用途名を記せば問題ないなど、いくつもの抜け道があるそうだ。原材料名欄の表記は目安にはなるものの、それですべてと考えるわけにはいかないらしい。

 なにやら八方ふさがりのように思われるが、それならばどんな食品なら食べてもOKなのだろう? 渡辺氏が「添加物なし」の具体的なインスタント食品を挙げてくれている。

 例えば、あの有名な『揖保乃糸』(兵庫県手延素麺共同組合)。値段はほかのそうめんに比べてちょっと高いけれど、ゆで時間は1分半から2分。カップめんより短時間で食べられる。「気になるのは、ナトリウムが100gあたり2.2gと多いこと。しかし、めんをゆでているあいだにナトリウムはお湯に溶け出します」ということで、問題はないそう。

 また、インスタントコーヒーであれば、『ネスカフェゴールドブレンド』(ネスレ日本)。瞬間凍結されているため、コーヒーの風味が失われにくく美味しく頂けるのだとか。スティックタイプなら、『ブレンディ スティック ブラック』(味の素ゼネラルフーヅ)がオススメ。多くのスティックコーヒーに添加される香料が使われていない点が高評価。

 いや、それでもやっぱりラーメンが食べたい! という人にぜひ試してほしいのが『ラーメンの具』(魚の屋)。「ほとんどが炭水化物と脂肪のインスタントラーメンにのせると、栄養のバランスがとれるアイテム。キャベツや人参、乾燥わかめが入っているから、ミネラル、食物繊維、ビタミンをとることできます」とのこと。わざわざ野菜をきざむ必要がないから、便利な一品だ。

 安くて美味しいインスタント食品。そのイロハを知れば、危険な橋を渡ることなく安心、安全に食べることができるかも?

文=佐藤来未(Office Ti+)