ポスト半沢直樹は小鳥にライオン!? 動物サラリーマンまんがが人気!

アニメ・マンガ

2013/11/20

サラリーマン金太郎』(本宮ひろ志/集英社)や島耕作シリーズ(弘兼憲史/講談社)、『ぼく、オタリーマン。』(よしたに/中経出版)など、根強い人気を誇るサラリーマンマンガ。彼らに憧れたり、励まされたりした人も多いだろうが、さらに、最近では癒しを与えてくれるサラリーマンマンガまで登場した。それが、11月7日発売の『ことりサラリーマン鳥川さん』(ものゆう/イースト・プレス)や『はたらけ、ケンタウロス!』(えすとえむ/リブレ出版)、『ほんとにほんとにほんとにほんとにライオン田!』(石神 しし/小学館)といった、動物のサラリーマンが登場する作品だ。彼らがサラリーマンになると、どうなるのだろう?

 『ことりサラリーマン鳥川さん』の鳥川さんは、かわいいことがお仕事。宅急便や回覧のサインは足跡なので、受け取る側も癒される。でも、新入社員に質問されても「うーん小鳥に聞かれても…」と答えるし、実際の中身はとにかくどうやってサボるかを考えているなまけもの。イスの上に黄色い毛糸を置いて身代わりにしたり、駄菓子屋で買った目のシールを貼って、寝ているのをごまかしたりする。仕事中は基本的にソリティアをしているし、遅刻しても「小鳥なので許してもらえませんか…」と言い訳する。でも、社長が来たときだけはきびきびホチキス留めに励むのだ。そして、飲み会のお店選びで誰かが「焼き鳥なんかどうでしょう」と言うと「ちょっと鳥川さんがいるのよ」「すみません何か別の店にしましょう!!」と変に気を遣われるのだが、意外にも鶏肉は大好き。ねぎまなら、ネギだけ残して鶏肉ばかり食べるほど。それでも、やっぱりかわいい小鳥がやっていると思えば、なんでも許せてしまう。

 『はたらけ、ケンタウロス!』のケンタロウも、ちょっと変わったサラリーマン。半人半馬のケンタウロス、つまり半分動物のサラリーマンだ。朝寝坊すると、電車にも乗らず生のにんじんをかじりながら走る。そして、エレベーターには乗れないので、会社では毎日自分の部署がある8階まで階段を駆け上がるし、外回りももちろん駆け足。そのうえ、引越しの際には背中に大量の荷物をくくりつけられる。でも、上司からは「自分で全身の汗拭えないんだから汗かくなって言ってんだろ」と叱られる日々。だから、ブラシとデオドラント、地図は必需品。仕事終わりに飲みに行くときは必ず立ち飲み屋で、酔っ払った先輩を乗せて帰ろうとして「…馬くさいからヤダ」と言われると地味に傷つく。こうやってみると、もはや扱い的には完璧に馬なのだ。

 そして『ほんとにほんとにほんとにほんとにライオン田!』で女性週刊誌の編集部に勤めているライオン田優は、耳と受話口の距離がありすぎて、新人の最も基本的な仕事である電話対応ができない。おまけにタイピングもほぼ人差し指だけしか使えないので、かなりスローペース。ときには張り込みでターゲットを追いかけ、カメラに収める役割を担わされるも、持久力がないので200mも進まないうちに失速してしまう。でも、そんな自分のミスを反省し、ダンボールをガリガリ引っ掻く彼の姿を見たら、なかなか怒れない。そして「ほとんど汗をかかないライオンは暑さに弱い」ので、外回りのときには基本的に日陰を歩き、スーツの内側には保冷剤を6つも装着。それをキラキラした笑顔で見せてこられたら、こちらも思わず笑ってしまう。

 でも、こんなに仕事ができないのに許されてしまうのは、やっぱりその見た目のおかげ。彼らに憧れて真似をするのは、やめておいたほうがいいだろう。

文=小里樹