感動必至! ダウンタウン浜ちゃんの心あたたまる子育て
更新日:2020/4/30
お笑いコンビ・ダウンタウンのツッコミ役、浜田雅功。 どつく、キレる、そんなイメージが強いかもしれないが、“後輩思いの芸人”としても名が高い。テレビスタッフや仲間に対する心配りも忘れず、美術や照明の助手さんたちの名前まで覚えるという。
そして、もうひとつの顔「良き父親」としての浜田雅功がいる。
妻は、タレント・小川菜摘、長男は、ロックバンド・OKAMOTO’Sのベーシスト、ハマ・オカモトして活躍。日本人初の米国フェンダー社とエンドースメント契約を結ぶ実力の持ち主だ。次男は米国に留学中だとか。この一家に理想の家族像を見る人も少なくないだろう。
そんな浜田家の日常を垣間見ることができる貴重な本が、妻・小川菜摘著『浜田雅功ファミリーのできるまで』(扶桑社より1996年に刊行)と『浜田家式お約束 エッ!そうくるかあ~』(扶桑社より2000年に刊行)の2冊だ。
それは2人のなりそめから始まる。「おもろい」「気が合う」「一緒にいても疲れない」の3要素で結ばれ、1989年に2人は結婚。婚約指輪は0.28カラットと小ぶり。ウエディングドレスは7万のレンタル、ウエディングケーキは友人たちの手作り。新婚旅行はアメリカ西海岸と一般庶民の私たちは親近感を覚える。
結婚後1年ぐらいは2人っきりの生活を楽しもうと決めた浜田夫妻。「おかえりっ!」と笑顔で迎えるのが鉄則。夕食は、週5回は菜摘さんの手料理を食べるそう(当時)で、「お腹がすいたと思うとパッと出てくる料理が最高や」の信条で手の込んだ料理は必要なし。夜12時までに帰宅できる日は、お腹がすいても食べないで帰ってくるという浜ちゃんの愛妻家ぶりが伺える。
その後、計画通りの妊娠となったが、菜摘さんは日々変化していく自分の体型に悲しみが増していく。そんな妻をみて、「産んだら元の体に戻るやん。そんなん、いまだけやから、大丈夫やって」と浜ちゃん。
長男・次男2人の出産に立ち会い、「ヒッヒーフー」と一緒になって出産を経験する。つらそうな奥さんにあえておどけた言葉をかける浜ちゃん。加えて、事前に分娩室での位置関係まで決めていたという徹底ぶり。最後に、「先生、どうもありがとうございました」と泣きながら、お礼を言い、その後はいつもと変わらぬ顔で『笑っていいとも!』に出演し、笑いをとったそう。
そして…。生まれたばかりの長男に心臓病の疑いがあると医師にいわれ愕然とする妻に「たとえ、どんな病気だったとしても、オレとオマエがついているやんか。一生懸命育ててやるしかないやろ」と励ます。2人目が生まれる前には、「郁未(長男)にとって、両親の愛情を一人占めにできる最後のチャンスを作ってやろう。仕事があるから一泊しかできへんけど、連れてってやろうな…」と旅行につれていく。学校での子供同士のいさかいに対し、「相手の立場とか気持ちがわからん人間には、友だちができない――そいでやなあ、友だちのいない人生ほど、不幸な人生はないで」と諭す。子どもを怒ったときは、自分が悪いと思ったこと、これからどうしたらいいかを、子供自身で考えさせ、自分の言葉でお父さんに話すようお母さんが促す。
浜田家には「仕事の3大ルール」がある。
(1)家庭を最優先にする
(2)泊まりの仕事は極力避ける
(3)夫の休みの日には妻の仕事は絶対に入れないようにする
休みが1日だけの日は、忙しいお父さんを労わって菜摘さんは子ども達に「お父さん、たくさん寝かせてあげようね」と声をかける。しかし子ども達とできる限り一緒にいたい遊びたいという浜ちゃんの性格もあって、お昼すぎたあたりでじっとしていられず、子ども達を遊びに誘う。
行くのは、「コンビニ」「本屋」。子ども達にとっては、お父さんと一緒に歩けたら十分だそう。何やらこそこそと「おとこ同士の約束な!」と3人で話しながらでかける姿を見送るのが菜摘さんは大好きだったとか。そしてプリンやヨーグルトを山ほど買って帰ってくるのがお決まり。
浜田家のようにお父さんの仕事が忙しくて、子どもとの接点がない家庭では、お母さんの演出の腕が見せどころ。「ちゃんと見てくれている」「褒めてくれてたよ」。子どもがやったことに対し、間接的でもそんな言葉の積み重ねが父親という存在への尊敬や共感に繋がるという。「人間性の部分」と「仕事人としての部分」の両面で尊敬できれば、最終的なところでのたがははずれないと。
家のこまごまとしたことはお母さん、大きな決定や判断はお父さんが担当。そんな『浜田家式お約束』には、「菜摘の悩み相談室」という形で、子育てママたちのさまざまな相談に菜摘さんが答えている。「あとがき」には、夫・浜田雅功が妻・小川菜摘に贈った言葉が綴られ、「ほんまにごくろうさん」という言葉がやけに響いた。浜田家は家訓「おもしろくなきゃダメ」通り、笑いの絶えない暖かい浜田家であり続けるんだろうなと思わせてくれると同時に、浜田家の活躍ぶりに合点が行く。
幸せをお裾分けしてもらったような、ずいぶん満たされた気持ちで本を閉じた。
文=中川寛子
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