非日常の世界へトリップ! 現代科学が解き明かす、驚くべき宇宙の謎 ベスト5

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2013/12/27

多次元宇宙

 

「宇宙は何でできているのか?」、「宇宙はどうやって始まったのか?」、「宇宙に終わりはあるのか?」といったことは、宇宙を見たときに誰もが感じる素朴な疑問。でも、忙しい日常を送っていると、こういうことに想いを馳せることってなかなかできないですよね。今年の年末年始は11年ぶりに最大9連休となるということで、宇宙に関する本でもじっくり読んで、その驚くべき謎にワクワクしてみるのはどうでしょうか?

そこで、ダ・ヴィンチ電子ナビでは、金髪ロン毛の天才物理学者として著名な多田将さんに取材、“現代人なら押さえておきたい宇宙の謎”を5つ挙げてもらい、それぞれのおすすめ解説書を教えてもらいました!その他、美貌の理論物理学者リサ・ランドールが、最先端の宇宙理論を難しい数式を一切使わずに解説した『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)など、読めば休み明けに宇宙を語れるようになる本を一挙ご紹介。さあ未知の世界へいざ!

 

天才物理学者・多田将さんが選ぶ
“現代人なら押さえておきたい宇宙の謎”の解説書 ベスト5

多田将

多田将●ただしょう
1970年生まれ、大阪府出身。京都大学理学研究科博士課程修了。現在、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所助教。東海村の大強度陽子加速器施設「J-PARC」に建った素粒子ニュートリノの実験装置「ニュートリノビームライン」の設計で世界的に知られる。著書に『すごい宇宙講義』『すごい実験――高校生にもわかる素粒子物理の最前線』がある。

【謎-1】“ビッグバン”は全てのはじまりではない

インフレーション宇宙論

おすすめ本:『インフレーション宇宙論』

(佐藤 勝彦/講談社)

多田:ビッグバン宇宙論を補完し、その問題点を見事に解決したインフレーション宇宙論。それは、ビッグバンが起こる前の、極めて短時間のうちに、宇宙が、ビッグバン期とは比較にならないほどの勢いで膨張した、という理論でした。その驚くべきメカニズムと、宇宙創成期の姿について、インフレーション宇宙の提唱者自ら解説した名著。インフレーション宇宙論以外の最新宇宙論についても判り易く解説しています。

【謎-2】光すら脱出不可。謎の天体 “ブラックホール”

ゼロからわかるブラックホール

おすすめ本:『ゼロからわかるブラックホール』

(大須賀 健/講談社)

多田:一般相対性理論は、ブラックホールという驚くべき天体を導き出しました。考え出された当時、数式の上だけの存在と思われていたブラックホールは、その後の理論や観測で、実在することが確実となったのですが、この謎多き天体が、どのように提唱され、どのように論争の種となり、そして実在するならどんなことが起こり観測されるのかを、ブラックホール研究の専門家がタイトル通り“ゼロから”解説した本です。

【謎-3】見えないのにある? “暗黒物質”

暗黒物質とは何か

おすすめ本:『暗黒物質とは何か』

(鈴木 洋一郎/幻冬舎)

多田:我々の宇宙は、輝く星や我々の身体を構成しているような通常の物質はごく僅かで、そのほとんどは、未だ発見すらされていない謎の粒子と謎のエネルギーから構成されています。その意味で、宇宙は未だ“暗黒”。その暗黒面を白日のもとに晒すことは、物理学の最大のテーマのひとつです。暗黒物質を探索する実験はまさに物理学の最先端ですが、その第一人者である著者が、宇宙の暗黒面に光を当てています

【謎-4】ついに発見!神の粒子 “ヒッグス粒子”

ヒッグス粒子の謎

おすすめ本:『ヒッグス粒子の謎』

(浅井 祥仁/祥伝社)

多田:2013年ノーベル物理学賞の対象となり、物理学の世界で近年最大の成果となった、ヒッグス粒子の発見。この世のものに“質量”を与えるこの素粒子を発見したことにより、標準理論は完全なる姿を現わしました。この発見を行ったのは、人類最大・史上空前の実験装置、LHC(大型ハドロン衝突加速器)。この偉大な実験に於いて物理解析の責任者を務める著者自らが、ヒッグス粒子とは何か、その発見がいったい人類に何をもたらすのか、を解説しています。

【謎-5】宇宙はひもだった!? “超弦理論”

エレガントな宇宙

おすすめ本:『エレガントな宇宙』

(ブライアン・グリーン/草思社)

多田:現在知られている、この世の中の最も小さな単位は素粒子は、いったい何から出来ているのか? その答えと考えられているのが“ひも”であり、宇宙の全てのものを、この“ひも”の状態の違いによって説明しようとするのが、超弦理論です。超弦理論は、これまで人類が成し得なかった、量子論と相対論の融合を可能にします。物理学者には、“宇宙は、そして物理法則は、エレガントでなければならない”という信念がありますが、本書は、超弦理論を解説することにより、タイトルの通り、宇宙のエレガントな姿を描き出しています。

多田さんには「現時点で一般向けに一番読みやすいと思われるもの」という条件で選んでいただきましたので、文系の方は、このあたりから読んでみるのもいいかもしれませんね!

 

クリントン元大統領も絶賛!現代物理学の「今」を知るための必読書

Lisa Randall(リサ・ランドール)
理論物理学者。ハーバード大学卒業。現在、ハーバード大学物理学教授。専門は素粒子物理学、ひも理論、宇宙論。プリンストン大学物理学部で終身在職権をもつ最初の女性教授となる。また、マサチューセッツ工科大学およびハーバード大学においても理論物理学者として終身在職権をもつ初の女性教授に。1999年にサンドラム博士とともに発表した「warped extra dimensions(ワープした余剰次元)」により、一躍注目を集める。

次にご紹介するのは、自身が提唱する宇宙理論「ワープした余剰次元」によって一躍注目を集め、タイム誌「もっとも影響のある100人」などに選ばれるなど、才色兼備を地でいく美しき理論物理学者リサ・ランドールの新刊『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)です。初の著作『ワープする宇宙~5次元時空の謎を解く』(NHK出版)はベストセラーになったので記憶にある方も多いと思います。

本書の特長はなんといってもその網羅性と分かりやすさ。多田さんが挙げてくれた“ビッグバン”、 “ブラックホール”、“暗黒物質”、“ヒッグス粒子”、“超弦理論”はもちろん、自身の宇宙理論とは異なる「超対象性理論」や「テクニカラー理論」など次のトップモデルまでも解説。最新科学が何を解き明かそうとしているかを一望できるようになっているのですが、驚くべきはそれらを難しい数式を一切使わず言葉巧みに解説するところ。

内容を理解するのは確かに難しいのですが、時おり挟み込まれる、ダンサーや映画脚本家、宗教家など畑違いの人たちとの会話などから、「あ、物理学者ってこんなこと考えるんだ」というような著者の横顔が垣間見えたり、ヒッグス粒子の発見でその名を世界に轟かした衝突加速器LHCへの尋常ならざる賞賛から感じられるマシンオタクっぷりなど、なんとなく彼女を身近に感じられるせいか、するっと最後まで読めてしまいます。

ビル・クリントン元大統領も本書を以下のように評しています。

「リサ・ランドールはまるで面と向かって話しているように、ウィットに富んだ打ち解けたスタイルで、物理学の複雑なアイデアを魅力的に分かりやすく書いている。本書は最新の物理学の発展を、カルチャーや公共政策の話も交えながら説明していて、そこで語られる科学の姿に、あなたの思考はがらりと変わるかもしれない──そして、世界のことをもっとスマートに決断できるように、あなたを後押しするだろう。」 

彼も言っているように、本書を読むと物理学者の物のとらえ方や考え方が何となく分かり、それが学問以外の他の領域にも応用できるような形で説明されているので、読後、身の回りの様々な事象を科学的な視点で見つめ直したくなる衝動に駆られてしまいます(笑)

休みの間、じっくり宇宙の世界に浸りたい人はぜひ!

宇宙の扉をノックする

『宇宙の扉をノックする』
リサ・ランドール 著 向山信治 監訳 塩原通緒 訳
ヒッグスの発見は新しい宇宙像解明の幕開けに過ぎない。ベストセラー『ワープする宇宙』でセンセーションを巻き起こした著者が、 LHC(大型ハドロン衝突加速器)をはじめとする世紀の実験の成果とともに、物理学の根本からエキサイティングな最前線へと読者を誘う。超対称性、余剰次 元、ダークマター――いま、宇宙の始まりと未来の謎が、劇的に解明されつつある。

ワープする宇宙

『ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く』
リサ・ランドール 著 向山信治 監訳 塩原通緒 訳
物理学界がいま最も注目する5次元宇宙理論とは? すぐそこに存在するという第5の次元はなぜ目に見えないのか? そもそもそれは存在するのか?—-現代物理学の歩みから最新理論までを数式を一切使わずわかりやすく解説したベストセラー。

なお、電子版には「ヒッグスの発見」が特別収載!

⇒『宇宙の扉をノックする』『ワープする宇宙』特設サイトはこちら!

 

まだまだある!宇宙をさらに理解するために合わせて読みたい本

ダ・ヴィンチ電子ナビは、今回取材に応じていただいた多田さんに無理を言い、まだまだ物足りない読者のために「宇宙をさらに理解するため合わせて読みたい本」を追加で5冊ご紹介いただきました。多田さんお忙しい中、ありがとうございました!

宇宙は何でできているのか

『宇宙創成はじめの3分間』
(S. ワインバーグ/筑摩書房)

初版は70年代と古典ですが、宇宙の始まりを描いたものとしては、今なお最高傑作のひとつ!

宇宙は何でできているのか

『宇宙は何でできているのか』
(村山 斉/幻冬舎)

素粒子物理学と宇宙物理学の重要テーマを知る上で、この上ない入門書!

ダークマターとは何か

『ダークマターとは何か』
(郷田 直輝/PHP研究所)

暗黒物質や暗黒エネルギーについての解説が判りやすい!

ヒッグス粒子と宇宙創成

『ヒッグス粒子と宇宙創成』
(竹内 薫/日本経済新聞出版社)

ヒッグス粒子とLHCの実験だけでなく、そこに至るまでの道をも署すことで、物理学とはどういうものか、に迫った名著!

タイムマシンがみるみるわかる本

『タイムマシンがみるみるわかる本』
(佐藤 勝彦/PHP研究所)

“タイムマシン”という夢のあるテーマを中心に、相対論や量子重力論を駆使し、“時間”の謎に迫る!

 

金髪ロンゲの異端の天才物理学者・多田将さんの著書もチェック!

すごい宇宙講義

『すごい宇宙講義』
多田将 著
「ヒッグス粒子」に続き、「暗黒物質」も発見間近! ?宇宙の謎が解き明かされる、物理学の黄金時代、到来! 研究の現場で、いま何が起きているのか? 基礎となる理論から最新の実験・観測の方法まで、異端の素粒子物理学者が100を超えるスライドと共に語った、3時間×4日の一般公開講座<完全版>。