非日常の世界へトリップ! 現代科学が解き明かす、驚くべき宇宙の謎 ベスト5
更新日:2014/1/30
「宇宙は何でできているのか?」、「宇宙はどうやって始まったのか?」、「宇宙に終わりはあるのか?」といったことは、宇宙を見たときに誰もが感じる素朴な疑問。でも、忙しい日常を送っていると、こういうことに想いを馳せることってなかなかできないですよね。今年の年末年始は11年ぶりに最大9連休となるということで、宇宙に関する本でもじっくり読んで、その驚くべき謎にワクワクしてみるのはどうでしょうか?
そこで、ダ・ヴィンチ電子ナビでは、金髪ロン毛の天才物理学者として著名な多田将さんに取材、“現代人なら押さえておきたい宇宙の謎”を5つ挙げてもらい、それぞれのおすすめ解説書を教えてもらいました!その他、美貌の理論物理学者リサ・ランドールが、最先端の宇宙理論を難しい数式を一切使わずに解説した『宇宙の扉をノックする』(NHK出版)など、読めば休み明けに宇宙を語れるようになる本を一挙ご紹介。さあ未知の世界へいざ!
天才物理学者・多田将さんが選ぶ
“現代人なら押さえておきたい宇宙の謎”の解説書 ベスト5
多田将●ただしょう
1970年生まれ、大阪府出身。京都大学理学研究科博士課程修了。現在、高エネルギー加速器研究機構・素粒子原子核研究所助教。東海村の大強度陽子加速器施設「J-PARC」に建った素粒子ニュートリノの実験装置「ニュートリノビームライン」の設計で世界的に知られる。著書に『すごい宇宙講義』『すごい実験――高校生にもわかる素粒子物理の最前線』がある。
【謎-1】“ビッグバン”は全てのはじまりではない
おすすめ本:『インフレーション宇宙論』
(佐藤 勝彦/講談社)
多田:ビッグバン宇宙論を補完し、その問題点を見事に解決したインフレーション宇宙論。それは、ビッグバンが起こる前の、極めて短時間のうちに、宇宙が、ビッグバン期とは比較にならないほどの勢いで膨張した、という理論でした。その驚くべきメカニズムと、宇宙創成期の姿について、インフレーション宇宙の提唱者自ら解説した名著。インフレーション宇宙論以外の最新宇宙論についても判り易く解説しています。
【謎-2】光すら脱出不可。謎の天体 “ブラックホール”
おすすめ本:『ゼロからわかるブラックホール』
(大須賀 健/講談社)
多田:一般相対性理論は、ブラックホールという驚くべき天体を導き出しました。考え出された当時、数式の上だけの存在と思われていたブラックホールは、その後の理論や観測で、実在することが確実となったのですが、この謎多き天体が、どのように提唱され、どのように論争の種となり、そして実在するならどんなことが起こり観測されるのかを、ブラックホール研究の専門家がタイトル通り“ゼロから”解説した本です。
【謎-3】見えないのにある? “暗黒物質”
おすすめ本:『暗黒物質とは何か』
(鈴木 洋一郎/幻冬舎)
多田:我々の宇宙は、輝く星や我々の身体を構成しているような通常の物質はごく僅かで、そのほとんどは、未だ発見すらされていない謎の粒子と謎のエネルギーから構成されています。その意味で、宇宙は未だ“暗黒”。その暗黒面を白日のもとに晒すことは、物理学の最大のテーマのひとつです。暗黒物質を探索する実験はまさに物理学の最先端ですが、その第一人者である著者が、宇宙の暗黒面に光を当てています