フィギュア、マンガ、CD、DVD…にあふれた部屋を片付けたい! オタクでも断捨離は可能なのか?【準備編】

生活

更新日:2014/4/15

【オタクでも断捨離できるの?】

 年末の大掃除に追われるこの時期。毎年のことながら、やっぱり物が片付かない。そんな悩みを持っている人も多いのではないだろうか。特に物を収集してしまうタイプの“オタク”と称される類の人間にとっては「捨てられるものがない!」「収納スペースがない!」と、悩みが尽きない。

 今や定着している「断捨離」という言葉。やましたひでこさんの本が話題になってからというもの、近藤麻理恵さんの『人生がときめく片づけの魔法』等、“捨てる”ということに注目した本が多く出版されている。

 オタクにとってコレクションは宝である。それらに囲まれて生活することで幸せな気分になり、毎日、気分を上げて過ごせるというものだ。綺麗に片付いた、物が少ないシンプルな部屋。そんな部屋にも、もちろん憧れるけれど。でも捨てるだなんて。オタクとは、断捨離の神様に見放された人種なのだろうか?

advertisement

 年の瀬も押し迫った12月、モノにあふれたオタク部屋に住んでいるけど、正直断捨離したいと思っているオタクライター3名が、ダ・ヴィンチ電子ナビ編集部の会議室に集合。各々の部屋を断捨離すべく、緊急ミーティングを開催した。

 題して、「オタクでも断捨離は可能なのか?」。

 ミーティングの内容は、それぞれ事前に断捨離系の本を読み、現在の問題点や改善点を各自ピックアップし、それを話し合うというもの。

 まずは、それぞれの自己紹介、オタク部屋プロフィール(写真付き)をご紹介しよう。

 

【私たち、断捨離に挑戦します!】

■Aさん(男・42歳・ライター・オタク歴:約30年)
<現在所有している主なオタアイテム>

超合金:約50体、聖闘士星矢の聖衣大系:約30体、特撮CD:約100枚、マンガ:約200冊、小説:約100冊、サッカーのユニフォーム:約100枚、プラモデル:約150箱

<これまでの収集遍歴(ごく一部)>
・サッカーのユニフォーム
きっかけは96年の名古屋グランパスの天皇杯優勝。その後、欲しいユニフォームの多くが入手困難だと気づく。それで逆にコレクター魂に火がつく。海外の試合に行っては、ユニフォームを着ている人に売ってもらったり、海外オークションで買ったりと、目当ての物をほぼコンプリート。しかしある時、コレクションを自宅の猫にひっかかれてしまう。その前後の好きな選手の引退、高いユニフォームの入手などが原因で、満足度がフルになり、集めるのをやめる。現在は半分以上を処分した。

・プラモデル
実家にあったプラモデルを処分するために自室に送ってもらったが、売っても価値もないからと作り始め、その楽しさに見事にハマり、逆に増えてしまう。現在、捨てられないものナンバー1。いつか作ろうと思っているが、多分一生かかっても作れない。今も押入れいっぱいに入っている。

 

■Bさん(女・35歳・ライター・オタク歴:認めてからは12年)
<現在所有している主なオタアイテム>
CD:約1500枚、DVD:約100枚、書籍:約1200冊、マンガ:不明(なほど多い)

<これまでの収集遍歴(ごく一部)>
・近代文学・漫画・本
近代文学を研究していた大学院生時代。お金はないが、大量の本を読まないといけない。そのため、奨学金をつぎこんで夏目漱石全集、研究用の参考書、哲学書などを集めまくる。もはや近代文学のオタクだった。なぜか、その延長で漫画も増えていく。文庫という縛りは設けているものの、本を買い始めると作家単位で集めたくなる。もちろん、普通の小説、ミステリーも好き。

・アイドル
インターネットを始めた90年代末、「モーニング娘。」の面白いサイトを発見し、アイドルにも傾倒。とにかく録画厨で、ビデオを編集してベストビデオみたいなものをいっぱい作っていた。そのうち、時代をさかのぼってアイドル、J-POPの音源を集めまくるように。

・CDやDVD
CDやDVDは一時期離れていたが、就職してお金もそれなりに使えるようになったため収集癖が再発。アイドルのCDとかDVDがどんどん欲しくなる。さらに、当時付き合っていた彼氏がDJをしていたため、自らもDJを始めてしまい、さらに増加…。

 

■Cさん(女・28歳・ライター・オタク歴:12~3年)
<現在所有している主なオタアイテム>
ラノベ:約100冊、漫画:約400冊、同人誌:約150冊、フィギュア:約15体、ゲーム:約15個

<これまでの収集遍歴(ごく一部)>
・漫画、ラノベ
種類というより一つの作品ごとの巻数が多い。長編を好む傾向にある。元々はそんなに買う方ではなかったが、友人に勧められたことと書店に勤務していたことで急増。

・同人誌、ゲーム、フィギュア
大学3年くらいからmixiを始め、趣味の合う仲間が急増。友人が載せているオタアイテムが魅力的すぎて欲しくなる。同時期に、友人の誘いでコミケに参加し始め、同人誌も買うように。

・CD、DVD
元々、アニソンや幻想的な音楽が大好きだった。コミケに行くようになり、同人音楽の魅力に取り憑かれる。好きなアーティストのCDをコンプしているうちに増えていった。

 

 もはや、ここまででお腹いっぱい…、という方も、もうしばらくお付き合い頂きたい。

 繰り返すが今回のテーマは「オタクでも断捨離は可能なのか?」である。

 3人の現状を把握したところで、次のステップへ。それぞれが参考にした断捨離本と、それとともに考えた断捨離の方針(私の断捨離宣言)を発表しよう!

 

【発表!断捨離マニフェスト!】

■Aさん
Aさんが読んだのは、ゆるりまいさんの最新刊『なんにもない部屋の暮らしかた』(KADOKAWA メディアファクトリー)。

「ゆるりさんの本は前作、前々作も読んでいて、あれを読んだおかげで、ちょっとは捨てられるようになりました。シンプルな生活をしようとすると、買い替えたり揃えたりでお金がかかる。でも、ドミニック・ローホーさんの『シンプルに生きる』(幻冬舎)でも書かれているように、モノは買った分と同じだけ捨てていけば、現実的に整理ができるようになります。それと、正直なところ、今のままじゃ、地震が起きたら危ないと思いました」(Aさん談)

<私の断捨離宣言>
・クローゼット一つ分を処分!
・適材適所に物をしまう!
・今ある収納にしまえるだけの量に減らして、出しっぱなしをナシに!

 

■Bさん
Bさんが読んだのは、やましたひでこさんの最新刊『断捨離流 素敵な出逢いがやってくるモノの捨て方』(KADOKAWA メディアファクトリー)。

「この本は、物との関係を見直せ、といっています。自分がそれを持つことで、幸せになれるかどうか、必要かどうかをジャッジすること。私の場合、今の自分の状況と、持っているモノとの関係で時間のズレがあります。例えば、大学院時代に買った夏目漱石全集。大学院時代の悔いが残ったまま、いつか研究し直したいって思って捨てられませんでした。しかし、それは今の私に必要なものではありません。そんな、今の自分とモノとの時差を縮めていきたいと思います」(Bさん談)

<私の断捨離宣言>
・本棚を極力クラウド化(=つまり売る)!
・CDケースを極力クラウド化(=つまり売る)!
・茶ダンスを貰ったが、それを処分する(=収納そのものを減らす)!

 

■Cさん
Cさんが読んだのも、ゆるりまいさんの本『わたしのウチにはなんにもない。』(KADOKAWA メディアファクトリー)。

「何もない部屋っていうのもいいなって思いました。モノを積んでいると、掃除が重労働。モップをかけるだけじゃ綺麗にできないし、面倒になる。だから、せめて棚からモノがはみ出さないようにしたいです。買うだけの生活をしていると集めたくなる。一度捨ててしまえば、持っていなくても大丈夫って気持ちになれるのでしょうか…。とにかく、シンプルな生活を目指します」(Cさん談)

<私の断捨離宣言>
・紙媒体を減らしたい。同人誌とコミックを整理!
・今あるモノを、棚に収まる量に減らす!

 

【読者の皆さんにも参考になる(?)まとめ】

 こうして3人で約2時間話し合い、それぞれの断捨離宣言が出された。この年末年始に断捨離を実行に移してもらうわけだが、それだけでは自己満足の駄記事である。

 最後に、話し合いの結果、導かれた「オタクが断捨離する方法」を、以下にまとめたい。名言迷言入り乱れているが、断捨離に踏み切れずにいるあなたの心には、きっと(少しは)響くはず。ぜひ、参考にしてほしい。

 

■オタクが断捨離する方法まとめ
○モノを増やさないために

・むやみに収納を増やさない!
・写真だって、動画だって、パソコンで見られる、という考えを持て!
・限定品はあえて買い逃せ!
・一度、オタゲル係数(※消費支出に占めるオタク出費の割合)を計算してみよ!
・老後のためのものは老後に買えばいい!

○モノを減らすために
・スタメンを決めよ!(コンプを見直せ)
・ブックオフはクラウド本棚と考えよ!
・家に人を呼ぼう!(そうすれば片付ける)
・勇気を出して、パッケージを開封せよ!
・今、地震があったら危ないよ!

○年末オタク断捨離のためにやるべき3つのこと
1、所有物をリストアップし、1つ1つ、必要なのか向き合う
2、収納を今より1つ減らす
3、床からモノをなくす(ルンバが動きやすい部屋を想像しよう)

 3人が断捨離を行ったその結果は、年明けにこの場でご報告したい。果たして「オタクでも断捨離は可能なのか?」。乞うご期待!

文=月乃雫