マチュピチュ、ウユニ塩湖…あの絶景への道のりが過酷すぎる!

海外

更新日:2014/4/17

 Facebookから生まれた『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』(詩歩/三才ブックス)がAKB勢の間に割って入り年間写真集ベスト2を獲得。ほかにも『5日間の旅で行けちゃう! 絶景・秘境への旅』(A-Works)、『WONDER SPOT世界の絶景・秘境100』(成美堂出版)など数々の絶景本が人気を集めるなど、絶景ブームが起きているが、そんな絶景を見るためにはさまざまな苦労がある。そこで、旅チャンネルの人気番組「行くぞ! 30日間世界一周」にも出演した作者・水谷さるころが描いた「35日間世界一周!!」シリーズ(イースト・プレス)から、旅の途中の苦労やトラブルなどを紹介してみよう。

 12月7日に発売された『35日間世界一周!! Part4 南米・天空都市編』では、ペルーに行った際に欠かせない観光地・世界遺産のマチュピチュへ向かう。天空都市とも呼ばれるマチュピチュは、標高2000mほどのところにあるのだが、マチュピチュは標高だけでなく、そこに向かうまでにもいろいろと乗り越えなくてはならない高さがある。たとえば、マチュピチュに向かうためにはまず標高3600mのポロイ駅に行かなければならないのだが、ここで高山病になってしまう人もいるのだ。それに、お値段の方もなかなか高い。マチュピチュに行くには、ポロイ駅からペルー・レイルに乗るのだが、これが大人気で予約しないと乗れない。さらに、列車にも3つのランクがあり、1番安くても往復およそ9800円。1番高いものだと58800円もするのだ。そして、マチュピチュに入るには1人124ソレス(約4000円)かかるそうだが、カードもドルも使えない。一応両替所はあるのだが、レートも山の上価格らしいので、気をつけたほうがいいだろう。

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 さらに過酷な行程が待っているのは、「天空の鏡」とも呼ばれる、ボリビアのウユニ塩湖。19時にラパスというところを出発してウユニに向かうのだが、7時ごろ現地に到着し、そのまままた19時ごろ向こうを発つので、丸2日車中泊。しかも、途中から道路が舗装されていないので、真夜中にガタガタと振動が激しくなり、なかなか眠れない状態になる。そして、ウユニ湖行きのバスにもいくつかのランクがあるのだが、これを間違えると大変! 1番高級なバスだとトイレもついているし、暖房が効いていてブランケットも配布される。さらに、温かいコカ茶と温かいお弁当までついてくるのだ。しかし、2番目に高いバスではトイレもついていない。それだけでなく、バスの振動で窓が開いてくることもあるよう。だが、ウユニに近づけば近づくほど寒くなり、明け方には窓も凍る。これをクリアしなければ、何もない誰もいない真っ白な塩の大地を目にすることはできないのだ。

 また、『35日間世界一周!! Part2 ヨーロッパ鉄道編』では、「インディ・ジョーンズ」の舞台としても知られる、ヨルダンのペトラ遺跡に行くのだが、ここでは往復30分ほどのロバツアーに参加することができる。しかし、このツアーがかなり危険。ロバ一頭がギリギリ通れる幅しかない斜面を登っていくので、ロバも壁際に寄るのだが、なんと、壁に寄りすぎて作者の乗っていたロバの鐙が外れてしまうのだ。でも、もっと怖いのが下りのとき。ロバにしがみつくこともできないし、常に断崖の下が見えている状態なので、この不安感はハンパない。頂上には祭壇や住居跡もあるので、そこからの眺めは壮大なのだが、その景色を見るためにはそれなりの覚悟と勇気が必要かも。

 世界の絶景を見るためには、やはりこれくらいの試練はつきものなのかもしれないが、それを乗り越えて得られる感動はひとしお。絶景ブームのこの機会に、自分の目で見に行ってみるのもいいのでは?

文=小里樹