流行りのダイエットに飛びつくのは時間のムダ! 自分に合ったダイエットはオーダーメイドする時代!

ダイエット

公開日:2014/1/9

 ダイエット法は数々あれど、自分が選んだ方法が、必ずしも適切であるとは限らない。効果がないダイエットに取り組むのは、時間と労力のムダである。そう断言するのは、医学博士であり医療ジャーナリストである森田豊氏。真に効果のあるダイエット法を医学者の観点からナビゲートする本、『ダイエットはオーダーメイドしなさい!』(森田豊/幻冬舎)を上梓した。

 考えてみよう。あなたがもし「自分は太り気味だ」と感じているなら、思いあたる原因は、決してひとつではないだろう。食生活はもちろん、それに直接影響する自分の性格や生活習慣、年代的なものや体質の傾向が組み合わされ、それらさまざまな原因が積み重なることで、脂肪もまた厚く積み重なっているのではないか。ならば、いくら流行りのダイエット法にトライしても、今このお腹についているぜい肉に効くのかどうかは、定かではないはずなのだ。

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 そこで本書では、個々の体質や年齢・性格・生活習慣などを考慮して、ひとりひとりの「太る原因」を見極める。そのうえで、真に医学的なダイエット法を体質や性別、性格に最も合った形で組み合わせて診断していく。なるほど、これは画期的。

 まず冒頭で、ちまたに溢れるダイエットの中から64種類をピックアップ、5つのグループに分けて検証する。体力がつく「運動系ダイエット」(ランニングなど)、健康に導く「食事系ダイエット」(和食ダイエットなど)、アンチエイジング効果もある「代謝系ダイエット」(ストレッチなど)、キレイになる「心理系ダイエット」(はかるだけダイエットなど)、バランスがとれる「自律神経系ダイエット」(呼吸法ダイエットなど)。森田氏はそれぞれのダイエット法が、医学的にみておすすめかどうか、継続しやすいかどうかを、表にまとめて一刀両断。効果が曖昧なダイエットも指摘されており、ここを読むだけでも、かなりの目からウロコ感が得られる。

 次に、チェックシートで「自分の肥満タイプ」を検証していく。筆者の場合は、採点すると、3つの「太る原因」がほぼ同数。偏食や食生活の乱れによる「誤食太り」、運動量の低下による「運動不足太り」、代謝の低下による「低代謝太り」の複合型。よって「食事系ダイエット」「運動系ダイエット」「代謝系ダイエット」の3つの方法が必要となる。

 

 さらに「性格×ライフスタイル」から「パーソナルタイプ」を診断してゆく。ライフスタイルは「ずぼら型」だが、「生活は比較的規則的」なため、「コアラ型」と診断された。ちなみにコアラ型が太る原因は「運動不足、糖質過多、低代謝、冷え」だとか。前出の原因と、まさにリンクしているではないか。

 最後に「太る原因×パーソナルタイプ」を用いて、最適なダイエット法を見つけていく。ダイエットのオーダーメイド処方箋の表で、自分に必要なダイエットを調べてみると、「誤食太り」×「コアラ型」に必要なのは【咀嚼ダイエット】、「運動不足太り」×「コアラ型」に必要なのは【朝の軽めの運動】、「低代謝太り」×「コアラ型」に必要なのは【朝ごはんダイエット】と診断された。

 それぞれが必要な理由については本書をじっくり読んでいただくとして、オーダーメイド処方箋をおおまかにまとめると、こんな感じになる。

【咀嚼ダイエット】→ひと口20~30回と、咀嚼回数を増やすことで、血糖値や満腹中枢をコントロール。
【朝の軽めの運動】→日中の消費カロリーアップのため、職場に少し遠回りして出勤するなど、朝の軽めの運動を習慣にする。
【朝ごはんダイエット】→バランスのとれた朝食を摂ることで、交感神経を高めて代謝の向上を目指す。マイペースなコアラ型はしばりがあることが苦手なので、あくまでゆるく。

 巻末には、この本の出版社の男性社員(27歳・肥満歴9年・79キロ)による、オーダーメイド処方箋ダイエット体験記が載っている。「誤食太り」+自律神経に乱れがみられる「アンバランス太り」×「フクロウ型(夜型でまじめタイプ)」の彼の場合は、「分食/補食(スープ等)」「副交感神経トレーニング(腹式呼吸)」「自主的に階段を使う」ことを取り入れ、2か月で74.9キロ、4.1キロ減に成功している。自分の性格や生活習慣からみても無理のない、的確な方法で行うからこそ継続することができ、継続が習慣となるため、ダイエットがうまくいくのだという。

 森田先生によれば、「ダイエットは“快適”や “楽” に安易に流されない、非常に知的な生活習慣である」とのこと。そういわれると、まさにそれこそが王道である気がしてくる。もう、自分に合っていない間違いダイエットで、ムダに苦労する日々とおさらばできるかも? しれない。

文=タニハタマユミ