『半沢直樹』大ヒットから企画重視へ 1月ドラマは“おっさん”が来る!?

テレビ

公開日:2014/1/14

 2013年、社会現象となったドラマ『半沢直樹』。『半沢~』の大いなる功績は、スターに頼ることなしにヒットしたことだと思う。ドラマの配役は、例えば確実にファンがいるジャニーズ俳優を起用するなど、キャストが先に決まりそこに合わせて脚本を書き下ろすことが少なくない。だが『半沢~』は、原作の世界観ありきで企画が進み、主演に、実力は十分ながら数字は持っていなかった堺雅人を起用(堺は平均視聴率15%以上の主演ドラマがなかった)、脇役も演技力を何より重視した多彩な顔ぶれをそろえた。これが見事にハマった。見る側、作る側の傾向も、スターや人気者より、企画や内容重視に大きく変わりそう。

 そんななか、1月ドラマの注目は『三匹のおっさん』(テレ東系)。還暦超えのオヤジが、町内にはびこる悪をぶった斬っていく痛快活劇だ。原作は、映像との相性もいいストーリーテラー有川浩。3人のおっさんこと、曲がったことを嫌う剣道の達人・キヨを北大路欣也、喧嘩っ早い武闘派・シゲに泉谷しげる、機械オタクの頭脳派・ノリを志賀廣太郎が演じる。タイプの違うトリオの掛け合いは原作の面白ドコロの一つだけど、このキャスティングは完ぺき! 原作ファンも安心のドラマになりそう。北大路は頭取役で出演した『半沢直樹』後初出演作で、泉谷は初の『NHK紅白歌合戦』出場直後という追い風も、何か“持っていそう”なドラマだ。

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文=平山ゆりの(日経エンタテインメント!)/ダ・ヴィンチ2月号「出版ニュースクリップ」