実は1月がベスト! 好条件の賃貸物件を見つけるテクニック

生活

公開日:2014/1/16

 1月も半ば、いつもの日常が戻りつつある今こそ、引越しへ向けて物件探しを開始するベストなタイミングだそうだ。就職・入学シーズンの1月から3月は、賃貸物件の入れ替えが激しく動くためである。ならば、桜が咲く暖かい季節に、快適な新居で暮らせるように、“良質な賃貸を上手に探せる極意”を紹介しよう。

 「みなさんは、最近、敷金ゼロ円、礼金ゼロ円という宣伝文句を見かけませんか?」と問いかけるのは、長谷川高著『家を借りたくなったら』(WAVE出版)。著者も以前は部屋探しに苦労したり理不尽な目に遭いながらも、現在は不動産のコンサルタントとして活躍している。「ただ単純に、部屋が埋まらないのです」とあるように、少子高齢化で若年層が減り、単身者向けの物件があまっている今こそ、良い物件をじっくりと見つけることができるのだ。

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 まず、物件探しは「インターネットほど役に立つものはありません」とのこと。賃貸サイトで検索し、現状を把握しておこう。「掲載されている情報は、星の数ほどある部屋のごくごく一部」であり、図面に書かれている東西南北や広さが実際とは異なるケースもあるとか。あくまでも内見までの、参考程度に。

 物件の目星をつけたら、次は不動産屋さん選び。著者は、複数の不動産屋さんとお付き合いすることを薦めている。1軒目がダメでも、2軒目が優秀で、良い物件を教えてくれるかもしれないから。注意したいポイントは「借り手にとって有益な情報をていねいに提供してくれる不動産屋さんと、大家さんにとって有益である不動産屋さん」の2種類が存在するということ。あまりお付き合いしたくない、後者の見分け方とは…。

・一度来たお客さまを絶対に逃さない
・他の店に行かせない
・その日のうちに契約(捺印)をせまる

 こうして読むと、怖そうな人が出てきそうなイメージだが、実際にはカジュアルな雰囲気の大手チェーンにも見受けられるそう。土地勘がなく、情報の少ない若者の客が、巧みな話術にかかると、簡単に契約してしまうことも。そうならないために、以下の対策を心得ておきたい。

1)「実は、他にも希望者がいるんですよね」と言われたら
同じエリアで最低10件は内見をすませており、本当に良い物件だと思ったら申し込んでもよいかも。でも、まだ4~5件しか内見をしていないなら、ほかにも良い物件は必ず見つかる。

2)「この部屋、おすすめですよ」と言われたら
あいまいな表現であり、自分にとっての「おすすめポイント」かどうかは不明。したがって、反応する必要ナシ。

3)「引越しはいつまでに?」と入居希望日を聞かれたら
客のあせり具合を探っているので「良い物件があれば引っ越しますけど、なければ更新します」と返答を。ただし、冷やかしだと思われないよう、態度は真剣に。

4)「どこへ行っても同じだよ」と言われたら
やる気がないか、扱っている物件数が少ない可能性も。強引な不動産屋さんにも多いセリフなので、気にせず他の不動産屋さんへ移動を。

 地元に昔から根付いている不動産屋さんの場合は、大家さんから信頼を得ている老舗だからこそ、掘り出し物が見つかる可能性も。ただし、店頭の張り紙には「本当に良い物件は貼り出さない」のだとか。ここはひとつ、どことなく重い扉を開き、愛想のよくないご主人が出迎えても、快適な新居のためにがんばりたい。

 いよいよ内見をするときには、本書に記されている“目からウロコなチェックポイント”を忘れないように。

1)コンセントの位置の確認
実は、家具を置ける位置を左右する、意外な重要ポイント。電話線やテレビのアンテナ線の位置も、自分の生活スタイルに合うかどうか確認を。

2)ゴミ捨て場の確認
「ゴミの出し方ひとつで、住人の意識を見ることができます」と著者。共同生活において、住人のモラルは重要である。

3)臭いの確認
部屋に入った瞬間が勝負で、長居しているうちにわからなくなってしまうので要注意。排水管や、押入れのカビから発生する臭いを感じ取りたい。

 以上のような細やかなチェックを経てこそ、快適な物件と巡り会えるのだ。物件との出会いは、恋愛と似ているかも。どうせダメだなんて言わず、出会いの季節の春に向けて新居を探し、意中の恋人を誘えるような、ステキな部屋を手に入れてみてはいかが?

文=八幡啓司