“オタク断捨離”は実行できたのか!? 結果報告会!!

生活

公開日:2014/2/8

 2013年12月某日、3人のダ・ヴィンチニュースのオタクライターで行った座談会。「オタクでも断捨離は可能なのか!?」をテーマに話し合い、年末年始に実際に断捨離を実行することを約束して、その会は終わった――。

 そして、年が明けた2014年1月。断捨離を実行したメンバーが、再び集まって結果報告会を開催。果たして、断捨離は成功したのか? それぞれの感想とともに、そのてん末をご報告しよう。

■まずは前回のおさらい

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フィギュア、マンガ、CD、DVD…にあふれた部屋を片付けたい! オタクでも断捨離は可能なのか?【準備編】

 

【3名のプロフィールはこちら】

○Aさん(男・42歳・ライター・オタク歴:約30年)

<断捨離前に所有していた主なオタアイテム>

超合金:約50体、聖闘士星矢の聖衣大系:約30体、特撮CD:約100枚、マンガ:約200冊、小説:約100冊、サッカーのユニフォーム:約100枚、プラモデル:約150箱

 
○Bさん(女・35歳・ライター・オタク歴:認めてからは12年)

<断捨離前に所有していた主なオタアイテム>

CD:約1500枚、DVD:約100枚、書籍:約1200冊、マンガ:不明(なほど多い)

 
○Cさん(女・28歳・ライター・オタク歴:12~3年。※今回は実家の自室を断捨離)

<断捨離前に所有していた主なオタアイテム>

ラノベ:約100冊、マンガ:約400冊、同人誌:約150冊、フィギュア:約15体、ゲーム:約15個、CD:約200枚

 

■断捨離の状況・結果の報告

<Aさん>

・クローゼットから玩具を全部引っ張り出して見直し、段ボール箱に4、5箱分を処分。

・ユニフォームは、売るモノと一生所有するモノ、大事にしてくれそうなコレクターの友達に送るモノの3種類に分別。

・ゲームを段ボール1箱分、ガンプラ約20~30体、DVDやCD何十枚かを“処分(売る)コーナー”(部屋の片隅)に移動。

・仮面ライダーのフィギュアは、友達の息子に30個以上(含む新品未開封品)を送った。

・マンガは一度読んだら処分するものを50冊ほど抜き出し、1日1冊ずつ消化している(現在進行中で30冊読了)。

 クローゼットの中身を入れ替えたことで、箱でいっぱいだったクローゼットにユニフォームが吊るせるようになった。服を入れていたクリアケースが1つ分空いた。

 過去に何度か断捨離を行っているAさんは、最近ではマンガは月1、2冊、プラモデルも新しいものは買わず家にあるものしか作らないため、オタゲル係数(※消費支出に占めるオタク出費の割合)は数%。

 先日とある玩具のイベントへ行ったが、玩具を買いたいと全く思わなかった。「前なら欲しくなっていたけど、俺はもうここは卒業した! と思った」と話した。「もしまた何かにハマっても、前みたいにむやみに集めることはない。一点豪華主義。1つ買ったら1つ手放す」と宣言。

 
<Bさん>

・本&マンガは800冊、CDは500枚、DVDは20枚くらい売った。

・残りのCDを、タワーレコードで売っているケースで省スペース化。

・古い茶だんすとテーブルを、知り合いのカメラマンに譲る。

・ビデオ(昔のドラマ)約300本を、20本くらいに減らした。

・切り抜き(アイドルの雑誌や新聞の記事)は、本当にいいものだけ残して処分。以前好きだった演劇のチラシも全て処分。

・大学院時代の研究関連資料(漱石全集等)も、本当に読みたい本以外は全部捨てた。赤字を入れてもらった当時の論文、雑誌のコピーも捨てた。

 最終的に、みかん箱18箱分くらい処分。押し入れに詰まっていたものが3分の1くらいになった。捨てると思うと心が痛んで踏み切れなかった家具も、“あげる”ことで安心して手放せたそうだ。「5分の2は減っていると思う。収納に余裕ができて嬉しい!」と断捨離の成功を喜んだ。また、CDをプラケースから出して省スペース化したことで、「次のステップに行きやすくなり、人にもあげやすくなった」とのこと。

 
<Cさん>

・マンガと小説は100~150冊くらい売り、同人誌も棚の一部に入るだけにした。

・クリアボックス5、6個分の中身(昔のマンガ、昔の雑誌の付録類)も、ほぼ処分。

・昔から好きでコンプしていたアーティストのCDを見直し、一部売った。

・ときめかないフィギュア、グッズ類も処分。

 結果、全体のモノの量が3分の1くらいになった。今回は実家の自室を断捨離したのだが、一人暮らしを始めたことで、「実家に置いていてもしょうがない」と思えるようになり、初詣ついでにかなりのモノをブックオフへ。絶対読み返すもの、人にもらったもの、見ていて嬉しくなるもの以外は処分。

 また、「今年は忙しかったし、コミケで限定品を買い逃してみた。そしたらそれが見直せるきっかけになった。身も心も軽くなりました」とのこと。

 
■断捨離を通しての感想

Aさん「選手が実際に使用したユニフォームや昔のレアな超合金、古い食玩のオマケなどは、捨てたら世の中から消えてしまうモノもあるので、価値が分かる人に渡したい。文化遺産的な気持ちで。先日、コレクター雑誌で玩具の発売日などの情報を眺めていたとき、“オレはこの商品がこの世に発売されること自体が嬉しい。自分で持っていなくても、どこかに存在してれば満足”って思えた。世界がクラウド化できた(笑)」

 
Bさん「収納に余裕ができて嬉しいものの、苦しい道のりの途中段階。モノに依存しているし、ずっと自分を構成してきたモノを手放すのは、身を切るような辛さがある。でも知人に“捨てられないのはいいけど、片付けられないのはまずい”と言われて、前に進めた。1回で全部は無理。少しずつ断捨離していくことが重要だと思う」

 
Cさん「わざと買い逃すのは重要。今まで全部最初から持っていたシリーズもののCDも、本当に好きなものと、そうでもないものに分けられた。コンプを見直し、モノを減らしたことで、厳選された本当に好きなものが目につきやすくなった」

 

 他にも、「自分が死んだ時にコレクションはどうする?」という話題では、オタクのエンディングノートがいるのでは? ということになった。本当に価値のある(と思う)モノをきちんと引き継いでいくためには、それが分かる人に託す必要がある。Aさんは、「ユニフォームは、オレが死んだらちゃんとモノの価値に合った処分方法で処分して」と友人に言っているそうだ。

 

■改めて、「オタクが断捨離する方法」まとめ

 それぞれ、前回話し合った方法をほぼ実行し、成果をあげた。その中で感じたことや学んだこと、今回の報告会で考えたことを踏まえ、もう一度「オタクが断捨離する方法」をまとめてみようと思う。

(1)断捨離の目的を再確認!
 この「オタク断捨離」は、オタクをやめろという企画では決してない。モノが増えすぎてコレクションに揺らぎが出た人への提案である。心を楽に、楽しく濃くオタクをやっていくための1つの方法として考えよう!

(2)心構えと気を付けたいポイント

○一度に片付けようとすると、ハイになったり落ちこんだりするので注意。モノへの思い入れが強ければ強いほど、1つ1つ慎重に片付けていく気持ちで行わなければならない。

○本当に“自分”が所有しておく必要があるのか、自分じゃなくても、価値が分かる人が持っていればいいものなのか考えよう。

○「あったら便利なモノ」は必要ないモノ!

○現物がなくても、そのモノへの気持ちがある限り、自分の心の中に生き続ける!

○物欲とモノへの思い入れは違うことを理解しよう。

(3)断捨離の方法

○できれば誰かと一緒に実行しよう!

○限定品をあえて買い逃し、スタメンを決めよ!(コンプを見直せ)

○写真だって、動画だって、パソコンで見られる、という考えを持て!

○勇気を出して、パッケージを開封せよ!

○所有物をリストアップし、1つ1つ、必要なのか向き合う。

○収納を今より1つ減らしてみよう。

○床からモノをなくし、ルンバが動きやすい部屋にしよう!

○捨てたくなければ、価値が分かる人に譲ってしまおう。

○ブックオフはクラウド本棚と考えよ。

○一度捨てたものを買う際は、「2度目に買うものは2度と捨てない!」くらいの気持ちで。

○どうしても断捨離できない場合の最終手段は引っ越し。

(4)効果・効能

断捨離を行った3人全員が、

○快適に暮らせるようになった、掃除が楽になった。

○モノを1つずつ精査していくと、本当に好きなものが見えてくる。

○そして、本当に好きなものを愛でやすくなった。

と、モノを減らしたことがプラスになったと報告。

 今、身の周りにあるものは、本当に自分が愛している、自分が欲しいと思っていたものだろうか? コレクション=ステータスという意識が強いオタクの中では、断捨離という行為は、実行するまでは抵抗があるかもしれない。しかし一度整理し始めると、意外といらないモノが溢れていることに気付く。「物欲とモノへの思い入れは違う」ということを認識し、すっきりとした部屋で、快適に濃厚なオタクライフを楽しもう!!

文=月乃雫