保管方法は? 処分する時は? 女性がハマる御朱印集めのポイント

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公開日:2014/2/15

 近頃、御朱印帳を持って神社や仏閣を訪れる「御朱印ガール」が増えているという。御朱印とは、寺社の住職や神職の方などに御朱印帳にいただく朱印と墨書きのセットのこと。墨書きには、ご本尊や神社名、日付などが入る。もともとは寺社に写経を納めた際、その証にいただく印だったとされている。

 神社巡りが趣味の私も、ちょうど御朱印集めを始めたいと思っていたところ。さっそくお気に入りの御朱印帳をゲットするべく、いろいろ調べてみた。

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 まず必要なのが、御朱印帳。大きな寺社ではオリジナルの御朱印帳があり、また仏具店やネット販売でも、1000円前後で手に入れることができる。寺社オリジナルのものは、寺社の特色が一目でわかるような美しいデザインが多い。御朱印だけでなく、御朱印帳も集めたくなるものばかりだ。

 御朱印帳をゲットしたら、さっそく御朱印集め。でも、その前にふと疑問が。そもそも何のために集めるの? 近所にある氏神神社に、おそるおそる初歩的な質問をしてみた。

「日本には古くから、“八百万の神”という考え方があります。各神社などに祭られているご祭神にも、縁結びだったり、学問だったり、得意な分野があるものですよね。いろんな神社を巡って御朱印を集め、それを補い合うようなイメージでよいのではないでしょうか」

 違う神社のお守りを持っていたら、神様同士がケンカしてしまうなどと不安に思う人もいるだろうが、これも同じ考え方。特に問題はないのだそう。

「スタンプラリーのように捉えていらっしゃる方もいるとお聞きしますが、スタートはそれでもいいと思います(苦笑)。何度も足を運ぶことのほうが、大切ですよ」

 八百万の神という日本古来の信仰は、心が広いなぁと思わざるを得ない。でも、気持ちを込めて御朱印を書いて下さる方にも失礼のないよう、最低限のマナーは守るべき。参拝もしないで社務所や納経所に直行というのは基本的にNGだし、メモ帳などにいただくこともご法度だ。御朱印はおおむね300円前後だが、お札ではなくきちんと小銭を用意していったほうがいい。保管は神棚や、頭よりも高いところに大切にしまい、処分する際には、寺社に納める。

 ひととおり話を聞いた後、初の御朱印をいただいた。白い紙に墨書きと朱印のシンプルなコントラストは、まさにアートともいうべきもの。これはハマるのも頷ける。

 そんな御朱印の中でも、芸術的なものやレアなものを一挙に集めたのが、『日本全国 この御朱印が凄い!』(地球の歩き方編集室/ダイヤモンド社)という1冊。日本全国にある約7万5000もの寺院、約8万5000もの神社から選りすぐりの御朱印を網羅している。

 ひときわ芸術性を感じるのが、栃木県古峰神社のもの。別名「天狗の社」と呼ばれており、御朱印も立体感のある天狗が墨と朱で描かれている。この御朱印を書ける方は1人しかおらず、その方も不在にしていることが多いため、通常はすでに書いてあるもので対応。御朱印帳に書いていただけるのはとても稀なんだとか。書き終わるまで20分以上もかかるという大作だ。

 また、京都府の八坂神社では、7月の祇園祭の間にしかいただけない特別な御朱印もある。「祇園御霊会」の墨書きのまわりには、祇園祭最大の見どころのひとつといわれる山車の一種・山鉾が細やかに描かれる。

 御朱印は、いただく時期が違うと、文字や朱印の内容が変わることもある。また、各寺社にひとつだけというわけではなく、数種類ある場合も。そして書き手が違えば、筆癖も違う。御朱印は、一期一会。こうした巡り合わせも、御朱印集めの醍醐味だ。アナタも自分だけの1冊を手に入れてみては?

文=廣野順子(Office Ti+)