『ONE―愛になりたい―』『ときめきトゥナイト』… あの大人気少女マンガのその後がすごい!

マンガ・アニメ

2014/2/17

『月刊YOU』2月号(集英社)

『月刊YOU』2月号(集英社)

 1月15日に発売された『月刊YOU』2月号(集英社)から、1980年代後半に乙女たちに圧倒的な支持を得た宮川匡代の『ONE―愛になりたい―』の続編、『ONE Final ―未来(あした)のエスキース―』の連載が始まった。『ONE―愛になりたい―』で、複雑な家庭環境や恋敵たちに振り回されながら、純愛を実らせたさちよと拓実。中庭の散水作業中にスプリンクラーの水をよけるために手をつないでジャンプするシーンや、拓実の名セリフ「この県名“愛”を“知”るって書くのな」などあまりに甘いシーンの数々は、いま読み返すと恥ずかしい限りだが、当時の乙女たちはいずれ自分も…と近い未来を思い描いていたはず。

 しかし『未来のエスキース』では一転、出版社の派遣社員をしながら結婚を待つさちよと、さちよに婚約指輪を渡してから5年たってもプロポーズをしない拓実という現実的なストーリになっている。

 近年、往年の人気少女マンガの続編が多く展開されているが、前作の色を強く残しているもの、まったく違うカラーになったものに分かれている。そこで今回は、続編が作られた集英社の少女マンガを細かくチェックしてみよう。

 まず前作のテイストを強く残しているものといえば、吉住渉の『ママレード・ボーイ』の続編、『ママレード・ボーイ little』。前作は、互いの両親同士が再婚することで義理のきょうだいとなった光希と遊の恋愛模様が中心だったが、『little』では彼らのきょうだい立夏と朔の関係にスポットが当てられている。前作はアニメ化された人気作だっただけに「作品の世界観が壊れていない」「前作の登場人物が細かく登場している」と好評な意見も多いが、「話自体が同パターン」「当時はわからなかったけど、今読むと両親S(主人公の両親たち)の非常識さがすごい」と似たような設定に不満を持つ人も多いようだ。

 同じく『りぼん』(集英社)に掲載され、アニメ化もされた『赤ずきんチャチャ』(彩花みん)は、『赤ずきんチャチャN』として続編が作られている。前作は「魔法の国のうらら学園」で魔法使いの見習い・チャチャが仲間ともに騒動を起こすコメディだったが、続編ではチャチャと仲間たちが東京に遊びに来たという設定。状況は違えども、ほんわかしたギャグと荒唐無稽なギャグの黄金比は健在で、読者からも「ギャグのテイストも変わってなくて安心して読める」とすんなり受け入れられているようだ。

 前作の世界をより深めたのは、少女マンガの金字塔『ときめきトゥナイト』(池野恋)のサイドストーリー『ときめきトゥナイト 真壁俊の事情』。前作では蘭世の視点で俊との純愛が描かれたが、続編では俊が主人公。ファンが気になっていた、プロポーズの裏側や前作ではわからなかった俊の細やかな心の動きが描かれ、前作に新たな魅力を添えたといえるだろう。

 一方、作品の雰囲気ががらりと変わったのは本田恵子の『月の夜 星の朝 35ans』(集英社クリエイティブ)だ。前作『月の夜 星の朝』は、幼馴染のりおと遼太郎が中学生で再開し、惹かれ合っていくというストーリー。読者の多くは、りおと遼太郎が勤しんだバスケットボール部や、2人が持っていた重ねると十字架が出来上がる「クロスペンダント」に憧れたが、『35ans』では、35歳になった2人が離婚していたことが明らかに。りおが流産を経験してからカメラに打ち込み、遼太郎との心の距離が広がっていたことなど、10代の純粋な心のままではいられない、リアルな人間像を描いている。『35ans』が完結し、現在はりおの親友・麻衣を主人公にした『月の夜 星の朝 D.S.』が連載中だ。

 ホテル業界の社内恋愛を描いた『クローバー』(稚野鳥子)の続編、『クローバー trefle』も大きくテイストが変わった作品。前作は、至って普通ながらも意外とモテるOL・沙耶と、堅物の上司・柘植の長い結婚までの道のりが描かれたが、『trefle』の主人公は沙耶の同期で、10年間彼氏のいない妃女子。愛され系女子から干物女へのバトンタッチは、世相を反映したものといえるかもしれない。

 主人公が年齢を重ねたり別のキャラクターになったり、前作ファンを年齢を考慮してリアルな物語になったりと、幅を広げていく続編もの。前作がピンと来なくても続編が好きになったり、前作を読むことで当時の自分を思い出すきっかけになることも。「しばらくマンガから離れていた」という人も、改めて少女マンガに触れてみてはいかがだろうか?