最多は月に5~10冊 ダ・ヴィンチ読者の読書量は? 活字中毒者の実態調査

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/22

本好きは活字の狩人だ。隙あらば書店に入り、読むものがないと移動に耐えられない。うっかり忘れたら車内吊りを熟読。空き時間にはページを開き、それでも足りずにネット空間を徘徊する。その暮らしぶりはどんなものか。

ダ・ヴィンチ』3月号では、「ダ・ヴィンチ読者は月に何冊本を読んでいるのか?」と、同誌読者305人にアンケートを実施。ライターの北尾トロが本好きの実態を調査している。

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――私のまわりには本好きが多いが、量的に図抜けているのは書評家の杉江松恋さんである。得意の“2冊同時読み”を駆使し、多ければ1カ月に約80冊読むという。これがどういうものかと言えば、左右の手で本を持ち、右を数ページ読んだら左を数ページというふうに読み進める異常な技だ。ただ、杉江さんにしてみれば読書=仕事でもあるわけで、純粋な読書とはちょっと違う。

編集のKもかなり読むが、仕事絡みが多いので参考外だ。「楽しみで読んでいる量は月に10冊くらいですね。マンガを入れるともう少し増えますが。トロさんはどうですか?」 仕事抜きだと7~8冊かな。年に約100冊。読むのは移動中が多く、部屋でじっくり読書に専念する時間が取りにくいのが悩みの種だ。編集Kは自分が活字中毒だと思ってるか? 「ないとツライけど、中毒までは達してないかなあ。でも、バッグに本が入っていないと不安にはなります」

私も同じだ。活字中毒まではいかないが、依存度は高い。月に7~10冊読む人は結構いると思うので、我々の読書量を基準に、本誌読者の活字中毒ぶりをアンケート調査。その結果、いくつかの集団が浮き彫りになってきた。(冊数は単行本と文庫。コミックスと雑誌は除いた)

ダ・ヴィンチ』読者は月に何冊本を読んでいるのか?
結果は以下の通り。

・5~10冊 47%(145名)
・10~15冊 22%(68名)
・5冊以下 18%(54名)
・20冊以上 9%(27名)
・15~20冊 4%(11名)

月に5冊以内:週に1冊ペースだが、猛者が多い本誌読者の中では少なく感じる。生活のバランスがとれた健全な本好きレベル。
10冊前後:メイン層。雑誌、新聞、ネット、コミック以外に10冊となると、いつも読む本がある感覚だろう。私と編集Kもここに属す。
20冊以上:所用で読めない日もあることを考慮すると、1日1冊以上のハイペース。読書が日々のリズムにガッツリ組み込まれ、活字をオカズに飯が食えるレベル…本は食べ物かよ。書店に行く機会も多く、堂々の活字中毒者である。WEBで読書メーターなどを使って読んだ本を管理する人も。このクラスになると、記録しないと何を読んだか忘れてしまう量なのだ。

同誌ではこの調査をもとに活字中毒者へ突撃インタビュー。その依存っぷりに圧倒され、己の活字依存度はたいしたことないのではと思った北尾。「活字がないと寂しいけれど、なければないでやっていけるのかも」という編集者の促しで、活字断ちを敢行! はたして北尾は、活字無しで年末年始を乗り切れたのか? 日々の日記ルポとともに掲載している。

文=北尾トロ/ダ・ヴィンチ3月号「走れ! トロイカ学習帖」