失敗や上司の叱責…、寝る前に思い出すイヤな気持ちをかき消す方法

暮らし

更新日:2014/2/25

 布団に入り、眠りにつくまで、あなたは普段どんなことを考えているだろうか。別に思い出したくもないのに、上司に叱られたことが頭をよぎる。友達に言ってしまったひとことを後悔したり、自分のミスを反省したり、将来のことが心配になることもあるかも。でも、実はそれ、全部寝る前には絶対にしてはいけないことなのだ。

 『寝る前に読むだけでイヤな気持ちが消える心の法則26』(中村 将/KADOKAWA 中経出版)によると、記憶は眠っている間に海馬(かいば)で「残しておく記憶」と「消す記憶」に整理されるので、寝る前に嫌なことを振り返ったり、悪かったことを反省すると、海馬がその情報を鮮明に自覚してしまい、「残しておく記憶」としてずっと記憶されてしまうという。ならば、寝る前にはどんなことを考えればいいのか。その内容と反省や後悔、心配をしないための法則をこの本から紹介してみよう。

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 仕事をしていると、横暴な上司や無理難題をふっかけてくる取引先の人、意地悪な先輩もいるはず。そんな人たちには、「拾った棒の法則」で対処しよう。5歳ぐらいの男の子が公園で長い棒を見つけて拾った。すると、必ず「エイッ! ヤーッ!」と棒を振り回すはず。そして、誰彼かまわず斬りつけて、しまいには本当に体に棒が当たってしまい、泣く子まで出てくる。実は、横暴な上司や無理難題をふっかけてくる取引先の人、意地悪な先輩もそんな子どもと同じなのだそう。ここから逃れるには「こちらが大人になって“やられた振り”をしてあげる」のが最善だという。自分は悪くないのに納得できないという人もいるかもしれないが、相手は「やられた振り」をしてあげないともっと痛い目に合わせようとしてくる。それにいちいち悩んだり、こっちの身がもたなくなる前に、やられた振りをして受け流してしまえばいい。

 また、何をやってもうまくいかないと思えるときは「3億のレース」を思い出すといいそう。昔々、あるところにひとりの若者がいた。そして、彼のもとに王様からある知らせが届いた。それは、あるレースを開催し、優勝者にはとても素晴らしい賞品と副賞を与えるというもの。それに見事優勝した若者は、王様から生命という賞品と、副賞として「思い通りの人生を送るのに必要な才能」をもらった。だから、あなたが「あ、これ楽しいなぁ」「あれをやれたら、うれしいなぁ」と思ったら、それは副賞としてあなたが授かった能力で実現できること。逆に、「失敗したらダメ」「私には無理」と思う感情は、生まれてから身につけてしまったものだという。人はみな、3億のレースに勝った精子が生命となり、この世に生まれてきた。誰もが、3億のレースの勝者なのだ。それを思い出して、前に進めばいいのだ。

 そして、失敗恐怖症になってしまっているときは、「最大損害額の法則」で自分の失敗なんて大したものじゃないと感じられればいいそう。失敗恐怖症の人は、行動するのが嫌なのではなく、その結果失敗してしまうことがとても嫌。でも、必ず成功する保証なんてどこにもないので、そんなときは自分の失敗によって発生する損害額を計算するのだ。たとえば、セミナーを開催したら当日の参加者が0だったとする。すると、会場費10万、広告費10万、マニュアル制作費3万、その他2万で計25万の損害が出ることに。でも、これぐらいなら食べるのに苦労するほどの借金を背負うわけでもないので「大失敗」とは呼べない。言い換えると、そこそこの成功も経験していなければ「大失敗すらさせてもらえない」のだ。そう考えると、少しは気分が楽になるはず。

 こんなふうに、嫌なことも笑い飛ばして、見方や考え方を変えれば、夢の中でもそれからの人生も楽しくいい気持ちで過ごせるだろう。

文=小里樹