林先生に教わる、やりたいことを今やるための習慣

暮らし

更新日:2014/2/27

 例年にもまして寒かった冬も、そろそろ終わりが近い。ポカポカと暖かい春の気配が漂い始めると、やる気がみなぎってきて、決意を新たにする人も増えるはず。今年こそは新しい自分になって、仕事や恋愛を充実させたいなんて思ったとき、アノ林先生の言葉が聞こえてくる。

 「いつやるか? 今でしょ!」と問われ「よし、今やるぞ!」と決意を胸にする。でも、何をどうすればいいんだっけと立ち止まってしまうアナタには、林修著『今やる人になる40の習慣』(宝島社)がオススメ。著者は東進ハイスクールの講師としてカリスマ的な人気を博し、番組出演や執筆など多忙なスケジュールの合間を縫って、本職の講義に必ず立っている。そんな著者が生徒と接して感じたことや、自身の仕事を通じて身につけた“ワンランク上を目指す習慣”が紹介されている。その中から、5つをピックアップしてみよう。

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1)デスクの上を戦闘態勢にしておく
「“できる人”のデスクは、ほとんどが、きちんと整頓されている」と、著者は説く。つい山積みになりがちな資料は、時間的な分類をし、古いものは整理するか破棄する。そして、片付いたデスクの上は、行動設計図として使うのだそう。まず、デスク上に十字をひくイメージをし、縦軸は重要度、横軸は緊急度を表す。そして、用事を書き込んだ付箋を、枠組みの中に貼っていく。パッと見ただけで今やるべきことが目に入り、行動に移せるようになるはず。

2)日曜日の午後から、戦闘モードに入る
多くの人は、土日にしっかりと休み、月曜日から仕事モードに入る。しかし「素敵な一週間を過ごすためには、そのイメージを前もって描いておくことが大切」という。したがって、仕事が月曜日から始まる人は、日曜日の午後から1週間をイメージしてみよう。仕事の分量と配分を考えたり、ミスが起こりそうな部分も点検する。そうすることで、スタートダッシュも勢いが増し、クオリティの高いビジネスワークに繋がるのだ。

3)企画は未完成のまま、すぐに周囲に投げかける
著者は、周囲のサポート体制作りの大切さも訴えている。例えばそのひとつに、じっくりと企画を考えて期限ギリギリに提出するのではなく、翌日にでも草案の状態で周囲に投げかけてみるというものがある。そうすれば、上司がアドバイスをしてくれて、より良い企画になる可能性が生まれる。また、周囲の反応を見ることで、この企画の味方になってくれる人を見定めておくこともできる。ひとりで抱えずに、周囲を巻き込んでこそ、よりよい仕事が実現するようだ。

4)正しい努力をする
結果を出す人は「まず方向を先に確かめ、これでいいと思ったらすぐ実行に移し、必要な量に達するまで努力を続ける」のだそう。だから、間違った方向へ向かったまま、努力をし続けても、成功しない。例えば、間違ったエントリーシートの書き方のまま、多数の会社へ応募していても、なかなか内定がもらえそうにないことがわかる。努力の前の下準備こそ、成功への近道となる。

5)裏地に気を使うことが大切
粋な人は洋服の裏地に凝っていたりするが、これはチラッと見えたときの印象を良くするための工夫だ。反対に、いつもスーツをビシッと着こなしている人の引き出しが、資料などで乱雑になっている場面を目撃すると、残念な気持ちになるだろう。すると、その人の発言力が弱まるし、協力してくれる人も少なくなってしまう。今やろうとしたときに、協力してくれる人を増やすために、こうした工夫が生きてくる。

 流行語大賞に選ばれるなど、著者の華やかな面に注目が集まっているが、書かれているテクニックには、地に足の着いたものが多い。整頓などといった基本的なものから、人への礼儀など、日本人としても親しみやすいものが多いように感じられる。ここはひとつ、著者の名セリフに後押しされて、一歩踏み出してみては?

文=八幡啓司