書店員が選ぶ “春の訪れを感じる本” 5選

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/22

毎日膨大な量の本に接し、本の知識なら誰にも負けない“本のソムリエ”こと書店員さん。 春の訪れが待ち遠しい季節となった今回は、書店員歴3年、ジュンク堂書店三宮店で芸術書を担当する小松寛茂さんに“春の訪れを感じる本”を5冊セレクトしてもらった。

■『サンフレッチェ情熱史 降格・経営危機を乗り越えた「逆境のヒストリー」』 中野和也 ソル・メディア 1600円(税別)
春はJリーグが幕を開ける季節。長き冬の時代を過ごした広島は、いかにして王者へ上り詰めたのか。戦い続けた男たちによる、あまりにも熱い珠玉の叙事詩。全てのスポーツファン必読の名著です。

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■『フラワーフェアリーズ ─花の妖精たち 愛蔵版─』 シシリー・メアリー・バーカー/作 白石かずこ/訳 グラフィック社 2500円(税別)
20世紀前半の作品にして全く色褪せることのない、とにかくかわいい花の妖精たち! 一つ一つの花々にこんな子たちが隠れていると思うと、何気なく見ていた路傍の花も、何だか楽しく感じてきます。

■『はるになると』 J・W・アングランド/作 小川 糸/訳 文溪堂 1000円(税別)
春の喜びや楽しさをキュートな絵で綴った、大人も子供も楽しめる絵本。小川糸さんの手がけた訳文も柔らかく温かみがあり、素敵な季節への期待が止まらなくなります。プレゼントにもおすすめ。

■『キラリキラリ』 かくたみほ パイ インターナショナル 1500円(税別)
かくたみほさんは「光」を撮る写真家です。彼女の写真には常に温かな光があり、真冬の風景すらやがて訪れる雪どけを想起させます。読んでいるうちに、上着を脱いで本の中を走り回りたくなる一冊。

■『写真集 サクラ・さくら・桜』 隔月刊『風景写真』編集部/編 ブティック社 3524円(税別)
73人の名だたる風景写真家による、圧巻の桜写真集。畏れすら抱くほど全ての写真が美しく、ページをめくるたびに魂が震えます。巻末には撮影地ガイドを収録しており、写真が趣味の方にも◎。

ダ・ヴィンチ4月号「本のソムリエ」