黒子の家族が登場しない理由? 黒バスの謎に迫る

マンガ

公開日:2014/3/18

 男女問わず、高い人気を誇っている『黒子のバスケ』(藤巻忠俊/集英社)。心配されていた脅迫事件も解決し、アニメの2期も佳境を迎えている。そんな『黒子のバスケ』の作中では明かされない謎に迫ったのが、3月4日に発売された『黒子のバスケの謎』(『黒子のバスケ』研究会/データ・ハウス)。そこから、キャラクターの隠された秘密などを紹介してみよう。

 まず、カゲのウスさが特徴の黒子だが、その1番の要因がどこにあるのか気になった人もいるはず。『黒子のバスケ』25巻に収録されている「黒子のバスケそこそこ答えるQ&A」というコーナーでは、読者から「黒子の家族もみんな薄いんですか?」という質問が届いていた。それに対して、作者が「お母さんがウスい人。ちなみに黒子は外見はお母さん似、性格はお父さん似」と答えている。つまり、「黒子のカゲのウスさは、性格よりも外見に起因している部分が大きい」ということになりそうだ。しかし、実際に黒子の家族が登場したことはない。必要性が無いから登場していないだけかもしれないが、存在感の無さを売りにしている黒子を異色の主人公として描き続けるために、彼のプライベートなことを徹底的に排除しているなら、今後も黒子の家族が登場する可能性は低いだろう。

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 また、誠凛高校のキャプテンでもある日向は、監督をつとめる幼馴染のリコに告白しようとしたことがあったが、彼女のくしゃみのせいでタイミングを逃してしまった。しかし、実はリコも日向のことを異性として意識していたかもしれないのだ。それを裏付けるシーンはたくさんある。リコの実力テストの順位は、同学年305人中の2位だった。だから、誠凛高校よりももっとレベルの高い高校に行くこともできたはず。それに、部員たちが桐皇学園高校のマネージャーであるFカップの桃井をチラ見していたときも、リコはなぜか日向に対してだけ鉄拳制裁する。そのうえ、リコは日向に髪を切ってもらっているのだ。これは、「リコが日向のことをそれだけ信頼して」いて、「日向に対して特別な感情を抱いている」証拠と言えるのではないか。今後、2人の関係がどうなっていくのかも気になる。

 そして、父親に「あらゆる面で秀でていてこそ赤司家の人間だ」と育てられ、中学時代はキセキの世代を率いる主将だった赤司。黒子がプレイに取り入れていた「視線誘導=ミスディレクション」を知っていて、即座に「手品などで使われる人の視線を誘導する技術です」と答えていた彼だが、どんなことについてもよく知っている博学多識男というわけではないよう。洛山高校に入学した赤司が、バスケ部を退部しようとしていた黛のところへ行ったとき、ラノベを読んでいた黛に「ところでそれは何を読んでいるのですか?」「ラノベ?」「面白いんですか?」と聞いている。彼は、ラノベという言葉やその存在すら知らなかったのだ。それなのにミスディレクションを知っていたのは、もしかしたら彼自身が手品にハマったことがあったからなのかもしれない。

 ほかにも、赤司が洛山高校で黒子に代わる「幻の6人目」として声をかけた黛の特性に、どのタイミングで気づいたかによって読者の先読みの鋭さを判定することもできる。黒バスの謎に迫れば迫るほど、みなさんにもいろんな角度から瞬時に物事を見通す「鷹の目」のような能力が開花するかも!?

文=小里樹