「奥野香耶」声優インタビュー&撮り下ろしグラビア【声優図鑑】

アニメ

更新日:2015/7/8

これからの活躍が期待される声優に、声優を目指したきっかけや、初めてのお仕事、そしてプライベートなことまで、気になるあれこれについてインタビューを行い、さらに撮り下ろしのミニグラビアも交えて紹介する人気企画「声優図鑑」。記念すべき第20回となる今回は、『Wake Up, Girls!』の菊間夏夜役、『ハナヤマタ』の笹目ヤヤ役などを演じる奥野香耶さんです。


――現在、TVアニメ『ハナヤマタ』で笹目ヤヤ役を演じていますが、ヤヤちゃんがどんな女の子なのか教えてください!

奥野:ヒロインのなる(CV:上田麗奈)のことが大好きな女の子です(笑)! “よさこい”を始めた“なる”のことが気になって自分もよさこいを始めるんです。本当はバンドをやっていて、よさこいに興味はないんですけど…。

――なるのことが好きすぎて(笑)。

奥野:はい(笑)。ヤヤは、いろんな葛藤のなかで生きてる子だなあって感じます。よさこいを始めるまでもいろいろあるんです。小学校の頃からずっと近くで見守ってきたなるちゃんが、自分より、突然現れたハナ(CV:田中美海)と仲良くなってしまった時は、なるが自分の手から離れていく気がして怖くて…。それに、よさこいがやりたいっていう“なる”の気持ちをちゃんとわかってあげなきゃっていう想いもあって。

――ちなみに、奥野さん自身も、女の子の友達に嫉妬するようなことはありますか?

奥野:私も以前はありましたよ。好きな友達がいると、この子と絶対仲良くしたいって想いが強くて、その子が他の子と一緒にいるのを見ると嫉妬しちゃう。だからといってそれを伝えるわけじゃないんですけど…。

――ヤヤも素直に気持ちを伝えられなくて、ツンデレって言われてますね。

奥野:はい。しかも最近ヤンデレも入ってきてますよね! 私、以前からツンデレの役とヤンデレの役を演じたいと思っていたので、すごく嬉しいんです! 最近ヤヤちゃんのことが大好きでしょうがなくて。顔も性格もかわいいですよね〜。いつも家でヤヤちゃんのシーンを見て、「ヤヤかわいい!」ってひとりで興奮してます (笑)。だから、ヤヤちゃんの声は自分だけなんだって思うと、ハァ〜ってなります。もう、言葉では言い表せないほどの喜びなんですよ。最初のオーディションでは、ヤヤを演じたいという決心がつかなくて迷いもあったんですけど、最終的には演じられることになって、これは運命の出会いなのかなぁって(笑)。カヤとヤヤで名前も似ているし。スタッフのみなさんは「奥野ヤヤ」って呼んでくださってるみたいです(笑)。


――では少し時間を遡りますが、デビュー作となった『Wake Up, Girls!』(以下、WUG)についても教えてください! 菊間夏夜(きくま かや)ちゃんはどんなキャラクターでしたか?

奥野:WUGは舞台が仙台なんですが、夏夜は震災で大切な幼なじみを亡くして傷ついている女の子です。震災のショックもあって気仙沼から仙台の商業高校に転校したんですけど、いまいち学校に馴染めず、バイトをしながら一人暮らしをしています。それまでやりたいことが見つからなかったんですが、アイドルという目標を見つけて、自分を変えなきゃって前へ進もうとしているんです。

――WUGのメンバーはみんな中の人と下の名前が同じで(漢字は異なる)、ビジュアルやキャラ設定を重ねている部分もありますよね。奥野さんも菊間夏夜ちゃんのように、夢(声優)を目指した時に一大決心があったとか。

奥野:はい。将来は絶対声優になりたかったんですけど、そんなに簡単にはなれないと思っていて。大学の最後の年、就活をするかどうするかっていう時にオーディションのことを知って。落ちたら本当にあきらめよう、これが最後! って思ってました。

――声優になるのは簡単ではないと感じたのはなぜですか?

奥野:高校の時、「声優の専門学校に行きたい」って親に相談したら、どうして? って言われたんです。私、家では全然しゃべらない子だったし、うまく説明もできず、すぐあきらめちゃったんですよね。でも今は、行きたかった大学に通えて良かったと思っていますし、夢を叶えることができて本当に幸せです。

――声優として幸せって思える瞬間はどんな時?

奥野:二次元の世界にワープしたって思える時です! アニメでキャラクターが自分の声でしゃべっているのを見た時、すごく幸せです。夢って叶うんだなって強く思います。

――WUGのみんなも夢を叶えていましたね。オーディションからずっと長い間向き合ってきた作品のオンエアが終わった時、どんな気持ちでしたか?

奥野:よくインタビューで「あなたにとってWUGとは何ですか?」って聞かれるんですけど、私は「デビュー作です」と答えていて。WUGは帰る場所でもあり、次のステップを踏むための場所でもあります。実は最初、菊間夏夜はあんまり自分に似てないなって思っていたんです。声が低めだし、顔もそんなに似てないし(笑)。他の子たちがみんな似ている気がするから、そんな風に思ってしまって。でも、アニメ放送後に夏夜を演じる機会があって、その時すごくしっくりきたんです、夏夜のことが。そういえば、私も夏夜のように感情を抑えるようなところがあるなとか、いろいろ似ている部分に気づいて。そうしたら夏夜のことが急に愛おしくなりました。じつはその頃、『ハナヤマタ』のヤヤを演じながら「自分の声でいいんだろうか」って悩んでいたから、余計にそう思ったのかもしれません。


――短編アニメーション「うぇいくあっぷがーるZOO!」も発表されましたが、これから楽しみにしていることは?

奥野:次は「1.5期」みたいな感じで、動物園が舞台なんです。夏夜はイメージアニマルのワニになっているんですよ。着ぐるみではなく、本物のワニです(笑)。そしていろんなものを食べまくるらしいです(笑)。他のみんなもアニマルになっています。ブラックジョーク的な雰囲気もあって、今から楽しみでしょうがないです!

――アニサマ出演も楽しみですね!

奥野:楽しみです! でも緊張します。去年のダイジェスト版DVDを見たんですが、360度お客さんで、すごいサイリウムの数で。本当にここに立つんだと思うと信じられないですね。ステージでみなさんの前に出て、その景色を見た時に実感できるのかな…。私の好きなミスチル(Mr.Children)と同じ場所に立つのか〜っていう感動もあります。

――ちなみに、女の子のユニットとしては、『ハナヤマタ』でもチーム“ハナヤマタ”(上田麗奈、田中美海、奥野香耶、大坪由佳、沼倉愛美のキャスト5名による)として主題歌も歌っていますが、WUGと比べて、違うと感じる点は?

奥野:WUGはみんなオーディションから上がってきて、ずっと一緒に過ごしてきたメンバー。声優になるっていう同じ目標に向かって頑張ってきたので、仲はいいけど、やっぱり「負けない!」っていうライバル心もあって。一緒に高め合えたらいいよねっていう関係だと思います。『ハナヤマタ』は、先輩も多いので憧れも強くて、先輩たちすごいな、いろいろ学びたいって素直に思っています。特に、沼倉さんの後ろ姿を見ていると、やっぱり演技がお上手だなって。沼倉さんとは、共演している小山剛志さんに焼き肉屋さんに連れていってもらった時にお話できて、すごく楽しかったです!


――次は、奥野さんご自身のことも伺いたいと思います。さっきミスチルのお話が出ていましたが、どんな曲が好きなんですか? 1番好きな曲は?

奥野:うーん、1番はなかなか決められませんね…。3曲かな? 「Bird Cage」と「渇いたkiss」と「幸せのカテゴリー」。あ、「Pink~奇妙な夢」も捨てがたい…。どの曲も強い想いが乗った曲だと思います。聴きやすいけど歌詞はすごく悲しくて。そういう儚げな曲が好きです。

――カラオケで歌うことも?

奥野:「渇いたキス」は歌います! でもその他の曲は聴くのがメインです(笑)。カラオケで歌うのはアニソンが多いですね。やなぎなぎさんとか、平野綾さんの曲とか。あと『新世紀エヴァンゲリオン』も。「魂のルフラン」を歌うと『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の映像が流れるんですよ。ミサトさんがガンガンガンってやっているシーンで、ひとりで歌いながら泣いて叫ぶ! みたいな(笑)。大学生の時はカラオケで8時間くらいひとりで歌ってました(笑)。

――最近の休日の過ごし方は? やっぱりカラオケ?

奥野:最近カラオケに行ってないですねー。休日は、全然面白くないんですけど、おうちに籠って寝てます(笑)。目の前のコンビニにも行きません(笑)。前日に、次の日に食べるご飯とお菓子を買って、ひたすら寝て起きて、お菓子を食べてまた寝て。いつのまにか夜の10時ぐらいになってて、母に「明日も頑張るよ」ってメールして、また寝るっていう感じです(笑)。たぶん、寝ることが大好きなんですよ。

――どんなお菓子が好み?

奥野:プリングルスのうす塩味が大好きです! フタの上に少しずつ乗せて食べてます。あとはポテコとかポテチとか。じゃがいも系ですね。


――ちなみに、“眠りのこだわり”など、あったりしますか?

奥野:横向きで、壁側を向いた横向きじゃないと眠れません。いつの間にかごろごろ寝返りを打ってるみたいですけど。毎朝起きると、髪の毛がすごく絡まってて鳥の巣みたいになってるんですよ(笑)。さっきメイクさんに相談したら「寝返りが多いからだと思いますよ」って言われて(笑)。髪の毛が細くて絡まりやすいみたいです。

――では、最近の失敗談はありますか?

奥野:『ハナヤマタ』で失敗…というか勉強したことが。ヤヤちゃんが飲み物を飲んでいる時に、ツッコミを受けて「ぶはぁ!」って吐き出すシーンがあったんですけど、なかなかうまくできなくて居残りしたんです。いい自分だけを見せたい、と思うと自分のカラを破れないんです。そこが自分とヤヤちゃんが重なる部分でもあるんですけど。けど、頭ではわかっているんです。演技をするのは好きだし、演技をする立場として変えていかなきゃって思っています。

――最後に、これから声優としてどんな風に活動していきたいのか教えてください!

奥野:やっぱり、いろんな作品に出たいです。私、自分が演じたキャラクターのフィギュアを集めて部屋に並べるのが夢なんです(笑)。その第1号は菊間夏夜ですね。挑戦してみたいのは、綾波レイちゃんみたいな役です。透き通っていて、たまにボソッとしゃべるんだけど、実は物語の鍵を握っていて…的な、ミステリアスな女の子。アニメが始まるまで、どんな声になるんだろうってファンの方に楽しみにしてもらえたり、「この声、奥野香耶なんだ」ってびっくりしてもらえるような声優さんになりたいです。


――ありがとうございました!

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

奥野香耶

・奥野香耶(81produce)
http://www.81produce.co.jp/list.cgi?lady+0513451171000

・Wake Up,Girls! オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/wakeupgirls/

(取材・文=麻布たぬ、撮影=山本哲也、キャスティング協力=吉村尚紀)