書店員が選ぶ“時間”に思いを馳せる5冊

文芸・カルチャー

更新日:2017/11/22

毎日膨大な量の本に接し、本の知識なら誰にも負けない“本のソムリエ”こと書店員さん。そこで今回は、書店員歴8年、文苑堂書店福田本店店長の新沼雄太さんに“時間”に思いを馳せる本”5冊をセレクトしてもらった。

■『時間のおとしもの』 入間人間 メディアワークス文庫 530円(税別)
「もしも」だとか「あの時こうしておけば」だとかそういった想像を、許し、楽しませてくれるのが小説でありSFである。どの章も、さわやかな後味を感じさせる4つの物語からなる短編集。

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■『フラッシュフォワード』 ロバート・J・ソウヤー/著 内田昌之/訳 ハヤカワ文庫 900円(税別)
唐突に自分の未来を知ってしまったら。全力でそこから変えようと試みるのか、受け入れることはできるのだろうか。未来を想像することは楽しい。しかし、意図せず知ってしまったとしたら……。

■『第四間氷期』 安部公房 新潮文庫 550円(税別)
未来を予言する機械。それは本当に間もなく訪れる未来かもしれないし、それが明るい未来かと言われると、果たして本当にそうなのか、それもわからない。どんな未来が待っているのだろうか。

■『リプレイ』 ケン・グリムウッド/著 杉山高之/訳 新潮文庫 790円(税別)
大人になってから、青春時代に戻りたい。そんなふうに思ったことはありませんか? 何度もやり直しのできる人生、しかしうまくはいかないのが人生。永遠のループは果たして幸せなことでしょうか。

■『ひとにぎりの未来』 星新一 新潮文庫 550円(税別)
星新一のショートショートは、食事にたとえるならば極上のデザートです。どこか異世界、まだ見ぬ世界を感じさせる40の物語がぎっしりと詰まった『ひとにぎりの未来』はお気に入りの一品。

ダ・ヴィンチ5月号「本のソムリエ」