突然名所に!? 竹田城、備中松山城…次に来る城はどこだ!

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公開日:2014/4/19

 「天空の城」「日本のマチュピチュ」とも呼ばれる兵庫県の竹田城が脚光を浴び、観光客が倍増しているが、それに続き、岡山県の備中松山城も第2の天空の城として注目されているよう。そこで、『ビジュアル百科 日本の城1000城 1冊でまるわかり!』(大野信長 、加唐亜紀、有沢重雄/西東社)から、次に来そうな知られざるお城を紹介してみよう。

 まず、ポスト竹田城として注目されているのが、奈良県の高取城。芙蓉城とも呼ばれるこの城は、麓からの標高差日本一を誇り、日本三大山城としても知られている。山城は戦いのための城で、南北朝時代から戦国時代にかけて多くつくられた戦略的拠点でもあった。近世に築かれた山城としては最大規模を誇るというこの高取城は、山城としては珍しく水堀があり、苔むした石垣も見どころのひとつとなっている。木々に覆われ、自然と融合していくさまは「ラピュタ」の世界観に近いかもしれない。もう少し整備されれば、竹田城にも負けない見晴らしを誇る“天空の城”になれそうだが、積み重ねられてきた歴史と自然の雰囲気を楽しみたい人にはおすすめだ。

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 また、宙に浮かぶ城といえば、山口県の岩国城もある意味そう言える。こちらも山城なのだが、木々に囲まれた高取城とは違い、横山の山頂に築かれている。3階よりも4階、5階よりも6階を大きくした「南蛮造」という様式で建てられた天守が特徴で、日本で最初に造られた南蛮造の天守らしい。しかし、この岩国城の白い外壁が最も映えるのは、夜。近くにある日本三大奇橋のひとつ錦帯橋越しに見るライトアップされた岩国城は、まさに夜空に浮かび上がる城なのだ。その姿を見るだけでも、出かける価値はある。

 そして、桃太郎伝説の鬼の城として注目を集めているのが、岡山県の鬼ノ城。この城は、奈良時代に築かれ、長い歴史を持っているのに『日本書紀』などの歴史書には一切名前が出てこないので「記録に残されていない謎多き城」としても知られているようだ。朝鮮半島の影響を受けた古代の城で、現在は木造3階建ての西門をはじめ、高石垣なども復元されている。「鬼が住みつき悪さをしていた」という伝承からこの名前がつけられたようだが、実際に鬼が暮らしていたというより、「余所からやって来た異人」を鬼と呼んでいたのだと思われる。

 さすがにGWで海外旅行には行けないけど、少し遠出したいと思っていた人は、竹田城のように観光客が殺到する前に、穴場のお城巡りに出かけてみるのもいいかもしれない。

文=小里樹