女性が「仕事」も「結婚」も「妊娠・出産」も成功させる方法は本当にあるのか?

出産・子育て

公開日:2014/4/30

 「こんなに仕事ばかりしていては、家庭生活が営めません!」。社会に出たばかりの友人(彼氏なし)が、入社早々の残業の嵐にそんな言葉を上司に投げかけたのだというから驚いた。働き始めてすぐそんなことを言い出すのもどうかしていると思うが、女性ならば誰もが「仕事」と「結婚」生活の両立ができるかを心配するのは当然のことかもしれない。ユニ・チャーム株式会社では、2015年度の新卒採用者から女性採用の「Fresh-Mom Recruitment制度」を導入。社会人としてのキャリアを積みたいと希望しているにも関わらず、妊娠・出産予定があるために志望に不安を感じている女性に対し、最長で30歳になるまで内定を保有できる仕組みが導入するという。そんな恵まれた環境にいられれば良いのだが、そんな制度もなく、おまけにこれから相手を探し出さねばならない新社会人はどうしたら良いのだろうか。やっぱり働く女性の多くは「仕事」か「結婚」か、どちらかを諦めなくてはならないのだろうか。

 国立成育医療研究センター副センター長・斎藤英和氏&「婚活ブーム」の火付け役となった少子化ジャーナリスト兼作家・白河桃子氏著『「産む」と「働く」の教科書』(齊藤 英和共著/講談社)には、女性が「仕事」も「家庭生活」も手に入れるために知るべき知識が書かれている。白河氏によれば、女性にとって結婚や妊娠は、いまや受身では手に入らない時代であるという。そして、仕事も結婚も妊娠も成功させる鍵は「自活」にあるそうだ。

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 アナタは結婚相手にどの程度の年収を求めているだろうか。「1000万?」「2000万?」そんな声がチラホラと聞こえてきそうだが、ある調査では東京の女性(25~34歳)の結婚相手に求める理想の年収は最低でも「600万円以上」との調査結果が出ていると白河氏はいう。だが、実際に未婚男性で「600万以上」を実現している人は少ない。白河氏によれば、世の独身男性の4人に3人が年収400万円未満。600万円以上の人はわずか5.7%。独身女性が「理想」と感じる年収の男性は6%に満たないのが現実なのだ。

 専業主婦となるのにはリスクがつきもの。今は、日本の離婚率は3組に1組といわれているのだから、もしものことを考えた場合も「自活」することはとても重要なのは当然のことだろう。だが、それだけではなく、夫の給料が安くなったり、リストラされたり、はたまた病気になってしまう可能性もゼロではない。どんな時でも、「大丈夫。私もがんばるから、なんとかなるわよ。2人でがんばろう」とにっこり笑っていえることが大切だ。白河によれば、結婚相手に求める理想の年収は、自分の年収と相手の年収の合計で考えるべきだという。「結婚しても子どもを産んでも、仕事をするのはあたりまえ」。まず仕事というベースがあって、その上に結婚や出産があると考えた方が良いのだろう。

 結婚後、出産には、タイムリミットがある。「仕事第一」となっていると、いつの間にか出産時期を逃してしまう可能性が高いだろう。2011年に誕生した子どものうち体外受精などの治療で誕生した子どもの割合は32人に1人、クラスに1人の割合だと言われている。だが、不妊治療が一般的になってきているとはいえ、40歳を過ぎると出産時のリスクが大きい。著名人が高齢出産をしたときいて、「では自分も」と安心してはいけないのだ。卵子の老化スピードには個人差があり、妊娠適齢期のはずの25歳でも50代の平均ほどしか卵子が残っていない女性も少なからずいる。白河氏曰く、出産適齢期は20~30代前半、20代で第一子を目標にすべし。しっかりと自分の身体にも目を向けて行かねばならないのだ。

 あまり気負わず、広い視野であたりを見渡せば、自分にぴったりの男性と巡り合えるのかもしれない。仕事、結婚、出産をひとつづきと捉え、適度なバランス感覚を保つ「自活女子」こそが幸せになる女の姿なのだろう。そうはいってもなかなか上手くできないものなのだが。

文=アサトーミナミ