実はたのもしくてかっこいい! 『クレしん』野原ひろしの名言とは?

マンガ・アニメ

2014/5/10

 現在、ロードショー中の『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』。興行収入では『アナと雪の女王』に大きく水をあけられてはいるが、ネット上では「これは泣ける!」「感動した!」と大きな話題を呼んでいる。その立役者ともいうべき人物が、しんのすけの父で、本作の主人公・野原ひろしである。

 家の中ではグータラだし、若い女の子にはすぐ鼻の下を伸ばすごく普通のサラリーマンで、エリートや超優秀なわけでも、特別、料理や家事ができるわけでもない。なのに「理想のお父さん」としてたびたび名前が挙がるのは、彼の生き方が関係しているのだろう。そこで、4月23日に発売された『野原ひろしの名言 「クレヨンしんちゃん」に学ぶ幸せの作り方』(大山くまお/双葉社)から、ひろしの生き方を表す名言を紹介してみよう。

■つらいときには、笑っちゃえ!
 まず、彼の良さはその前向きなところ。映画『クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ 金矛の勇者』の名シーンともいえるのが、しんのすけと一緒にお風呂に入っているときに「つらいときには、笑っちゃえ!」と言って大笑いする場面だ。その笑い声を聞いて、妻・みさえも思わず笑ってしまうのだが、この前向きさと大らかさが、ひろしの魅力である。また、『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!』では、勤続15年のごほうびで沖縄旅行に行ったとき、夜空に打ち上がる花火を見て「オレの勤続15年を祝ってくれたんだな」としみじみ喜ぶひろし。それを見て苦笑いするみさえに対して、「なんでもプラス思考!それがオレたち野原一家だろ?」と言うのだ。この超プラス思考とポジティブさこそ、笑いの絶えない家族をつくる秘訣なのかもしれない。

■ヒーローなんかじゃない!父ちゃんだ!
 そして、家族のことが大好きで、家族のために一生懸命働くひろしは、子どもを思う優しい父親でもある。映画『クレヨンしんちゃん 伝説を呼ぶ ブリブリ3分ポッキリ大進撃』で正義のヒーローになり、現実を見失ってしまうひろしだったが、そこで「オレたちは世界を守るヒーローなんかじゃない! 子どもたちに未来を生かしてやりたいと思っている父ちゃんだ!」ということに気づくのだ。誰だって、自分の子どもにとってのヒーローにはなれる。まさに、すべての父親が見習いたい理想の父親像だろう。さらに、最新作の『~ガチンコ! 逆襲のロボとーちゃん』でも、「押しつけることがしつけじゃねぇんだ!! 自分からやらなきゃ意味がねぇんだよ!」と自身の教育方針を披露している。

■お前は世界一の女房だ!
 ついでにいうと、父親としてだけでなく夫としても、ひろしは抜群にカッコイイ。日本人男性はなかなか妻に向かって「愛してる」などと直接伝えてくれることはないのだが、ひろしはなにか感激するようなことがあれば「ありがとう、みさえ。愛してるよ。みさえ、お前は世界一の女房だ!」と言ってくれる。TVアニメ「ヘソクリの場所がわからないゾ」でも、みさえがひろしの靴下を買うために1000円ヘソクリをしていると聞いて、思わず妻を抱きしめ、このセリフを言うのだ。コミックス31巻で、みさえを「中トロまぐろ」呼ばわりしてビンタをくらったときも、根に持たず「ゴメンなさい みさえさんはエンゼルフィッシュかリトルマーメイドです」と正座して謝罪する。こうやって相手を立てたり、すぐ仲直りできるのも、彼の愛情と器の大きさあってこそなのだろう。

 子どもたちとどう接すればいいかわからない、子どもに尊敬されない、奥さんとぶつかってしまうと悩んでいる父親たちも、まずはひろしの生き方から学んでみるといいかもしれない。

文=小里樹