「今の会社辞めたい」は“はしか”のようなもの? 入社3年目からの仕事との付き合い方

ビジネス

2014/5/12

 石の上にも三年。古くからいわれることわざである。苦労を重ねても辛抱すればきっと報われるという言葉だが、とりわけ数字に注目して、“3年”というキーワードは広く様々なものごとで節目に使われる機会も多い。なかでも目立つのはやはり、会社員としての“入社3年目”にまつわる話題だろう。

 ただ、入社3年目までに何をすべきか、入社3年目の離職率をきっかけとした転職の話などが取り上げられる一方、なかなか「入社3年目からどう会社と向き合うべきか」という問いかけに出会う機会は少ない。そこで今回は、日立製作所に勤務する大和賢一郎さんの著書『入社3年で仕事のおもしろさに目覚める瞬間』(すばる舎)をもとに、転職することなく、今ある環境で入社3年目から仕事とどのように向き合うべきかを伝えていく。

 そもそも仕事に何を求めるかが人それぞれ異なるように、入社3年が経過して転職に思いを巡らせる理由もまた違うだろう。それは、延々と続く業務へのマンネリであったり、もはや「できて当たり前」と思われるプレッシャーからの劣等感、そして、自分自身の評価や待遇についての不満など、挙げればキリはない。

 ただ、本書では入社3年目での悩みは「はしか」のようなもので、周囲の誰もが味わってきたものだと語っている。その上で、会社員にとってのあるあるな悩みを挙げながら、ていねいにひとつひとつ解決策を提案してくれている。

 例えば、初めは手こずっていたはずの仕事も、慣れてこなせるようになってくればマンネリを覚えるようになってくる。しかし、そんなときにいったん自分へ「本当に“極めた”のか、それとも“極めたと思い込んでいるだけなのか”」を問いかけるよう、本書では語られている。

 その一例としてあるのが、「人に指導できるくらい整理されているか?」というものだ。入社して3年目ともなれば、多くの場合は後輩や部下がまわりを囲みはじめる。そうなれば、自分のやり方を淡々と教えるだけではなく、相手が理解できるように伝えることが自分にとっての“新たな仕事”になってくる。

 また、マンネリ化の並行線上にある“やらされている”という気持ちについても、本書では「何でも自分で決める」と意識を変える重要性を説いている。例えば、仕事の大小を問わずたいていの場合は期限が付きものである。しかし、先輩や上司から「◯◯までにこれをやっておいて」といわれる前に、自分から「いつまでにやる」と言ってしまった方がやる気を高められると述べられている。

 この時期は“5月病”も重なり、仕事についてふと我に返って悩み始める人たちも少なくないだろう。しかし、人生でもっとも多くの時間を費やすはずの仕事はやはり、後ろ向きではなく少しでも前向きに取り組めたほうが日常をより有意義に過ごせるのではないだろうか。本書をもとに、明日からのひとりでも多くの人が仕事を楽しめるようになるよう願いたい。

文=カネコシュウヘイ