こんなにコワイ「痛み止め薬」! 胃腸障害や腎障害などのおそれも

健康

更新日:2020/5/11

 季節の変わり目に起こる謎の偏頭痛や腰痛、肩や首、股関節の疼痛…。箇所はさまざまでも、“体に起こる痛み”に悩んでいる人はきっと多いだろう。そんなとき、「とりあえず」飲んでしまうのが、痛み止めの薬。だが、痛み止めには恐ろしい負のスパイラルが待っていることを、あなたはご存じだろうか。

 そのことに言及しているのが、“痛み治療の第一人者”として『中居正広の金曜日のスマたちへ』にも出演した医師・富永喜代氏の『気力をうばう「体の痛み」がスーッと消える本』(アスコム)。今回は本書から、痛み止めのコワイ話を紹介しよう。

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 まず、痛み止めや鎮痛剤のほとんどが「NSAIDs(エヌセイズ)」と呼ばれる非ステロイド性抗炎症剤だ。市販薬としておなじみの「ロキソニン」や「ボルタレン」、「インダシン」「ポンタール」「バファリンA」「イブ」「ナロンエース」などはエヌセイズの一種である。このエヌセイズは世界一売れている薬でもあるのだが、「私たち痛みの専門医の間では、神経痛や慢性痛にエヌサイズが効かないことは常識です」という。

 根本的に、エヌサイズが効果を発揮するのは「痛みが発症した直後から急性期で、患部に炎症がある間」。つまり“急に腰が痛み出したり、傷が腫れて痛い間”は効果があるが、慢性的な痛みには「エヌサイズを使う意味はない」のである。さらに、長期にわたって連用すると、胃腸障害や腎障害などの被害がある。実際、「薬物による腎障害の原因のトップは、痛み止め」である。また、市販薬の痛み止めを使いすぎることで胃が荒れ、「自分は胃が弱い」と思い込んでいるケースもある。